抄録
G-007
CT画像における確率共鳴の発現とその応用
◎山元勇輝・内藤啓介・遠地志太・藤井啓輔・川浦稚代・森 政樹・池田 充・今井國治(名大)
近年、確率共鳴と呼ばれる現象が、非線形システムで発見され、これを応用する研究が様々な分野で行われるようになった。本研究では、まず、X線CT画像において、確率共鳴が発現するかどうかについて検討した。その結果、ホワイトガウシアンノイズの付加によって、確率共鳴がCT画像上で発現することが分かった。そこで、付加ノイズの強度とコントラスト分解能との関係を検討したところ、コントラスト分解能を最大にするノイズ強度の存在が明らかとなった。また、確率共鳴による信号検出能の改善度合いは、撮影時のX線管電流に依存せず、ほぼ同程度であった。このことから、確率共鳴は、信号検出能を改善させる一手法であることが示唆された。