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FIT2013第12回情報科学技術フォーラム 開催日:2013年9月4日(水)~6日(金) 会場:鳥取大学鳥取キャンパス
抄録
B-013
GPUサイクル共有システムのための遊休時間予測手法の比較
南 翔太・伊野文彦・萩原兼一(阪大)
サイクル共有システムとは,計算機における遊休サイクルを用いて計算を高速化するものである.多数のコアを内包するGraphics Processing Unit(GPU)が普及するにつれ,従来の分単位のみならず秒単位の遊休時間を活用することが求められている.分単位の遊休時間を予測するための手法として,準マルコフ過程に基づくものが知られているが,秒単位に対する有用性は定かでない.そこで,本研究は秒単位の遊休時間を高い精度で予測することを目的として,準マルコフ過程を含む複数の予測手法を比較する.比較対象は自己回帰モデル,移動平均モデル,および直前p個の平均に基づく手法である.これらの手法を研究室の学生6名に対して適用した結果,準マルコフ過程が直前p個の平均に基づく手法よりも統計的に優れていて,その予測精度は24%から30%に向上することがわかった.