5L-1
Ruby向け動的コンパイラに対するクラスの推定手法の実装と評価
○小泉有輝(中大),千葉雄司(ルネサスソリューションズ),久保田光一(中大)
本研究では,Ruby向け動的コンパイラに対して,Rubyアプリケーションの実行を高速化できる手段の一つである,動的な文脈を利用したクラスの推定手法を実装し評価した.
クラスの推定は脱仮想化などの主要な最適化の適用に必要な情報を提供する処理である.本研究のクラスの推定では,従来の推定手法が利用してきたフロー情報やクラス階層に加え,クラスに定義されているメソッド名を利用し,推定の精度を改善した.
Ruby Benchmark Suiteに対し,スタック情報からのクラスの推定と本推定手法を併用して脱仮想化の適用数を評価したところ,スタック情報のみでの推定に比べ最大26%,平均7%適用数を拡大できた.