情報処理学会四国支部創立10周年によせて

中村 久一郎

    四国支部が発足して一期,二期の支部長を大学の高橋,相原教授が務められた後,三期の支部長に推薦を受け信任を頂いて就任いたしました。

    四国支部の会員には多くの企業,官公庁の方がいらっしゃったのですが 当時メーカ系の各社が設立され大勢の学生を採用していて大学にたびたびお邪魔していたので目に付いてそのような運びになったのかと思っております。

    実際の運営においては支部役員と大学の先生がたのご指導とご協力のおかげで年間の行事を進める事が出来ました。 本当にありがとうございました。

    小生自身は学会の創立の時からの会員ではありましたが 活動に参加する事なしに過ごしていましたところ支部の活動に参画できて有意義な時期を持つ事が出来たと思っております。

    任期を終えた年の夏に転勤になりその後皆様にご無沙汰しておりますが,学会誌で支部の皆様の発表,受彰,学会・研究会の四国での開催などの情報に接したとき当時の事を大変なつかしく思い出しております。

    当時はオープンシステム化の始まりの時期で一般の企業などのシステムは汎用機やオフコンが主であわせてパソコンの利用が進んでいました。 大学やNTTではすでにオープンシステムを手がけておられて LAN,サーバー,クライアントでシステムを作られ,またインターネットの利用もされていたとおもいます。 小生の所属していた会社ではUNIXマシンやLANの開発を手がけておりました。

    現在は当時想像出来なかった勢いで新しいシステムが普及してインターネット,イントラネット時代になり社会の仕組み,動きが大きく変わりつつあります。

    一方システムの開発においてはオープンシステムの開発のための進んだ道具立て(ソフトウエア)が出来てきて非常に進化した部分も多いが全体としてはまだまだの感があります。 今後オブジェクトオリエンテッドな開発方法のマスター,ソフトウエアの部品化・再利用の実用等を研究と現場の交流の中で進めていく事が重要と痛感しております。

    四国支部の創立十周年に当たり支部ならびに会員各位のご発展をお祈りいたします。

平成3年度 情報処理学会 四国支部長
日本電子開発株式会社