抄録
O-002
ビジネスにおけるデータサイエンスの潮流と今後の展望
○坂巻英一(宮城大)
ビッグデータという言葉の流行と共に近年ビジネスの世界で,企業に蓄積されたデータを分析することにより得られた知見を経営改善に生かそうという動きが盛んである。
こうした動きは20年以上前からデータマイニングと呼ばれており,決して新しい技術ではないのもまた事実である。見方を変えると,企業に蓄積されたデータをビジネスで活用する試みは古くから存在しているにも拘らず,あたかも,最近生まれたばかりの技術であるかのような錯覚を覚えてしまう。なぜ我が国ではデータに基づく企業の意思決定という文化が根付かないのであろうか。本稿ではデータサイエンスの歴史を振り返ると共に,日本の企業に浸透させるために必要な課題について,考察した結果を報告する。