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ウェアラブルコンピューティング
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●基調講演(1) 3月25日(火)13:00-14:00[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「ネイチャーインタフェイスへ向かうウェアラブル技術」 |
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板生 清(東大)
1966年東京大学工学部精密機械工学科卒.68年同大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻修士課程修了.マサチューセッツ工科大学 客員研究員,日本電電公社電気通信研究所研究室長・記憶装置研究部長・研究企画部長などを歴任.92年中央大学理工学部精密機械工学科教授, 96年東京大学工学部精密機械工学科・大学院工学系研究科教授を経て,東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻・教授.工学博士. 日本時計学会会長.精密工学会副会長.日本学術会議メカトロニクス専門委員会委員長.環境プランナー運営委員長.日本学術会議メカトロニクス 専門委員会委員長.特定非営利法人「ウェアラブル環境情報ネット推進機構」(WIN)理事長.環境情報誌「ネイチャーインタフェイス」総監修. |
[講演概要]
携帯情報端末の近未来形は,センサを搭載したワイヤレスマイクロ端末となるであろう.このような端末のサイズはボタンのように小さくキーボードレスで 情報が入力され,コンピュータによって,情報処理されて自動発電により情報発信するようになる.人間の五感機能を拡張してネイチャー(本質)を捉える マイクロ情報システムの構築が可能となる.このときのサービスの基本形態は地球・人間・人工物のヘルスケアである.すなわち,地球環境情報センシング, 人間健康情報センシング,人工物の故障予知センシングとそれらの情報の処理・表示にある.このようなネイチャーインタフェイスの世界の構築をめざした 取り組みをご紹介する.また,東京大学教官を中心として設立したNPO法人WIN(ウェアラブル環境情報ネット推進機構)は,産官学の人々と技術的・ 社会的研究を行っている.社会のニーズを掘り起こしてシステムを設計しこれらを構成する要素技術にまで分解して,システム構築にフィードバックするという NPOの重要な狙いについてもご紹介する. |
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●基調講演(2) 3月25日(火)14:00-15:00[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「ウェアラブルコンピューティングの可能性」 |
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志水 英二(大阪市大)
1939年4月23日生.1963年大阪大学工学部電子工学科卒業.同年4月大阪市大学工学部電気工学科助手,1983年同教授, 電子回路学講座担当,現在に至る.電子回路,オプトエレクトロニクス,光コンピュータ,立体テレビ,ウエアラブルコンピュータの研究に 従事.工学博士.イメージ情報科学研究所ハイパーイメージメディア研究グループリーダ.電子情報通信学会,電気学会,テレビジョン学会, IEEE,SPIEなどの正員. |
[講演概要]
最先端技術がその時代の基幹技術に成長するためには三つの条件が必要である.それらは「既成概念からの脱却」「不可能の可能化」「必需への成長」である. コンピュータは計算機という既成概念を自動機能という機能で超越し,新しい姿を獲得するとともに,人類のいくつかの夢を実現し,現代社会の基幹技術として 成長した.ウエアラブルコンピュータに関る研究者は,1日の数時間の仕事についてのみ人間を助けることができないデスクトップコンピュータに比べ24時間の 日常生活を支援できるコンピュータとしてウエアラブルコンピュータの豊かな将来性を語ってきた.しかし,付け心地の悪いヘッドマウントディスプレイ, 腰に不自由を与える超小型コンピュータと電源,これが24時間の日常生活を支援できるコンピュータであろうか.ウエアラブルというすばらしい機能を実現するには 衣類型しかありえない.ウエアラブルコンピュータは衣類にしてこそ,伝統的な衣類が不可能であった夢を現実化し必需品になり,21世紀の基幹技術のひとつになり得る. |
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●招待講演(1) 3月26日(水)15:30-16:30[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「ウェアラブルコンピューティングのビジネス展開」 |
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山村 道男(ザイブナー)
