5R-7
累積頻度重みを適用したパーティクルフィルタによる実時間楽譜追従
○大塚琢馬(京大),中臺一博(ホンダRIJ),高橋 徹,尾形哲也,奥乃 博(京大)
パーティクルフィルタによる楽譜追従は,音響信号と楽譜との距離に基づくパーティクル重みの計算によって追従性能が大きく左右される.従来のベクトル内積計算やシグモイド関数を用いた重み計算手法では,音響信号の非調波成分や楽器の音色のバリエーションにより,楽譜位置推定が正しい場合,誤った場合でそれぞれの重みに大きな差が生じず,最終的に推定された楽譜位置に誤差が含まれるという問題点があった.本稿では,過去に計算された距離の累積頻度から重みを動的に計算し,正しい楽譜位置ではより高い重みを計算する.評価実験では,累積頻度を用いた重み計算法が,従来の重み計算法よりも楽譜追従精度で改善することが確認された.