併催研究会
インターネットと運用技術、セキュリティとプライバシのチャレンジ
(IOT/SPT共催)
9月3日(木) 13:10-15:40
第3イベント会場
招待講演「材料工学に基づいた新しいWebシステム設計・管理アプローチ」
熊谷 将也(さくらインターネット株式会社)
【概要】 Webシステムは、24時間365日動き続けることが当たり前になっている。その一方で、システムは年々複雑さが増し、安定性や快適性の維持が難しくなっている。この問題を解決するため、私は自身の専門である材料工学の問題に置き換えた。私たちの身の回りに存在する材料が多くの原子から構成されているように、Webシステムは多くのコンピュータから構成されている。各コンピュータを原子と捉え、CPUやメモリなどのリソースを電子と捉えることで、システム全体の安定性や性能を最適化するための引力・斥力や結合状態、空間的配置を表現できる可能性がある。本講演では、材料工学に基づいた新しいWebシステム設計・管理アプローチについて詳しく説明するとともに、着想に至った経緯を紹介する。
【略歴】 2017年大阪大学大学院工学研究科博士課程修了。同年さくらインターネット株式会社入社。同年6月より、パラレルキャリア制度を利用し、理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員着任。2019年4月より、クロスアポイントメント制度を利用し、京都大学複合原子力科学研究所附属安全原子力システム研究センター特定助教に着任。機械学習を共通の要素技術として、材料工学および情報工学の知識を双方に生かした学際的研究に主眼を置く。
パネル討論 実験参加者が集められない!大ピンチ!どうするユーザ実験!
【概要】 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための自粛活動は、我々研究者の研究環境にも大きな影響を及ぼした。セキュリティやプライバシー技術のユーザビリティを研究し議論するユーザブルセキュリティ・プライバシーの分野では提案手法の評価のためにユーザ実験をするケースが多いが、さまざまな自粛を受け満足に実験ができない状況が現れた。本パネルでは、そういった状況下でどういったユーザ実験を行うか、またユーザ実験以外にアプローチはあるのか、などセキュリティ心理学とトラスト研究会に関連する研究者からそれぞれの紹介をしてもらい、パネル討論を行う。
司会:金岡 晃(東邦大学 准教授)
【略歴】 2004年筑波大学大学院博士課程システム情報工学研究科修了。同年セコム(株)入社。筑波大学システム情報工学研究科研究員、同助教を経て2013年より東邦大学理学部講師。2017年より准教授。2010-2016年情報通信研究機構招へい専門員、2016-2018年放送大学非常勤講師。セキュリティとプライバシーのユーザビリティ、暗号技術の応用、ネットワークセキュリティに関する研究に従事。
パネリスト:大木 哲史(静岡大学大学院総合科学技術研究科)
【略歴】 2002年早稲田大学理工学部電子情報通信学科卒業。2004年同大学大学院理工学研究科電子・情報通信学専攻修士課程修了。2010年早稲田大学理工学術院情報・ネットワーク専攻博士(工学)取得。2010年早稲田大学理工学総合研究所次席研究員、2013年産業技術総合研究所特別研究員を経て2017年より静岡大学大学院総合科学技術研究科講師。情報セキュリティ全般、特に個人認証を中心としたセキュリティ・プライバシーに関する研究に従事。情報処理学会、電子情報通信学会各会員。