長崎県生まれ.1978年九州大学総合理工学研究科修士課程終了.日立マイコン(株)にてMOS型イメージセンサーの開発をへて1982年 ソニー(株)入社.CCDイメージセンサーの開発に従事.2000年ザイブナ−社に入社.本社VPを経て2001年9月ザイブナ−株式会社 代表取締役に就任. |
[講演概要]
ウエアラブルコンピューティングは,ユビキタス社会の重要な技術として以前から注目されていたが,最近はいろいろな産業の現場において,実際に使える コンピューターとしてより具体的な検討が進められ,何に,どのように使うかの方向性が定まりつつある.期待されている市場は,従来からの飛行機や プラントの保守点検業務に加えて,ホテルなどのサービス業から環境調査や農業まで多岐にわたり,将来に向けてさらに広がる可能性がある.ザイブナー社は ウエアラブルコンピュータの草分けとして90年代の初めからこの分野に向けたマシンを提供し,産業界での具体的な用途開拓を進めてきた.講演では具体的な 事例を中心にウエアラブルコンピュータを実際の産業に適応する場合の課題と今後の見通しを述べる. |
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●招待講演(2) 3月26日(水)16:30-17:30[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「複合現実型情報強化環境 −モバイル,ウェアラブル,ユビキタスの次に来るもの−」 |
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田村 秀行(キヤノン)
1970年京都大学工学部電気工学科卒業.工学博士.工業技術院電子技術総合研究所主任研究官を経て,1986年キヤノン(株)入社.現在 同社MRシステム開発センター所長.1997年より2001年まで(株)MRシステム研究所取締役を兼務し「複合現実感研究プロジェクト」を率いた. 日本VR学会複合現実感研究委員会委員長,人工知能学会監事.本学会論文賞等受賞.編著書「コンピュータ画像処理」(オーム社)など. |
[講演概要]
IT革命の結果来たるべき「ユビキタス社会」では,現実の世界のあらゆる場所が電子的な情報で強化され,自然で快適な情報の流通・活用がなされる 「情報強化環境」が実現していると期待されている.その進化形として,電子的な生成された仮想世界のデータが現実世界に融和して,体験者の目の前に リアルタイムで継ぎ目なく提示される「複合現実型情報強化環境」が考えられる.これを実現する基盤技術は,実世界のセンシング技術とCG・CV技術が 統合された「複合現実感」(Mixed Reality; MR)として芽生えつつある.本講演では,我が国が世界をリードするこのMR技術の発展過程と現状を具体的事例を交えて紹介する.さらに,MR分野にとっては「屋内から屋外へ」, モバイル/ウェアラブル分野にとっては「単純な情報提示からMR型体験へ」,「複合現実型情報強化環境」の構築に向けて取り組むべき研究課題を指摘する. |
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●パネル討論(1) 3月25日(火)15:15-17:15[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「ヘッドマウントディスプレイの屋外利用」 |
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[討論概要] HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)のメーカー担当者たちが集まり,実際に製品を市場に投入したという“貴重な生の経験”から,その魅力や可能性について “本心”で語る.来るべきユビキタス・コンピューティングの時代の中で,HMDは,キーデバイスとしてどのような位置づけとなりうるのか?特許・PL法・ ハードウェア的制限などの問題点はどこなのか?パネリストの顔ぶれ,この時期というタイミングから歴史的なセッションとなる(パネリストもHMDを 装着して登壇を予定). |
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司会:遠藤 諭(アスキー)
1956年,新潟生まれ.『月刊アスキー』編集長.システムエンジニアを経て,1985年アスキー入社.1990年より現職.著書に,黎明期の 日本のコンピュータ開発者にインタビューした『計算機屋かく戦えり』,朝日新聞に連載した『遠藤諭の電脳術』,ハッカーの生態を語った 『近代プログラマの夕』など.1980年前後のゲーム機をはじめとするデジタルガジェットを蒐集.最近,韓国のサイバーアパートやネット コミュニティを取材している. |
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パネリスト:井場 陽一(オリンパス)
1978年:オリンパス光学工業株式会社に入社,顕微鏡光学系の研究・開発に従事.1990年:光学研究グループリーダー,ステッパーレンズの 開発に従事.1994年:FMDグループリーダー,HMDの研究・開発に従事.2000年:FMD事業推進部長,HMDの事業化に従事.2001年: (現職)ディスプレイ担当部長,HMDを含むディスプレイ事業の企画立案と要素技術の研究に従事. |
