ごあいさつ

戸田 巌

 四国支部創立10周年おめでとうございます。

 ここ数年会員が漸減気味の情報処理学会にあって,四国支部は平成10年度会員数が前年度を上回る見込みで,ひとり気を吐いています。歴代支部役員・会員の皆様の努力が結実したものと心からお慶び申し上げます。

 情報産業は21世紀の中核産業として期待されており,急速な普及を遂げています。その結果情報産業,情報技術に携わる人の数は急増しています。それにもかかわらず当学会の会員数が伸びないのは,当学会の活動が現在の情報技術者,研究者のニーズに適合していないからだと考えざるを得ません。

 情報技術の内容はメインフレームからパソコンへ,OSIネットワークからインターネットへ,エージェント技術,CobolからJavaへと目まぐるしく変化しています。情報産業の主役もIBMからWintelへと交代しました。当学会の活動が情報技術,情報産業のこの急激な変化に充分に追いついていないのが最大の問題だと思います。

 もちろんこの数年学会本部は学会活動の抜本的見直しに取り組んでいます。会誌等は目に見える形で変わってきていますが,残念ながら未だ会員増には結びついていません。学会の改革のスピードが不十分だからだと思います。一層の努力を傾ける所存です。

 四国支部でも今後とも積極的に改革を進められ,20周年にはさらなる大発展を祝えることを祈念申し上げます。

情報処理学会会長
株式会社 富士通研究所