イベント企画
ゲーミフィケーションが拓くサイバーワールドの可能性
9月3日(火) 13:10-15:10
第2イベント会場(一般教育棟 A棟 A21)
【セッション概要】 ITが社会基盤となった現代社会では、ビジネスや生活、行政、教育など様々な現場で、AIやIoT、ビッグデータ、ロボットといった各種技術を組み合わせた課題解決が推進されています(Society 5.0)。これら課題解決には、サイバーワールドとリアルワールドの緊密な融合だけでなく、人々の人間関係やモチベーションにも配慮が必要であり、ゲーミフィケーション(ゲームの仕組みや方法をゲーム以外の分野に利用する手法)の活用が期待されています。本セッションでは、ゲーミフィケーションをキーワードとし、教育やビジネスでの活用事例を紹介した上で、サイバーワールドが果たすべき役割やその可能性について議論します。
13:10-13:20 司会 サイバーワールドとゲーミフィケーション
河野 義広(東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科 助教)
【概要】 本セッションでは、「ゲーミフィケーションが拓くサイバーワールドの可能性」と題し、ゲーミフィケーションを専門とする3名の方々に、ゲーミフィケーションの基本的な考え方から学びの場での活用事例、今後の展望などについてご講演をいただく予定である。冒頭では、サイバーワールド、ゲーミフィケーション、Society 5.0を簡単に紹介し、会の縦軸となるテーマ「サイバーワールドが果たすべき役割やその可能性」について説明する。
【略歴】 2006年茨城大学大学院理工学研究科修士課程了。同年、博士課程進学と同時に(株)インテック・ネットコア入社。同大にて分散仮想環境、同社にてIPv6の研究開発に従事。2009年博士課程了、博士(工学)。2010年茨城大学にてソーシャルメディアに関するシステム開発に従事。2011年東京情報大学情報システム学科(現総合情報学科)助教。地域の情報発信、学生の自己実現支援システム、子ども向け学修支援システムの研究に従事。
13:20-13:45 講演(1) ゲーミフィケーションの考え方と学びでの活用事例紹介
岸本 好弘(一般社団法人 日本ゲーミフィケーション協会  代表賢者)
【概要】 これからのAI、ロボット時代の「学び」では、自ら学ぶ力が重要となります。その学習モチ―ベーションを「遊び」の考え方で支援するのが「学びのゲーミフィケーション」です。その活用範囲は、学校授業だけにはとどまらず、リアルな企業研修やeラーニング教材開発にも広がります。講師は、長年のゲームデザイナー経験で用いたプレイヤーを惹きつけ夢中にさせるゲームデザインのノウハウを、ゲーミフィケーション6要素として大学授業に用いました。能動的参加、称賛演出、即時フィードバック、独自性の歓迎、成長の可視化、達成可能な目標設定の6つです。その、活用事例や実践する時のコツをお話しします。また、圧倒的に不足しているゲーミフィケーションが活用できる人材「ゲーミフィケーションデザイナー」を、日本ゲーミフィケーション協会として育成していきたい旨もお話しします。
【略歴】 1959年兵庫県生まれ。28年間にわたり、ナムコ、コーエーにてゲーム開発を手がける、係わったゲームは60タイトル、「ファミスタの父」と呼ばれる。その後6年間、東京工科大学メディア学部特任准教授として学生の指導とゲーム研究を行う。専門は、ゲーミフィケーション、ゲームデザイン。「世界を神ゲーに」をキーワードに、日本ゲーミフィケーション協会にて、ゲーミフィケーションデザイナー教育プログラムを作成中。著書「ゲームはこうしてできている」。好きな食べものはオムライス。
13:45-14:10 講演(2) ゲーム要素を付与したバーチャルインターンシップが学習意欲とキャリアビジョンに及ぼす影響
坂井 裕紀(武蔵野学院大学 国際センター 准教授)
【概要】 グローバルシチズンシップを育成するためにSDGs(世界の持続可能な開発目標)をテーマにしたバーチャルインターンシップ授業を高校の「総合的な学習の時間」に実施した。授業には「ストーリー」や「ポイント」等のゲーム要素が付与された。高校1年男女256名を対象に本授業の実施前後においてアンケート調査を行った結果、本授業を実施した群においては、生徒の「学習意欲」が授業の実施前後において有意に高くなっていた。また、生徒の「キャリアビジョン」も本授業の実施前後において有意に高くなっていた。これらのことから本授業のようなグローバルシチズンシップを育成するためにSDGs(世界の持続可能な開発目標)をテーマにしたバーチャルインターンシップ授業は、生徒の「学習意欲」および「キャリアビジョン」を高める可能性が示唆された。講演では、授業で使われたバーチャルインターンシップとゲーム要素について解説する。