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パネリスト:草場 匡宏(クアルコムジャパン)
平成3年4月:日本アイビーエム東京基礎研究所副主任研究員.平成9年10月:ケンブリッジテクノロジーパートナーズシニアコンサルタント. 平成12年1月:ウィットキャピタル証券テクノロジーアナリスト.平成13年6月:大和総研主任研究員.平成14年9月:クアルコムジャパン ビジネス開発部長.現在. |
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パネリスト:中原 康博(島津製作所)
昭和63年4月:(株)島津製作所航空機器事業部生産技術課入社(航空機器用補助動力装置の生産技術担当).平成8年1月:(株)島津製作所 航空機器事業部営業部東京支社第二営業課(ディスプレイ全般の担当).航空機用補助動力装置の生産技術に従事し,平成8年以降は両眼 ヘッドマウントディスプレイの販売,単眼ヘッドマウントディスプレイ(DADA GLASS 2)の総括を経て,現在に至る.現在は,DADA GLASS 2 の販売及び次期商品企画を行っています. |
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パネリスト:上田 裕昭(ミノルタ)
1978年京都大学理学部卒.同年ミノルタ株式会社入社.1992年-1997年財団法人イメージ情報科学研究所出向.非球面硝子レンズの成型, ホログラフィ,光学素子,HMDなどの研究開発に従事.現在ミノルタ画像情報技術センター入出力技術部担当課長.博士(工学). |
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パネリスト:元日田 融(ソニー)
'86年,医療機器メーカーに入社,臨床治験と学術資料作成を担当.'89年,ソニー(株)に入社,医療機器の事業企画と許認可取得業務に従事. この経験を活かし,安全性が懸念されていたHMDの人での評価プロジェクトを企画.'95年より米国エモリー大学にて,ソニー製HMD グラストロンの医学的評価に従事,眼科系学会等で研究成果を発表.'99年,ソニー(株)に戻り,現在,主任研究員,兼メディカルリスク 解析室室長. |
●パネル討論(2) 3月27日(木)14:30-17:00[T4A会場(メディアホール1F大教室)] 「ウェアラブルコンピューティングによる文化・ファッション大革命」 |
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[討論概要] 「文化・ファッション大革命」という標題のように,ウェアラブルの内容が,これまでのパソコンの延長線上の考え方から,本格的に情報機器を身につけた 生活をするという新しい段階,つまり衣食住すべてがIT対応型にシフトしつつある.特に,デジタル・ネットワークの急激な生活への浸透に伴い,スタンドアローンタイプの傾向が強かったこれまでのウェアラブルは,今後,全員が相互に交信をしながら作業をするネットウェアラブルとでもいえる ようなものに発展し,相乗効果いわゆる複雑系における「シナジー」が生まれてくることが期待される.この効果こそ21世紀社会の特徴であり,「革命」の名に 値する変化をもたらす源泉である.このような基本的認識を踏まえて,各パネリストの方々には,ファッション,アート,コミュニケーション,社会,文化が, 今後どのように変わっていくかなどについて,それぞれの立場を生かした討論(デモも含めて)を期待したい. |
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司会:石井 威望(東京海上研究所)
東京海上研究所理事長,東京大学名誉教授,慶應義塾大学客員教授.東京大学医学部,同大工学部卒業.同大学院博士課程終了.工学博士. その後,東京大学工学部教授,慶應義塾大学教授,郵政審議会会長,国土審議会会長など歴任.政府のIT戦略本部情報セキュリティ専門 調査会会長など多くの公職を務める.「科学技術は人間をどう変えるのか」「日本人の技術はどこから来たのか」「iバイオテクノロジーからの 発想」など著書多数. |
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パネリスト:中津 良平(関西学院大)
昭和46年京大・工・修士課程修了.同年NTT入社.基礎研究所研究企画部長,情報科学研究部長を経て,平成6年ATR知能映像通信研究所 代表取締役社長.平成14年4月関西学院大学理工学部教授.工博.ロレアル賞,映像情報メディア学会論文賞,テレコムシステム技術賞, 日本VR学会論文賞,人工知能学会論文賞,文部科学大臣賞等を受賞.IEEE,電子情報通信学会フェロー.電子情報通信学会,情報処理学会, 人工知能学会等の会員. |
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パネリスト:大江 瑞子(上田安子服飾専門学校)
