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日本の歌謡曲における音価と発音単位の対応関係の変化
○米田 諒,中山伸一,真栄城哲也(筑波大)
本研究の目的は日本国内の歌謡曲の歌詞の変化を音楽的特徴を考慮した上で定量的に明らかにす
ることである.本研究では曲のリズムと歌詞の関係性に着目し,解析手法として,歌詞をモーラ
または音節という発音上の最小単位に分割し,その単位と対応しているメロディーの音価を調査
し,年代毎の変動を調べた.その結果,発音単位と対応している曲部分の音価の割合には時代に
よって特徴があり,発音単位1単位当たりの音価の平均は全体的な傾向として90年代以降は減少,
2000年代に入ると横ばいであった.また曲のテンポは1980年代から2000年前後にかけて一旦減少
しその後増加したのに対し,発音単位1単位当たりの絶対時間の平均では減少傾向が見られた.