抄録
E-017
最適語音レベルに基づく圧縮処理音の難聴者による評価(I)
鈴木 裕・阪田 治・今村俊一・遠藤周一郎・水越昭仁(山梨大)・服部 遊(東京都立産業技術研究センター)・飯田 望・脇 隼人(山梨大)
高齢者の難聴では,大きな音は健聴者と同様にうるさく感じるが,小さな音声が聞き取れない感音性難聴であることが多い.このような難聴者には,音のレベルに応じて増幅率を自動的に制御する補聴器が使われ,聞き取りの改善が認められているが,その効果が十分ではない場合も少なくない.我々は聴覚特性を模した,非線形な増幅処理(ACE法)をした音声を用いて難聴者の聴き取りの改善効果と感覚的な評価について調べている.感音性難聴者を被験者として聞き取り検査(語音弁別検査)を行ったところ,ACE法によって聴き取りが改善される被験者が存在し,その効果が確認された.