上田安子服飾専門学校校長.KFK関西ファッション文化協会会長40年に及ぶクリエイター活動の中で,光・電子との関わりは,具体美術との ジョイント,なみはや国際セレモ二ーコスチュームデザイン及び製作.1997年にコンピュータでの空間映像(CREATION SCIENCE)を ディレクション.2002年には,デジタル&ファッション国際フェスティバルをディレクションし,<デジタルとアナログの融合>をテーマに ウェアラブルコンピュータの世界を探る.次々代を開くウェアラブルコンピュータ・ファッションの発信者. |
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パネリスト:サエキ けんぞう(ミュージシャン)
1980年「ハルメンズの近代体操」でビクターよりデビュー後,86年パール兄弟「未来はパール」でポリドールより再デビュー.作詞家として代表作はモーニング娘.「愛の種」他に,PSY・S,野宮真貴,サディスティック・ミカ・バンド,観月ありさ等に提供,プロデューサーとしてはトッド・ラングレン,セルジュ・ゲンスブール等のトリビュート事業を手がける.今11月ワーナーより発売の 大滝詠一トリビュート・アルバムにパール兄弟として参加,2003年再結成の予定. |
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パネリスト:曽根 美知エ(Cube-f)
2001年に文化服装学院を退職し,同年,Cube-f設立と同時に,代表に就任する.Cube-fは,情報とファッションが融合する「メディアファッション」に 関する任意の研究グループで,その,研究と開発,普及活動などを,企業や研究者と,コラボレーションの形で活動を行っている.専門は, ファッション商品のブランディングとデザイン. |
●チュートリアル(1) 3月26日(水)9:30-12:00[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「モバイル/ユビキタス時代のインタフェース技術」 |
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講師:増井 俊之(ソニーCSL)
1982年東京大学工学部電子工学科卒業,1984年同大学院工学系研究科電子工学専門過程修士過程修了.同年4月富士通(株)入社,1986年 4月シャープ(株)入社,1989〜91年カーネギーメロン大学客員研究員,1996年1月(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所入社,現在 に至る.工学博士.テキスト入力,情報検索,情報視覚化,実世界指向インタフェースなどユーザインタフェース関連の研究に従事. |
[講演概要] 従来の計算機は机の前に座って使うことを前提としており,両手を使うキーボードや,水平な板の上に置いて使うマウスなどを使って計算機を操作するのが 普通であったが,あらゆる人があらゆる場所で計算機を利用するようになってきた現在,計算機を利用するインタフェース手法が大きく変化してきている. 近年急速に普及してきた携帯電話やPDAのような小型計算機では,従来型のキーボードを使うことができないため,効率良い文字入力を行なうための工夫が 必要になるし,携帯端末の小さな画面に多くの情報を表示するるための視覚化の工夫も必要になる.また,これまで全く計算機が使われていなかったような場所でも 計算機を利用できるようにする,いわゆる「実世界指向インタフェース」が実用になりつつあり,必要な操作を誰でも直感的に行えるようにするための 新しいハードウェア/ソフトウェア技術が近年多数考案されている.本講演では,携帯端末や実世界指向インタフェースで用いられる各種のインタフェース手法の 研究動向および将来の展望について解説する. |
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●チュートリアル(2) 3月27日(木)9:30-12:00[T4A会場(メディアホール1F大教室)]
「ウェアラブル情報機器の例と応用,活用方法」 |
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講師:海老名 修(日立)
1981年早稲田大学大学院理工学研究科修了.同年株式会社日立製作所入社.ネットワーク・端末システムの事業企画,社内外標準化に従事. |
[講演概要] ウェアラブル情報機器の例として,日立製作所が製品化した「ウェアラブル・インターネット・アプライアンス」を題材に,以下について紹介する. 1.潜在ニーズと技術シーズ:「いつでもどこでも」をキーワードに,「モバイルかつ大画面」に対するニーズと,それを実現する技術シーズとしてのヘッド・ マウント・ディスプレイ,液晶マイクロディスプレイ技術. 2.製品化例:日立ウェアラブル・インターネット・アプライアンスを例として,仕様とその背景にある考え方. 3.応用例:「モバイルなシースルー大画面」を実現したウェアラブル機器の,応用分野・システム構成と,それを支えるソフトウェア・ネットワーク技術. 4.将来展望:「モバイルなシースルー大画面」機器の将来展望. |
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