FIT2016 第15回情報科学技術フォーラム 開催日:2016年9月7日(水)~9日(金) 会場:富山大学キャンパス
イベント企画
ダイバーシティ社会に向けたワークプレースを考える
9月8日(木) 15:30-17:30
第2イベント会場(共通教育棟A棟2階A21)
【セッション概要】 ダイバーシティ社会を活性化するために、ICTの実践や課題についてのパネル討議を行う。ダイバーシティ社会の実現に向けて企業や大学など各組織では多様性を尊重し組織として成長するさまざまな取り組みを実施している。そのひとつとして女性の積極的な活用に取り組んでいるが、これからのダイバーシティ社会の実現では女性だけでなく男性を含めた多様な属性をもった人々が活躍する場(ワークプレース)が重要になってくる。パネル討議では男女問わず、家族や家庭人としての面を持ちながら活躍・貢献できる職場やコミュニティについて議論する。
司会:住田 一男((一社)人工知能学会 事務局長)
【略歴】 1982年東工大大学院総合理工学研究科修士課程修了。同年(株)東芝入社。2013年東芝リサーチ・コンサルティング(株)シニアフェロー。2016年7月より現職。1999~2005年東工大客員助教授、2012~2016年東工大連携教授兼務。2010~2012年情報処理学会監事、2014~2016年同会理事、2013年~同会DP編集委員会委員。同学会フェロー。博士(工学)。音声翻訳等の音声言語処理技術・応用システムの研究開発、海外研究所とのコーディネート業務等に従事。
15:30-15:50 講演(1) 情報処理学会におけるダイバーシティ推進に向けた取り組み - Info-WorkPlace委員会
加藤 由花(東京女子大学 数理科学科 教授)
【概要】 本講演では、情報処理学会におけるダイバーシティ推進の取り組みとして、2016年4月に発足したInfo-WorkPalce委員会の活動を紹介する。本委員会は、女子学生・女性技術者・女性研究者の活動を支援し、学会の一層の発展を図ることを目的に設立されたが、委員会名にはあえて「女性」という文言を入れていない。これは、性別・年齢などの属性を問わず、私たちのWork Placeを新たにデザインしていくことを目指したい、という思いが込められているためである。女性活動支援は重要な取り組みと言われながらも、一部の女性だけが活発に活動していて広がりがない、女性というだけで半ば強制的に参加させられるなど、本来の意味で機能していない事例も見受けられる。我々は、ボトムアップの組織、参加することにメリットがあり、参加したくなる場つくりを目指した、新しい形での活動を模索している。これらの活動内容を紹介するとともに、今後の方向性について参加者とともに考えてみたい。
【略歴】 1989年東京大学理学部卒業。同年日本電信電話(株)入社。2002年電気通信大学大学院情報システム学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。電気通信大学助手、産業技術大学院大学教授を経て、2014年より東京女子大学教授。情報ネットワーク、ネットワークを利用したロボットサービスに関する研究に従事。情報処理学会理事(会誌・出版担当)。情報処理学会Info-WorkPlace委員会のメンバーとして、女性コミュニティーの形成などを模索中。
15:50-16:10 講演(2) 富山のIT企業「インテック」の事例紹介
清水 美奈子(株式会社インテック)
【概要】 株式会社インテックは富山で創業し、現在ではグループ6,000名の日本を代表する独立系システムインテグレーターです。近年、IT技術の進化とともに、構築作業自体も複雑で困難な作業となっています。働く人達の作業環境も過酷な状況です。そんな中、インテックは、女性労働者の能力発揮のため積極的な取り組みを推進しています。具体的な支援の内容や、実際に働く現場の様子や私達が感じていることをご紹介したいと思います。
【略歴】 北海道旭川市出身。1997年北海道大学工学部卒業。株式会社インテックで、システム開発業務に従事。札幌、東京で勤務の後、結婚を機に富山へ。現在は2度目の育児休暇中。著書に「IT女子がそっと教える究極の「女子力」活用法」がある。
16:10-16:30 講演(3) 【男の育休】劇的ビフォー&アフター
