5J-5
バギングを用いた非線形時系列予測のリスク評価
○仲田和也,鈴木智也(茨城大)
現実世界のシステムの多くは非定常的であるため,将来変動の予測を行う際にはごく最近の短期データを学習データにする必要がある.しかし適切な予測器を構築するには充分なデータ量が要求され,学習データ数が減るほど予測器の信頼性は低下する.そこで本研究では,予測誤差としてのリスクを評価すべく,集団学習の一種であるバギングを用いることで予測値の期待分布を推定する.期待分布の平均値を予測値,標準偏差をリスクとみなすことで,少数データにおいても信頼性の高い予測技法を実現する.さらにリスク評価の応用として,リスクが高い時は予測を避けることで総合的な予測精度を向上できることを示す.この予測精度はモデルの尤度としても利用できるので,システム同定技術や予測モデルの最適化にも応用する.