15:30-15:55 講演(1) CITP制度の現状と課題 | |
西山 博康(株式会社日立製作所、情報処理学会 技術応用理事) | |
【概要】 本学会では、産業界向けに行っている活動の一つとして高度IT人材資格制度である「認定技情報技術者」(CITP; Certified IT Professional)を提供している。CITPは、日本企業に広く普及しているITスキル標準(ITSS)を参照モデルとし、ITSSのレベル4以上の高度の専門知識と豊富な行実績を有する上級技術者を「認定情報技術者」(CITP; Certified IT Professional)の資格認定を行う。CITTでは、現在1万名弱の技術者を認定技術者として認証している。CITP制度は、プロフェッショナル資格制度(IP3P)としてIFIP IP3の認定を受けており、CITPはIP3認定国間でグローバルに通用する資格である。本講演では、CITP制度の概要を紹介するとともに、これまでの実績、今後の方向について述べる。 | |
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【略歴】 1993年筑波大学大学院工学研究科電子・情報工学専攻博士課程修了。同年(株)日立製作所入社。スーパコンピュータ向けコンパイラ、アプリケーション実行基盤、プログラム解析等の研究に従事。近年はIoTプラットホームに関するOSS活動に従事。博士(工学)。 |
15:55-16:20 講演(2) DX時代に求められる技術者育成施策-日立グループにおけるデータサイエンティスト育成の事例を元に- | |
小野 綾子(株式会社日立製作所 人財統括本部 システム&サービス人事総務本部 人財企画部 タレントマネジメントグループ 部長代理) | |
【概要】 デジタルトランスフォーメーション(DX)を担う人材には、従来型SEのスキルを保持しながら、先端的なデジタル技術の目利きができ、ビジネスや組織を変革して事業化することが求められる。日立では、実力と経験を重視し、DX人材育成の仕組みを構築中であり、データサイエンティスト育成事例を皮切りに、従来のスキル標準も活用しつつ、技術者のマルチスキル化を進めている。さらに、プロフェッショナル・コミュニティ活動により組織能力を向上させてDX人材育成に取り組んでいる。これまでの取り組みから得られた知見を報告する。 | |
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【略歴】 1991年津田塾大学卒業。同年(株)日立製作所入社。以来、ストレージシステムに関する研究開発の後、研究管理、コンサルタント育成、事業部門における採用・教育、労務安全業務を経験し、システム&サービスビジネス分野の技術者育成に従事。スキル標準ユーザ協会認定コンサルタント、JEITAソリューションサービス人材開発専門委員会委員。 |
16:20-16:45 講演(3) データサイエンス教育への取り組みの現状 | |
加藤 浩(放送大学 教養学部 教授) | |
【概要】 近年、データサイエンス・AI人材の必要性が高まっており、各国がその育成の取り組みを始めています。我が国でもAI戦略2019(2019年6月発表)において、その必要性が叫ばれており、現在それをどのように進めるかが検討されているところです。情報処理学会でもそれに対応するために2019年9月に情報処理教育委員会の下にデータサイエンス教育委員会が発足しました。本講演では、諸外国のデータサイエンス教育に対する取り組みの動向と、我が国の現状を報告します。初等・中等教育からプロフェッショナルまで、様々なレベルでの取組が必要になりますが、特に全大学生を対象にしたデータサイエンスリテラシーレベルの標準カリキュラム関連の話題、今後のカリキュラム標準化の動向、およびデータサイエンティストの資格認定との連携についても説明いたします。 | |
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【略歴】 1983年慶應義塾大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、日本電気(株)入社。1999年東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻博士課程、博士(工学)。2000年メディア教育開発センター助教授。2009年放送大学教授。一貫して教育工学分野の研究、とくに協調学習支援のための教育システムや評価の研究に従事。2019年より情報処理学会データサイエンス教育委員会委員長。 |
16:45-17:10 講演(4) スマートエスイー: IoT・AI×ビジネスによるSociety 5.0時代の学び直し | |
深澤 良彰(早稲田大学 理工学術院 教授) | |
【概要】 「スマートエスイー(Smart SE)」は、2017年に早稲田大学を代表校とし13大学と21企業・団体(傘下5000社超)との大規模産学ネットワークにより、AI・IoTを中心に社会ニーズに応じ、必要なサービスをきめ細やかに適応的かつ効率的に提供する先端スマートシステム技術による価値創造をリードするイノベーティブ人材育成の履修証明プログラムとして、enPiT-Proに提案し採択された。このプロジェクトでは、先端スマートシステムや関連技術の標準的枠組みRAMI4.0とCD/ITSS+に基づきビジネス、アプリケーション、情報処理、通信・物理の各領域を網羅し、IoT・センサからAI、さらにはイノベーションまで繋げる体系的19科目6カ月120時間の社会人学び直しプログラムを実現している。2018年度から対面での教育プログラムを実施し、毎年定員超の応募から受講・修了審査を経て30名弱が修了している。一方、専門科目の大多数をJMOOC上で無償提供し、広く一般への学習機会を提供している。さらに1科目を英語化してedXで公開し、国際的な学習ニーズへ応えている。 | |
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【略歴】 1983年3月早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。1987年早稲田大学理工学部電気工学科助教授。1992年同理工学部情報学科教授。2007年より同基幹理工学部情報理工学科教授。早稲田大学教務部長、研究推進部長、理事等を歴任し、2014年11月より図書館長。大学ICT推進協議会(Axies)会長、日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)副理事長などを兼務。 |
17:10-17:30 まとめと質疑 | |
司会:西山 博康(株式会社日立製作所、情報処理学会 技術応用理事) | |
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【略歴】 1993年筑波大学大学院工学研究科電子・情報工学専攻博士課程修了。同年(株)日立製作所入社。スーパコンピュータ向けコンパイラ、アプリケーション実行基盤、プログラム解析等の研究に従事。近年はIoTプラットホームに関するOSS活動に従事。博士(工学)。 |