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UML要求分析モデルにおけるCRUD観点のデータライフサイクルの妥当性検査手法
○青木善貴(日本ユニシス),小形真平,奥田博隆,松浦佐江子(芝浦工大)
 業務システム開発では,致命的な手戻りを回避するために,要求分析工程から
業務データの不適切なライフサイクルを排除することは重要である.ここで,
不適切なライフサイクルとは,業務データのCRUDが論理的に実現し得ない状態を
指す.例えば,未作成かつ未取得のデータが更新される状態が挙げられる.この
問題は,要求変更により要求仕様の修正が度重なることで生じやすく,その発生
の予防には要求分析者がユーザの全ての操作手順に沿ってライフサイクルの妥当性
を随時,検査できることが必要となる.
 検査の網羅性・効率性・正確性を向上する1つの有益な技術としてモデル検査技術
があるが,仕様が固定化しづらい要求分析への適用は難しいとされてきた.そこで,
本稿では,これまで提案してきた顧客の妥当性確認を支援するプロトタイプ生成可能
なUML要求分析モデルを対象に,モデル検査ツールUPPAALを活用したデータライフ
サイクルの網羅的かつ効率的な検査手法を提案する.