システム評価研究会発足のお知らせ

目的

IT 革命に代表されますように,高度情報化社会の今後のさらなる発展には,情報処理技術を具現化するために,計算機とネットワークは必要不可欠であることは明らかです. 高度情報化社会におけるこの計算機/ネットワーク環境をみますと,ご存じのようにシーズとニーズの両面において,多様化,複雑化してきています. まず,シーズの一つである計算機ハードウェア環境をみますと,デバイス技術の進歩により,多様な計算機の出現が始まっております. さらに,これらの計算機群をインタネットをはじめとする多様なネットワークを介して有機的に結合した分散・ネットワーク環境も構築されています. また一方で,計算機に対する社会のニーズをみますと,大規模シミュレーションなどに代表されますように,従来から存在する計算能力への要求はさらに強くなっていますことは無論のこと,インタネット,携帯電話,高度道路交通システム,情報家電など多様な分野におきまして,計算機とネットワークに対する社会のニーズが多様化しています. このニーズとシーズの多様化を背景に致しまして,情報システムは多様化,複雑化してきており,この情報システムの評価が重要な課題となっています. この傾向は,今度のますますの高度情報化社会の発展を考えますと,ますます強くなります.

そこで,システム評価に関する状況をみますと,これまでにも多くの研究会および研究集会が設立,開催されてきました. しかしながら,これらの研究会は,研究分野を縦割りにみた特定の分野の研究・議論をその趣旨にするとともに,研究課題の一部としてシステム評価を含んだものが多いと思われます. このように,研究分野を縦割りにみた特定の分野に対して,システム評価は行われているものの,応用分野を横割りにみて,システム評価自体を横断的・統合的に取り扱った研究集会,および議論を提供する場が設けられていないように考えます. この横断的・統合的なシステム評価の研究は,高度情報化社会でますますニーズおよびシーズが複雑化,多様化することを考えますと,重要であります.

本学会でのシステム評価自体を目的とした研究会の取り組みが,多様化・複雑化した計算機/ネットワーク環境,情報処理技術を適切に評価するとともに,システム評価の観点から高度情報化社会のあるべき姿を示し,よりよい高度情報化社会を作る上で,1つの重要な位置を占めることはほぼ間違いないと考えております. そのために,高度情報化社会の先導的な役割を果たす本学会において,システム評価を横断的に取り扱う研究会の設立は,急務であり,さらに今後ますます重要になると考えております.

本研究では,幅広い分野でシステム評価を取り扱っている研究者・技術者が積極的に交流を図れる場として,技術進歩をはかるとともに,将来のシステム評価技術がどうあるべきか,また,その技術を活用することにより,ニーズからみた適切な情報システムがどうあるべきか,などの問題につきまして,解決方法を探ることを目的と致します. 具体的には,まず,システムの一般的な評価の方法論,具体的なコンピュータ及びネットワーク/情報システムの運営,設計,管理などについて検討し,総合的なシステム評価技術の標準化を推進します. さらに,コンピュータや情報システムの測定技法と測定結果,ツール,モデル化技術,等の実際的な性能評価技術の検討も大きな中心的な課題の一つであります. さらに,多様な分野で,これらの研究を遂行していきます.

上記の背景,および認識に立ち,平成8年度より,「システム評価研究グループ」を発足させ,本提案の研究会に先行して調査・研究を開始してまいりましたが,平成13年度から本研究会へ移行致します.

主な研究分野

  1. コンピュータやネットワーク/情報処理システムのソフトウェア及びハードウェアの設計,開発,管理,運営に関わる,システムの使い易さ,コスト,信頼性,拡張性,機能の豊かさ等の多様な側面からの評価に関する研究.
  2. コンピュータやネットワーク/情報処理システムの処理速度や効率に関するシステム性能評価の研究.
  3. コンピュータやネットワーク/情報処理システムの性能評価のための測定技術,ツール,モデル化技法.
  4. コンピュータやネットワーク/情報処理システムの総合的なシステム評価法の標準化.
  5. コンピュータやネットワーク/情報処理システムも含めた一般的なシステムの評価の方法.
  6. 評価方法ならびに評価データについての研究方法.
  7. インタネットなどの新しい情報基盤におけるシステム評価.
  8. 多様な応用分野におけるシステム評価.

提案者(50音順)

会田 雅樹(NTT アドバンステクノロジ),荒木 啓二郎(九州大学),石井 啓之(NTT),宇津宮 孝一(大分大学),大森 慎吾(郵政省通信総合研究所),荻田 光一郎(日本アイ・ビー・エム),小野里 好邦(群馬大学),亀田 壽夫(筑波大学),河岡 司(同志社大学),川島 幸之助(NTT アドバンステクノロジ),河野 知行(アイ・アイ・エム),喜連川 優(東京大学),木下 俊之(日立),紀 一誠 (神奈川大学),木村 吉雄(日立),久保 秀士(日本電気),最所 圭三(香川大学),柴山 茂樹(キヤノン),杉野 栄二(岩手県立大学),須崎 有康(電子技術総合研究所),高木 利久(東京大学),竹田 孝治(日本システムウエア),張 勇兵(筑波大学),友廣 修造(日立 INS ソフトウェア),中西 恒夫(奈良先端科学技術大学院大学),中山 泰一(電気通信大学),能條 哲(松下電工),野口 健一郎(神奈川大学),野瀬 純郎(NTT ソフトウェア),箱崎 勝也(電気通信大学),平山 雅之(東芝),福田 晃(奈良先端科学技術大学院大学),福田 正大(航空宇宙技術研究所),藤野 雅俊(BMC ソフトウェア),二村 良彦(早稲田大学),堀川 隆(日本電気),松崎 敏道(松下電器),皆川 達哉(日本電気),宮崎 正俊(岩手県立大学),宮部 博史(NTT),村松 洋(富士通研究所),山本 彰(日立アメリカ),吉川 耕平(シャープ),吉澤 康文(東京農工大学),李 頡(筑波大学)