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論文発表年数の分散分析を重みづけとして考慮したネットワーク分析による学術俯瞰
○大槻 明,川上あゆみ(お茶の水女子大)
学術俯瞰の分野における最近の研究動向は,参考文献などの引用分析により実現するサイテーションマップが主流であり、そのマップではネットワーク構築やクラスタ化までの自動化はなされている状況である。
しかし、そのクラスタ分けされた各グループが、例えばどのような集団であるかの意味付けの自動化まではなされておらず、各クラスタの意味付けを自動解釈するような試みには大きな意義があるものと考える。
ゆえに、本研究では、その意味付けを行うために、それに合わせたネットワーク構築やクラスタ化を行うための新たなアルゴリズムの構築を目指している。
具体的には、論文の引用件数が同じでも、「一時期に大量に引用された」場合や、「長期間少しずつ引用されている」場合、さらには、「引用件数が年々増えていく」場合などが考えられるが、従来の引用分析だけでは、それぞれの重要度を計算する事ができない。
それに対し、本研究では、上述のそれぞれの「場合」に対し、論文をノード、引用をエッジとする有向グラフと考え、各ノードに発表年数を持たせたうえで、あるノードに入るエッジの元ノードの発表年数の分散を調べることでそれぞれの重要度の計算を試みる。
そして、それらの重要度を基に、時間軸を持つ可視化グラフの構築を目指す。