2019年度研究会活動報告

2019年度研究会・研究グループ活動報告

<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS EMB

<情報環境領域>
DPS HCI IS IFAT AVM GN DC MBL CSEC ITS UBI IOT SPT CDS DCC ASD

<メディア知能情報領域>
NL ICS CVIM CG CE CH MUS SLP EIP GI EC BIO CLE AAC NEgr SSRgr LIPgr PBDgr
 
<調査研究運営委員会>
RDMgr

コンピュータサイエンス領域

◆データベースシステム(DBS)研究会

[主査:吉川正俊,幹事:天笠俊之,上田真由美,片山 薫,清田陽司,
  新谷隆彦,鈴木伸崇,波多野賢治,宮森 恒,湯本高行]

1.定例の研究会活動報告

 第169回,第170回の定例の研究会を開催した.
 第169回は,9月開催のWebDB Forum 2019と連続して,工学院大学新宿キャンパスにおいて,情報基礎とアクセス技術(IFAT)研究会,電子情報通信学会データ工学(DE)研究会と合同で開催した.「ビッグデータを対象とした管理・情報検索・知識獲得および一般」という議題で,SNS,データ分析,データ工学,Webに関する20件(DBS研:12件,IFAT研:2件,DE研:6件)の発表があった.
 第170回研究会は,昨年に引き続き国立情報学研究所において12月23日・24日に,電子情報通信学会データ工学(DE)研究会と合同で「データ工学・データベースシステムとエンターテインメントおよび一般」という議題で開催した.今年度は新たな試みとして,ACM SIGMOD日本支部支部大会と連携し,2件の招待講演を合同で初日に開催した.一般講演ではDBS研が2件,DEと合わせて合計13件の発表があった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 DBS研究会では,産学連携をコンセプトとした都市開催のWebDB Forumと地方開催のDEIM Forumという二つのシンポジウムを開催している.

  • 「Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum 2019)」(9月実施)
    は,2008年度から毎年開催しているシンポジウムであり,今回で12回目の開催となる.2019年度は,新たな試みとして,査読付き論文の復活,トップカンファレンスで発表した国内研究者をお招きしてご講演いただく先端研究解説セッションの新設,ポスター発表枠の大幅な拡充等を行った.その結果,質の高い研究発表(43件)や先端研究解説セッション(9件),多数のポスター発表(106件/DBSJデータチャレンジを含む),ならびに企業展示が行われた.開催期間中に台風15号が関東地方に接近したため,2日目の開始時間を繰り下げる等の措置をとったが,300名を超える方々にご参加いただき,特段の問題もなく成功裏に終了することができた.また,上記の新たな試みや実行委員の方々のご尽力により,参加者間の交流を例年以上に活性化することができ,参加者の皆様からは非常にポジティブな反応をいただいた.

  • 「データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM Forum 2020)」
    (3月実施)は,本分野最大の規模で実施されるシンポジウムである.当初は,福島県磐梯熱海に於いて例年のように合宿形式で開催することを予定していたが,新型コロナウイルス感染症が急激に拡大する状況に鑑み,会議場に於ける開催を中止し,これに代えてオンライン会議システムを用いて開催した.この結果,563名の参加者が集まり,予定していた316件の口頭発表と55件のインタラクティブ発表の全てとそれらの質疑を終えることができた.加えてDBSJアワーを滞りなく開催した他,Banquet Onlineなる新たなネットワーキングの試みを実施した.
3.総括

 今年度は,2016年度に大幅な変更を行なった年間スケジュールに従って活動した4年目であった.シンポジウムについては,日本データベース学会,電子情報通信学会データ工学研究会と共催の形で実施し,論文誌の運営に関しては,IFAT研究会,電子情報通信学会のデータ工学研究会と共同で運営するなど,国内の関連コミュニティとの連携を継続して行なってきた.
 各イベントの参加者数の増加などを見るに,今年度も,本分野における研究活動の活性化に貢献できたと考えられる.

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◆ソフトウェア(SE)工学研究会

[主査:丸山勝久,幹事:石尾 隆,位野木万里,小川秀人,丹野治門,伏田享平,吉田則裕,鷲崎弘宜]

1.定例の研究会活動報告
 第202~204回の研究発表会を計画し,合計61件の研究発表(招待講演・活動報告を含む)があった.
  • 第202回 7月12日~14日 北海道・小樽経済センター 4階ホール(SIGSE/KBSE/SIGSS連立開催)発表23件 (2018度31件)
  • 第203回 12月12日~13日 東京都・早稲田大学 グリーンコンピューティング研究開発センター/早稲田大学 西早稲田キャンパス 55号館N棟 発表9件(2018度11件)
  • 第204回 3月1日~2日 オンライン発表 16件(+次回以降に発表3件) (2018度19件)
 分野は,要求分析から設計・実装・テストに至るソフトウェアライフサイクル全般にわたっている.分野に関して大きな傾向の変化は見られなかった.第203回研究会において特別講演を企画し,海外研究者を招聘した.第204回研究会については,新型コロナウイルス感染症への対応として,オンライン(zoomを利用)で開催した.オンライン発表でも特に混乱は発生しなかった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  1. ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2019(SES2019)
    2019年8月29日~8月31日の3日間にわたり,工学院大学新宿キャンパス(東京都新宿区)にて開催した.研究論文,実践論文,研究アイディア論文,一般論文,既発表論文,ポスター展示において,数多くの研究発表が行われた.他にも,近年話題のデジタルトランスフォーメーションに関する2件の基調講演を企画した.また,海外研究者による招待講演も実施した.ポスター展示はSES2028に引き続き盛況であった.シンポジウム参加者は187名となり,SES2018の156名に比べて増加した.参加者アンケートを見ても,いずれの企画も高い有益度と満足度であり,産学の研究者・技術者・実務者による活発な議論が展開されたと考えている.

