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顔の輪郭映像を用いた会話システムにおける社会的スキルと注視行動に関する考察
○花田 研(芝浦工大),米村俊一(NTT),徳永幸生(芝浦工大),杉山 精(東京工芸大),大谷 淳(早大)
我々は、顔映像を主体とする遠隔対話時に話者が感じる抵抗感の軽
減を目的として、顔の輪郭映像を用いた通信システムを提案し、顔
輪郭映像と抵抗感との関係について実験的な評価を行ってきた。対
話時の目、鼻、口の各要素に対する注視時間を指標としてリアル映
像と輪郭映像による対話の比較実験を行った結果、リアル映像では、
相手の目を注視することへの抵抗のために相手の目を注視せずに対
話を行う被験者(眼部非注視群)と、相手の反応を注意深く読み取
ろうと相手の目を注視して対話を行う被験者(眼部注視群)がいる
ことが判明した。一方、輪郭映像では、表情のリアリティが失われ
ることで抵抗感が減少し、眼部非注視群でも相手の目を注視する対
話に切り替わることがわかった。本報告では、被験者の社会的スキ
ルが、輪郭映像を用いる対話行動とどのように関係するのかについ
て、対話時の注視行動に基づいて分析を行った。