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最終更新日:2003.12.15

招待講演(2)

 

「NPO法人による地域情報化の取組み〜組織運営の新しい可能性〜」

 

大学等学術機関を中心として、1992年頃より始った地域ネットワークの活動は、一定の役割を果たし、活動開始時の形態による活動は終了しつつある。これらの活動は、国や地方自治体が中心となり実施する地域活性化事業としての地域情報化施策とは異なり、ボランティア精神によるボトムアップ的な展開をみせた。地域ネットワーク活動はインターネッ ト黎明期における各地域のインターネット接続の受け皿として、また関連技術の交流の場として、インターネットの普及にきわめて大きな功績があった。インターネット接続機能の多くは商用インターネット接続事業者(サービスプロバイダ)へ引き継がれているが、同一地域内であっても接続事業者の違いにより相互接続性がきわめて悪い場合があり、接続事 業者のみに任せてしまうと改善できない問題がある。また、急速に整備が進められようとしている小中高等学校のインターネット接続に対する支援も、地域に根ざした普及・啓発活動が求められている。本講演では、これらの活動を推進するための組織運営の枠組みとして特定非営利活動法人(NPO法人)を取りあげ、事例の紹介、法人化の必要性や手続きについて述べるとともに、その問題点などにも触れる。