6Y-1
情報漏洩元の特定を可能とする電子文書管理システムの設計
○今井正樹,上原哲太郎(京大),候 書会(北京科技大学),津田 侑,喜多 一(京大)
情報漏洩対策機能として使用者のIDを電子透かしで文書に埋め込む
電子文書管理システムがある.情報漏洩発生時に文書の流出元特定
を容易にし,使用者の情報漏洩を心理的に抑止する.しかし,従来
の方式でIDを符号化した場合,異なるIDを持つ文書を比較すること
によりIDの消去が可能である.そこで本稿では結託耐性符号を用い
てIDを符号化し,文書に埋め込む電子文書管理システムを提案する.
システムはOffice形式の文書を対象とし,実用可能な時間でIDを埋
め込む.組織内不正者の成りすましが困難となり,故意の情報漏洩
についても抑止できる.結託耐性符号の実用的な符号長,有効な透
かしの手法について検討し,それが文書に与える影響について調査
する.