ホーム > 第3回「コンシューマサービスを支える要素技術と標準化動向」
第3回の概要
第3回では、幅広く日本発信の国際標準化について、成功・失敗事例を話していただき、将来ある技術者の方々の参考にしていただきたいと考えます。特に最近ホットな、IPv6とWebに関わる規格関係から、特に、IPv6規格。ドコモ携帯でのWeb規格。TV用Web規格であるBML規格。AV 機器のDLNA規格。家電機器のECHONET規格について、推進主体をしていた方々に話していただきます。最後には、それぞれの経験から、「自由に、標準化で立ち後れている日本について/パネルディスカッションを設置します。ご期待ください。
コーディネータ:一色 正男 (神奈川工科大学 教授/慶應義塾大学 特任教授)
【略歴】1982年東京工業大学理工学研究科卒業。工学博士。2009年1月より、慶應義塾大学教授として、国際規格W3C(World Wide Web Consortium)のSite Managerとして就任。(株)東芝で約30年、新規技術開発と新規事業開発を中心に働く。特に、インターネット及びWeb活用事業について、世界初のホームITシス テム「フェミニティシリーズ」の事業責任者として、企画から立ち上げを担当。世界初のBluetooth無線対応のIP家電を商品化し、 Web端末からコ ントロールできる、新時代の商品サービスを提供した。W3C運営委員。情報処理学会会員、機械学会会員、ECHONETコンソーシアム2008運営委員長,現フェロー。
プログラム
SESSION.1 9:00-9:45
Web領域での国際標準化推進(HTML5ほか)
【講演概要】本セッションでは、劇的に変化しているHTML5を代表とするWeb技術の進化を紹介する中で、その規格化をしている現場としての、W3C(World Wide Web Consortium) 国際標準規格策定団体での規格化活動について説明する。自由に、オープンに発展するWebの標準化世界がいろいろな産業でのニーズを取り込み、使われるようになってきた。PC、携帯電話、TVと機器に広がり、最近は、サービス産業基盤に組み込まれつつある。Web技術での技術先行性を確保するには、我々は、今、何をするべきなのか、ぜひ、共に状況を共有しながら考えたい。
講師:一色 正男 (神奈川工科大学 教授/慶應義塾大学 特任教授)
【略歴】1982年東京工業大学理工学研究科卒業。工学博士。2009年1月より、慶應義塾大学教授として、国際規格W3C(World Wide Web Consortium)のSite Managerとして就任。(株)東芝で約30年、新規技術開発と新規事業開発を中心に働く。特に、インターネット及びWeb活用事業について、世界初のホームITシス テム「フェミニティシリーズ」の事業責任者として、企画から立ち上げを担当。世界初のBluetooth無線対応のIP家電を商品化し、 Web端末からコ ントロールできる、新時代の商品サービスを提供した。W3C運営委員。情報処理学会会員、機械学会会員、ECHONETコンソーシアム2008運営委員長,現フェロー。
SESSION.2 9:45-10:30
ECHONET規格の最新動向 ~スマートハウスの実現に向けて~
【講演概要】低炭素社会の実現の為、太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの普及が拡大している。さらに、東日本大震災以降、我が国でも電力供給に関わる問題が顕著になり、一般家庭への太陽光発電システムや、家庭用蓄電池の普及が急激に拡大する。そのため、一般家庭においても「創・蓄・省エネ機器」の効率的な運用、すなわち、HEMS(Home Energy Management System)を搭載する「スマートハウス」の実現が必要不可欠である。ここでは、スマートハウス実現の為の標準プロトコルである「ECHONET規格」の概要について解説するとともに、その国際標準化状況や、今後の普及活動等の最新動向について説明する。
講師:平原 茂利夫 (ECHONETコンソーシアム 運営委員長)
【略歴】1992年 (株)東芝 入社。家電製品の制御に関する研究、開発業務に従事。2001年より、同社にてECHONETプロトコルを採用したホームITシステム「フェミニティ」の開発業務に従事。2011年 ECHONETコンソーシム 運営委員長に就任。
SESSION.3 10:45-11:30
TVでのWeb規格対応の標準化推進(BMLほか)
【講演概要】日本のTVでは、Web活用を長く進めてきた。特に、BML仕様は、日本において開発された国際規格であり、現在の国内DTV放送の基盤技術になっており、5000万台のTVに既に入っており日々活用されている。本日は、BML開発について、創世記から関わってきた一員として、BMLから現在の次世代TV用Webへの流れについて紹介し、今後のあるべき姿を考える機会としたい。
講師:舟橋 洋介 (株式会社トマデジ 取締役 執行役員 事業本部長)
【略歴】株式会社トマデジにて、BSデジタル放送、CS110デジタル放送、地上デジタルテレビジョン放送、IPTVの規格化・サービス開発に従事。W3C Web and TV Interest Groupの共同議長。慶應義塾大学SFC研究所員。2001年5月 株式会社トマデジ入社。2003年4月 同社 開発センター長。 2005年4月 同社 執行役員 事業本部長。2007年6月 同社 取締役 執行役員 事業本部長。
SESSION.4 11:30-12:15
ユーザ間インタラクションによるコンテンツの進化