【略歴】 2019年 早稲田大学大学院人間科学研究科修了。同年、武蔵野学院大学国際センター准教授(現職)。2003年に人材育成コンサルタント会社を設立し、働く人を対象に「心の健康」や「心の在り方」に関する教育を1,000回以上実施。これまでにゲーム要素を用いた研修デザイン・教材開発・評価制度の構築、等の実績がある。日本デジタルゲーム学会2017年大会奨励賞受賞。
14:10-14:35 講演(3) ゲーミフィケーションの「次」のステップに向けて
井上 明人(立命館大学 映像学部 講師)
【概要】 2011年からのゲーミフィケーションの隆盛にはスマートフォンの存在が大きな役割を果たしましたが、同時に現時点では、現実空間にゲームを持ち込むためには多数の超えるべきハードルがあります。XR技術、センサリング技術、AI関連技術、データの標準化、データ利用の権利の整備などといった分野に大きなイノベーションが到来すれば、社会とゲームの接続はより大きくすすんでいくことが期待できます。これらのハードルを超えた先になぜ、大きな飛躍を遂げる可能性があるのかを「ゲーム」というものの性質を考えながら論点を整理していきたいと思います。
【略歴】 ゲーム研究者。現在、立命館大学講師。ゲームという経験が何なのかについて論じる『中心をもたない、現象としてのゲームについて』を連載中。単著に『ゲーミフィケーション』(NHK出版,2012)。開発したゲームとしては、震災時にリリースした節電ゲーム『#denkimeter』や『ビジュアルノベル版Wikipedia地方病(日本住血吸虫症)』などがある。
14:35-15:10 パネル討論 ゲーミフィケーションが拓くサイバーワールドの可能性
【概要】 ゲーミフィケーションのテーマでご講演いただいた内容を振り返り、会場の皆さまとともに会の縦軸のテーマである「サイバーワールドが果たすべき役割やその可能性」について議論する。参加者それぞれの専門分野の観点から多様な議論が生まれる場となることを期待する。
パネリスト:河野 義広(東京情報大学 総合情報学部 総合情報学科 助教)
【略歴】 2006年茨城大学大学院理工学研究科修士課程了。同年、博士課程進学と同時に(株)インテック・ネットコア入社。同大にて分散仮想環境、同社にてIPv6の研究開発に従事。2009年博士課程了、博士(工学)。2010年茨城大学にてソーシャルメディアに関するシステム開発に従事。2011年東京情報大学情報システム学科(現総合情報学科)助教。地域の情報発信、学生の自己実現支援システム、子ども向け学修支援システムの研究に従事。
パネリスト:岸本 好弘(一般社団法人 日本ゲーミフィケーション協会  代表賢者)
【略歴】 1959年兵庫県生まれ。28年間にわたり、ナムコ、コーエーにてゲーム開発を手がける、係わったゲームは60タイトル、「ファミスタの父」と呼ばれる。その後6年間、東京工科大学メディア学部特任准教授として学生の指導とゲーム研究を行う。専門は、ゲーミフィケーション、ゲームデザイン。「世界を神ゲーに」をキーワードに、日本ゲーミフィケーション協会にて、ゲーミフィケーションデザイナー教育プログラムを作成中。著書「ゲームはこうしてできている」。好きな食べものはオムライス。
パネリスト:坂井 裕紀(武蔵野学院大学 国際センター 准教授)
【略歴】 2019年 早稲田大学大学院人間科学研究科修了。同年、武蔵野学院大学国際センター准教授(現職)。2003年に人材育成コンサルタント会社を設立し、働く人を対象に「心の健康」や「心の在り方」に関する教育を1,000回以上実施。これまでにゲーム要素を用いた研修デザイン・教材開発・評価制度の構築、等の実績がある。日本デジタルゲーム学会2017年大会奨励賞受賞。
パネリスト:井上 明人(立命館大学 映像学部 講師)
【略歴】 ゲーム研究者。現在、立命館大学講師。ゲームという経験が何なのかについて論じる『中心をもたない、現象としてのゲームについて』を連載中。単著に『ゲーミフィケーション』(NHK出版,2012)。開発したゲームとしては、震災時にリリースした節電ゲーム『#denkimeter』や『ビジュアルノベル版Wikipedia地方病(日本住血吸虫症)』などがある。