ホーム > 第4回「スマートフォンとコンシューマサービスの新たな展開」
第4回の概要
スマートフォンは、新たなコンシューマサービスが次々に生まれるプラットフォームとして進化を続けています。スマートフォンのプラットフォームのエコシステムは、端末メーカ、OSベンダ、通信オペレータ、アプリケーション開発者、サービス/コンテンツプロバイダなどの様々なプレーヤによって支えられています。第4回はそれらのプレーヤをお招きして、スマートフォンとそこで提供されるコンシューマサービスについて現状のトレンドや技術課題、今後の展望を紹介し、プラットフォームの全体像を明らかにします。
コーディネータ:高橋 修 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 教授)
【略歴】1975年北海道大学大学院修士課程終了、同年電電公社(現NTT)横須賀電気通信研究所に入所。コンピュータネットワークに関する研究開発、標準化に従事。1999年NTTドコモに異動、モバイルインターネットに関する研究開発、標準化に従事。2004年公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科教授現在に至る。博士(工学)、情報処理学会フェロー。
プログラム
SESSION.1 9:30-10:40
Androidプラットホームが築く世界 ~Androidの可能性と組込みシステムへの展開~
【講演概要】スマートフォンブームが到来し今では様々なキャリアから発売されているAndroid。スマートフォンだけでなくカーナビやテレビなど様々なデバイスにもAndroidが採用され始めています。オープンソースOSとしてのAndroidの、今後の可能性と、新たなビジネスチャンス、そして、今後の可能性などを、世界の動向を踏まえて解説します。また、OESFでは組み込み向けのAndroidを普及させると共に、Android技術者の育成トレーニングや世界初の認定資格試験を立ち上げ、Androidによる町おこしなど、様々な活動を行っています。これらを紹介いたします。
講師:三浦 雅孝 (一般社団法人Open Embedded Software Foundation 代表理事)
【略歴】富士通、アスキーを経て、INFORMIXリレーショナル・データベースの事業に従事。その後、INFORMIX Japanに移籍、1996年パワーソフト代表取締役社長。2001年ウィルメディアを設立。2006年アイ・ピー・ビジョンのCTO。2009年、Androidの可能性に着目し、OESFを設立、代表理事に就任。Androidの未知なる可能性を求めて、OESFを世界規模の組織に成長させるべく活動中。
SESSION.2 10:50-12:00
Androidフォンのセキュリティ
【講演概要】既存の携帯電話やPCとAndroidフォンを、セキュリティの観点から比較し、マルウェアへの感染や個人情報の漏洩などに注目したリスク分析を行います。その上で、Androidフォンを安全に利用するための、ユーザが行える対策と、事業者が取るべき対策を紹介します。
講師:竹森 敬祐 (株式会社KDDI研究所 ネットワークセキュリティグループ 研究主査)
【略歴】1996年KDDI研究所入社。2003年博士課程了。ネットワークセキュリティ、スマートフォンセキュリティに関する研究に従事。Interop Tokyoグランプリ、DICOMO最優秀論文賞、山下記念研究賞など受賞。日本スマートフォンセキュリティフォーラムのデバイスワーキンググループリーダ、アプリワーキンググループ副リーダ。
 お昼休み 12:00-13:10
 
SESSION.3 13:10-14:20
スマートフォンに向けたNFCとおサイフケータイの現状と今後の展開
