[プレスリリース]2008年度情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定式

情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定式

報道関係者各位
プレスリリース

2009年2月23日
社団法人 情報処理学会

情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度を開始
〜3月2日に国立科学博物館で認定式を挙行〜

 社団法人情報処理学会(会長:佐々木 元)は、我が国のコンピュータ技術発達史上の重要な研究開発成果や国民生活、経済、社会、文化などに顕著な影響を与えたコンピュータ技術や製品など、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ情報処理技術遺産の保存と活用を図るために、情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度を開始いたしました。
このたび、第1回目として23件の情報処理技術遺産と2件の分散コンピュータ博物館を認定し、資料および施設の所有者をお招きして、認定式を行うことになりましたので、お知らせいたします。

■期 日 平成21年3月2日(月)14:00〜16:20
■会 場 国立科学博物館 日本館講堂
(〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20 TEL 03-5777-8600)

●認定制度制定の背景と目的
情報処理学会では我が国のコンピュータ発達史上の重要な成果や製品を当会ホームページの中の「コンピュータ博物館」に掲載して、紹介してきました。約1000点の写真を含めてその史料点数は2000点を超えており、月に10万件前後のアクセスがあるなど、多数の方々にご利用いただいております。
しかしながら、それら貴重な史料の実物の大半はすでに存在しておりません。
コンピュータ技術の急速な発展や利用環境の変化の中で、古い技術や製品の意義が見失われ、廃棄されて急速に失われつつあります。コンピュータ関係の貴重な史料をコンピュータに特化した実博物館などで保存すべきと考え、情報処理学会としても努力してきましたが、残念ながら未だ実現の可能性がみえません。
このような状況の中で、わずかに残っている貴重な史料の保存を図るとともに、我が国のコンピュータ技術の発展を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことが急務と考えております。その一助として、情報処理技術遺産の認定制度を設けました。

 また、小規模ながら、貴重な史料を保存・展示しておられる資料室やコレクションが日本各地に点在いたします。それらをネットワーク化して利用を拡大することも有意義であると考え、分散コンピュータ博物館の認定も併せて開始いたしました。

●第1回認定リスト

<情報処理技術遺産>23件
・自働算盤:我が国初の機械式卓上計算機
・川口式電気集計機及び亀の子型穿孔機:我が国初の統計集計機
・タイガー計算器 No.59:初期の手回し式計算機
・九元連立方程式求解機:アナログ式計算機械
・ETL-Mark II:初期のリレー式大型計算機
・FUJIC:我が国初の電子計算機
・大阪大学真空管計算機
・パラメトロン素子
・ETL Mark IVパッケージおよび磁気ドラム:我が国初のトランジスタ式実用計算機用の部品と記録装置
・SENAC-1(NEAC-1102):大型パラメトロン計算機
・FACOM128B:現在も動態展示されているリレー式コンピュータ
・MARS-1:国鉄座席予約システム
・MUSASINO-1B:パラメトロン計算機
・OKITYPER-2000:多機能タイプライタ
・NEAC-2203:全トランジスタ化計算機
・HITAC 5020および関連部品:国産初の大型汎用コンピュータ
・NEACシリーズ 2200モデル50:全IC化小型汎用コンピュータ
・H-8564磁気ディスク駆動装置
・HITAC 10:我が国初のミニコンピュータ 
・TOSBAC-3400:マイクロプログラム方式の科学技術用コンピュータ
・OKITAC-4300Cシステム:ミニコンピュータシステム
・JW-10:初の日本語ワードプロセッサ
・PC-9801:ベストセラーのパーソナルコンピュータ

<分散コンピュータ博物館>2件
・京都コンピュータ学院KCG資料館
・東京農工大学情報工学科西村コンピュータコレクション

以上

<本件に関するお問い合わせ>
企業名:一般社団法人情報処理学会
担当者名:会誌編集部門 TEL:03-3518-8371 Email:editj <at> ipsj.or.jp