抄録
J-063
不意変化刺激による運動誘導盲
勝村真人・正原 涼・内藤誠一郎(東海大)
視知覚における運動誘導盲(MIB)は興味深い現象である.従来のMIBでは試験図形の消失は確率的またはランダムに生じるとされてきた.しかし誘導刺激の工夫により,試験図形の消失を同期させることができた.MIBの変形としてフリッカー刺激による誘導盲(FIB)も研究されている.従来研究より低速なフリッカーで効果的なFIBが起こることを発見した.知見を総合し,消失する試験図形の大型化を試みた.滑らかな変化の間に,不意な変化を繰り返す誘導刺激により,消失の大きさとしてヒトの盲点に匹敵する図形の消失を実現した.我々はこの消失を,不意変化刺激による運動誘導盲(Transilience Induced Blindness TIB)と名付けた.