◎中村健太・山中仁寛（首都大）

近年，高齢社会による技術・ノウハウの喪失が懸念されており，解決法として触覚・聴覚といった複数のモダリティによるAR(Augmented Reality)やVR(Virtual Reality)での教育方法が注目されている．本研究では，特に力覚と聴覚の技能訓練への有効性に着目した．技能の対象は，力加減と加工音が重要である旋盤とし，測定した熟練者の作業情報であるハンドルの力加減と加工音を，初心者に呈示することで，作業習熟の効率化の評価を行うことを目指す．本報では，熟練者の作業時の加工音を比較する実験から，旋盤技能の獲得に重要な加工音の周波数帯を明らかにした内容について報告する．