○井田明男・金田重郎（同志社大）

提案依頼書などに記載される膨大な日本語要求記述をユースケースモデルに変換するには，記述中からビジネスについての本質的な記述を見つけて形式的に表現することが求められる．しかし，それらはユースケースの粒度の問題等があるため一般的に難しい作業である．本稿では，ビジネスの要となる参与者に状態変化を引き起こすエネルギー伝播に着目し，それらの事象をラネカーらのビリヤードボールモデルからヒントを得た表記で形式化することを提案する．これによって，一連のビジネス活動を概念的に自立した系列として切り出せるため，後続のモデルへの接続もスムーズになることが分かってきた．