◎堀江輝樹・前嶋雅也・横手良太・松山泰男（早大）

本論文では，球面MDS(Multidimensional Scaling)を複層球面に拡張する新しい手法と，それを応用したグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提案する．球面MDSはデータ点間の距離を保持して球面上に写像する手法である．我々は，まずデータ集合の性質を2つに分類して，拡張へのアプローチを検討した．そして一部のデータ間に距離が定義されないようなデータ集合に対して，新たに相関係数と呼ばれる情報を定義し，複層球面上でより良いデータの配置を得るアルゴリズムを開発した．事例研究によって，提案手法が一般の複層球面上へのデータを展開することができることを確かめた．