【講演概要】動画にコメントをつけるというシンプルなアイデアによって開発されたサービス「ニコニコ動画」。このシンプルな機能がユーザ間の時間・場所を超えた場の共有を実現し、新たな形態のコミュニティと多様なコンテンツを生み出した。その後ニコニコ生放送など、サービスが提供する機能が増えるとともに、ユーザ間インタラクションの形態とコミュニティの構造も進化していく。本講演では、ニコニコ動画ならびに派生サービスを事例として、ソーシャルサービスにおける機能追加がユーザ間インタラクションに与えた影響と、それに伴うコンテンツの進化について考察する。
講師:夏野 剛 (慶應義塾大学 政策メディア研究科 特別招聘教授)
【略歴】1988年早稲田大学卒、東京ガス入社。1995年ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン)卒。ベンチャー企業副社長を経て、97年NTTドコモへ入社。1999年に「iモード」、その後「おサイフケータイ」などの多くのサービスを立ち上げた。2005年執行役員、2008年にドコモ退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミー、SBI、ぴあ、トランスコスモス、GREEなどの取締役を兼任。World Wide Web Consortium(略称:W3C) Advisory Boardメンバー。NHKの「ITホワイトボックス」などTV出演多数。特別招聘教授を務める慶應大学政策メディア研究科では「ネットワーク産業論」をテーマに講義する。2001年ビジネスウィーク誌にて世界のeビジネスリーダー25人の一人に選ばれる。著書「ケータイの未来」「脱ガラパゴスの思考法」「iPhone vs.アンドロイド」等多数。
 お昼休み 12:15-13:15
 
SESSION.5 13:15-14:00
インターネットにおける国際標準化(IPv6ほか)
【講演概要】通信の世界では、異なった機器やソフトウェアが相互に通信しあってサービスを提供していくことから、通信プロトコルの標準は非常に大事なキーワードであることを理解するのは容易い。しかし、インターネットの標準は、デジュール標準に代表されるような一般的な国際標準の作り方とは大きく異なっている。MITのDavid D. Clarkの有名な言葉、We reject: kings, presidents and voting. We belive in: rough consensus and running code.が表しているインターネットにおける標準とはなにかを、新しいインターネットプロトコルであるIPv6を通して考えてみる。
講師:中村 修 (慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
【略歴】1983年 慶應義塾大学工学部卒業 工学博士。1990年から東京大学大型計算機センター助手を経て1993年慶應義塾大学環境情報学部助手となり、現在慶應義塾大学環境情報学部教授。1987からWIDEプロジェクトにてインターネットの研究開発をに携わる。2003年からは AutoID Lab Japan副所長となり、ネットワーク型RFIDをはじめ各種センサーネットワークの研究開発にも携わり、2009年からは、藤沢地域のWiMAXの運用会社、オープンワイヤレスプラットフォーム合同会社の技術協議会委員長となり無線インフラを含めたインターネット関連の研究開発もおこなう。ACM会員、電気情報通信学会会員。
SESSION.6 14:00-14:45
UPnPおよびDLNAの標準化活動のあらまし
【講演概要】UPnP/DLNAはホームAVネットワーク技術の標準規格であり、デジタル家電、パソコン、携帯電話など様々なデバイスに搭載され、広く普及している。UPnP Forumは1999年マイクロソフトなどパソコン業界が中心とした標準化団体であったが、2003年に設立されたDLNA(旧DHWG)の標準化活動には多くの日本の家電メーカーが参画し、UPnP規格をベースとした実装ガイドライン策定、相互接続性テスト、ロゴ認証などに貢献するとともに、DLNA対応機器の商品化、プロモーションを推進してきた。その結果として、今日、DLNA規格は、家電、IT,通信など業界の枠を超えてグローバルなデファクトスタンダードに成るに至っている。本講演では、UPnPおよびDLNA技術を概説するとともに、実際に標準化活動の現場に参加した立場から、UPnPおよびDLNAの技術論点、海外企業との標準化活動で感じた経験談などについて述べる。今後、ネットワーク技術の標準化の重要性はさらに高まり、グローバル化、産業横断化が進むと思われるが、同時に、インターネット、クラウドサービスの時代には標準化活動の在り方自体も変わっていくと予想され、その課題を考える上でのご参考になれば幸いである。
講師:五十嵐 卓也 (ソニー株式会社 技術開発本部 主任研究員)
【略歴】1984年4月 ソニー株式会社入社。CD-ROM, CD-R, Mini Discなどマルチメディア関連の研究開発業務に従事。1995年から1998年はソニーコミュニケーションネットワーク株式会社(現ソネットエンタテインメント株式会社)に出向し、開発課課長としてインターネット端末の開発に従事。1998年からはR&D部門の研究員として、1394, HAVi, UPnP, DLNAなどのAV機器のホームネットワークやIPTV関連の開発、標準化に従事。現在は、W3C標準化団体のWeb and TV Interest Groupを中心にHTML5関連の標準化活動に参加している。
SESSION.7 15:00-16:00
[パネル討論] 通信、放送、IT連携の将来と課題
司   会:一色 正男 (神奈川工科大学 教授/慶應義塾大学 特任教授)
パネリスト:平原 茂利夫 (ECHONETコンソーシアム 運営委員長)
      舟橋 洋介 (株式会社トマデジ 取締役 執行役員 事業本部長)
      中村 修 (慶應義塾大学 環境情報学部 教授)
      五十嵐 卓也 (ソニー株式会社 技術開発本部 主任研究員)