情報処理学会四国支部創立10周年によせて

堂下 修司

 情報処理学会四国支部の創立10周年おめでとうございます。先年,高知工科 大学の開所式に参列させていただき,地方の情報化に賭けるその理想と熱意に 感服致しました。

 さて,先日の情報処理学会本部での支部長会議でも議論が あったように,各支部の本部に対する位置付けや支部のあり方,任務について は種々の困難性があり,基本的に見直す時期でもあります。建前として,情報 化・ネットワーク化の時代は分散化であり,地方の時代であると言われる一方 で,事実上,グローバリゼーションの名の元にほとんどの情報資源の中央への 集中化はいっそう進んでいます。同様に世界的に見れば,日本はローカルであ り,世界の中心であるアメリカへの情報の集中化はいっそう加速しています。

 このような困難な状況の中で,各支部がそれぞれの地方の特殊性とニーズと に照準を合わせた地域の情報化の振興にいっそうの努力をしていくという地道 な活動がますます重要になってまいります。このような事情は,西日本の中心 であると言われている関西地区を預かる関西支部としても同様であります。

 今後も,各支部が力を合わせてこれらの問題に取り組むと共に,四国支部の一 層のご発展を祈念致します。

情報処理学会 関西支部長
龍谷大学 理工学部,京都大学名誉教授