【講演概要】日本では、2004年に世界に先駆けておサイフケータイの提供が開始され、日常生活に欠かせないサービスがいくつも生み出されてきました。昨今では、NFC(Near Field Communication)の携帯電話での活用が注目され、多様なプレイヤーを巻き込んだ世界規模での展開が始まろうとしています。さらにスマートフォンという新しいパラダイムの普及が重なり、NFCを使ったスマートフォンが身近にある様々なものとクラウドサービスを連携させ、全く新しいサービスを生み出すのではないかと考えられています。また、NFCと同時に実現されるICカード機能の高度化によって、従来のおサイフケータイではできなかったサービスの実現も期待されています。このようなおサイフケータイの周辺を取り巻く現状と、今後広まると予想されるNFCによるおサイフケータイの進化を解説し、スマートフォンによる新たなサービスの広がりへの期待についてお話しします。
講師:中村 典生 (株式会社NTTドコモ フロンティアサービス部 おサイフケータイ事業推進担当 担当部長)
【略歴】1985年 NTT横須賀電気通信研究所に入社。NTTドコモ マルチメディア研究所、NTTドコモ東海 モバイルマルチメディアビジネス部を経て、2002年 NTTドコモ エマージングビジネス部 モバイルEC推進室でUIMを用いた電子認証などのサービス企画と導入を手がけ、2007年より現職。おサイフケータイ全般の普及・利用促進とサービス拡充とともに、NFCを活用した次期おサイフケータイサービスの企画を担当している。
SESSION.4 14:30-15:40
パイオニアが描くスマートフォン時代のカーナビ戦略
【講演概要】2004年以降市販ナビゲーションの成長を牽引し、約3,800万台の市場規模となったポータブルナビゲーションは成熟期に入り、通信サービス機能のない端末は深刻なコスト競争の時代へ入りました。一方、スマートフォン市場は皆様ご存知の通り、圧倒的な規模と成長性をみせております。その中で、2011年には1億人以上がSmartphone、Mobile Phone向けのナビサービスを利用するという予測があるように、急速に市場が拡大しているスマートフォンを使ったカーナビゲーションの普及が今後予想されます。ここでは、スマートフォンを使ったカーナビのもたらすであろう市場構造の変化をふまえ、当社のカーナビ関連事業における、スマートフォン時代の戦略と具体的取り組みについて、最新の状況を紹介させていただきます。
講師:畑野 一良 (パイオニア株式会社 カー事業戦略部 部長)
【略歴】1980年 早稲田大学政治経済学部卒、パイオニア(株)入社。1988年 業界初の市販カーナビゲーションを企画、1990年 同商品発売以降、DVDナビ、HDDナビ、通信ナビ等、業界初の新商品をプロデュースし事業を拡大。2002年 NHK~プロジェクトX~「カーナビ迷宮を走破せよ」出演。2003年 カーナビ用地図子会社インクリメントP取締役。2005年 中国現地法人ナビ事業開発部長として、上海汽車とのナビ事業の合弁会社設立を目指す。2009年 本社経営戦略部事業開発担当部長 兼 ニューカーライフ事業開発室長。2010年 カー事業戦略部長 兼 経営戦略部事業開発担当部長(現職)。
SESSION.5 15:50-17:00
進化を続けるアンドロイドのメディア処理技術
【講演概要】近年携帯電話市場の中で、大きな位置をしめる様になったスマートフォン。とりわけコンテンツやサービスを巻き込みながら進化を続けるAndroidの最新の状況と、Androidに搭載されているメディア処理技術について、標準的に搭載される技術と、ワンセグ、家電連携、3D等独自に開発をした技術についてその構造や拡張の仕方について、実際の端末を開発した視点から紹介します。 また、今後の表示デバイスやモバイルネットーワークの技術の進化から、スマートフォンやタブレット等の端末市場の展望について、メーカの立場からお話します。
講師:仲林 次郎 (シャープ株式会社 通信システム事業本部 グローバル商品開発センター 第1ソフト開発部 参事)
【略歴】1982年 シャープ株式会社入社。1989年より、技術本部にて通信プロトコル、画像符号化技術の研究開発に従事。その後、通信システム事業本部にて、第3世代携帯電話開発のプロジェクトで、TV電話やメディアプレーヤー等のマルチメディア技術を開発。また、携帯電話の高機能OS化も担当。2009年よりスマートフォン開発に関わり現在に至る。