矢島 卓(株式会社エイチーム)
【概要】 あなたは「男性の育児休業」と聴いて、どのような印象を持たれるでしょうか?平成26年度の厚生労働省発表資料によると、男性の育児休業取得率は2.30%という調査結果が出ています。周囲で事例を目にする機会が少しづつ増えてきているものの、まだまだ身近なものとしては感じられていないのが実情です。私自身、かつては「育児を目的に父親が長期に渡り休業を取る」事など考えてもいませんでした。しかし、ふとした事から自分自身が社内で初めての育児休業を取得する事になり、結果としてそれは私の人生を大きく変化させる転機となりました。今回はそんな育児休業期間をふりかえり、「何がきっかけで育休取得に至ったのか」「休業するにあたり、仕事・会社とどのように向き合っていったのか」「結果、その後の人生がどれだけ充実するものになったのか」等について、会場の皆さまの反応を交えつつ、ご紹介致します。
【略歴】 中京大学大学院情報科学研究科修士課程修了。東京の情報サービス企業にて6年間Webシステム開発を経験した後、2011年8月より現職である株式会社エイチームに所属。「Webサービスやスマートフォン向けアプリの開発・運用」、「アジャイル開発プロセスの社内導入支援」、「社内システムおよび社内ネットワークの管理・運用」等の業務に従事。第二子を授かった事をきっかけに、2014年に4ヶ月間の育児休業を取得。
16:35-17:30 パネル討論
【概要】 グローバル化、多様化の中での多様な属性をもった人々が活躍する場(ワークプレース)のあり方について討議する。
コーディネータ:土井 美和子(情報通信研究機構 監事)
【略歴】 1979年東京大学修士修了。1979年東芝入社以来、ヒューマンインタフェースを専門分野とし、日本語ワープロ、機械翻訳、VR、道案内サービス、ネットワークロボットの研究開発に従事。2014年より国立研究開発法人情報通信研究機構監事(非常勤)、(株)野村総合研究所社外取締役。現在、日本学術会議会員、大阪大学招へい教授、東京農工大客員教授などを務める。電子情報通信学会フェロー、IEEE Fellow、情報処理学会フェローなど。博士(工学)。
パネリスト:木塚 あゆみ(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 特任助教)
【略歴】 2008年公立はこだて未来大学メディアデザイン領域博士(前期)課程修了。岡山県立大学デザイン学部助手を経て、フリーランスで科学館や博物館のインタラクティブなコンテンツ開発を経験。市民に最新の情報技術を体験してもらう活動としてSapporo Open LabやArduino勉強会、Code for Hakodateに携わる。2013年より現職で高度ICT人材育成教育の傍ら、enPiT女性部会WiTで女性IT技術者支援活動も行なっていた関係で、2016年度より情報処理学会 Info-WorkPlace委員会の委員長。
パネリスト:富田 達夫(情報処理推進機構 理事長)
【略歴】 1972年東京大学理学部物理学科卒。1973年富士通株式会社に入社し情報処理関連製品の開発業務を担当。2005年より同社執行役、執行役常務、代表取締役副社長等を歴任。2010年より株式会社富士通研究所に移り社長、会長を歴任。2016年1月情報処理推進機構理事長に就任。現在に至る。情報処理学会会長、情報処理学会会員、博士(情報学)。
パネリスト:清水 美奈子(株式会社インテック)
【略歴】 北海道旭川市出身。1997年北海道大学工学部卒業。株式会社インテックで、システム開発業務に従事。札幌、東京で勤務の後、結婚を機に富山へ。現在は2度目の育児休暇中。著書に「IT女子がそっと教える究極の「女子力」活用法」がある。
パネリスト:矢島 卓(株式会社エイチーム)
【略歴】 中京大学大学院情報科学研究科修士課程修了。東京の情報サービス企業にて6年間Webシステム開発を経験した後、2011年8月より現職である株式会社エイチームに所属。「Webサービスやスマートフォン向けアプリの開発・運用」、「アジャイル開発プロセスの社内導入支援」、「社内システムおよび社内ネットワークの管理・運用」等の業務に従事。第二子を授かった事をきっかけに、2014年に4ヶ月間の育児休業を取得。