  2. ウィンターワークショップ2020・イン・京都(WWS2020)
    2020年1月24日~25日の2日間にわたり,専門学校YIC京都工科自動車大学校(京都市下京区)にて開催した.今回のワークショップは,運営の負担削減の観点から,宿泊形式としなかった.4つのテーマに分かれて研究発表および討論を行った.参加者は50名である.参加者にとって充実した内容となり,ソフトウェア工学分野における研究および実践のさらなる発展に貢献できたと考え.
3.総括

 上記で報告した研究会,シンポジウム,ワークショップに対して,本年度も多くの方の参加を頂くことができ,充実した活動内容となった.他にも,ソフトウェア工学研究会では5つのワーキンググループ(要求工学WG,パターンWG,国際的研究活動活性化WG,ソフトウェアの評価WG,学連携促進WG)が設置されており,それぞれ活動している.研究会の国際化を強く意識し,海外研究者の招聘も2回企画し,参加者に好評であった.

4.その他

 今後とも質と量の両面からソフトウェア工学分野の活性化につながるように,研究会会員に対するサービスレベルの向上に努めていき,さらに充実した活動を行っていきたい.特に,第204回研究会をオンライン発表で開催した際に得られた知見を活かして,研究会会員に対する新たなサービスの模索を行う.今後は,国際会議の誘致をはじめとし,主要国際会議の運営や国際学会の役職など国際的活動への積極的な関わりを強化することで,研究会のさらなる国際化を促進する.同時に,他の研究分野との関わりを積極的に進め,ソフトウェア工学が実社会に生じる複雑かつ予想困難な課題に真に役に立つことを立証していく.また,世界をリードできる研究者・技術者の育成の重要性を強く打ち出していきたい.

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◆システム・アーキテクチャ(ARC)研究会

[主査:井上弘士,幹事:近藤正章,塩谷亮太,田中美帆,長谷川揚平]

1.定例の研究会活動報告

 第228~232回の研究発表会を開催した.基本的にすべての会を IEICE CPSYと共催し,他の研究会と共催・連載する場合も,CPSY と合同でセッションを構成した.

  • 第228回 2019/06/11(火)~12(水) @指宿温泉 休暇村 指宿
    第4回 HotSPA.IEICE CPSY,DC と共催.ARC 若手奨励賞 2件.
  • 第229回 2019/07/24(水)~07/26(金) @北見市民会館
    SWoPP.IEICE CPSY,DC, IPSJ HPC,OS,PRO などと共催・同時開催.若手奨励賞 1件.
  • 第230回 2019/11/13(水)~15(金) @愛媛県男女共同参画センター
    IEICE CPSY, VLD, DC, ICD, RECONF, IPSJ SLDM, EMB と共催・連催・併催.
  • 第231回 2020/01/22(水)~24(金) @慶應大学 日吉キャンパス 来往舎.
    IEICE CPSY,RECONF,VLD,IPSJ SLDM と共催・連催.若手奨励賞 1件.
  • 第232回 2020/02/27(木)~28(金) @与論町中央公民館
    ETNET.IEICE CPSY,DC,IPSJ EMB, SLDM と共催・連催.若手奨励賞 3件.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 2019/05/27(月)~29(水)に慶應義塾大学協生館で開催された The 3rd cross-disciplinary Workshop on Computing Systems, Infrastructures, and Programming (xSIG 2019) を主催した.
3.総括

 2018年度に引き続き,2019年度も,基本的にすべての研究会を CPSY と連催とした.また,定期的な研究会以外においても,2017年度からスタートしたxSIG(cross-disciplinary Workshop on Computing Systems, Infrastructures,and Programming)を PRO,HPC,OS 研究会と主催し,積極的に領域を跨いだ議論を展開する場を提供した.研究会活動としては,特に,HotSpa ならびにETNET の論文申込数・参加者数が増加傾向にあり,学生による発表が大半を占めている.これら 2 つの研究会は,学生同士の交流を深める良いイベントとして定着しつつある.また,HotSpa では 2018 年度に引き続き「ポストムーアを考える座談会」を開催し,ナノフォトニック技術を活用した将来のコンピューティング技術について議論を交わし大いに盛り上がった.このようなイベントを通して,今後もアーキテクチャ研究の活性化ならびに人材育成を進める予定である.

4.その他
 2018年度に引き続き,他研究会との連携を進め幅広い議論を展開した.また,幹事団ならびに運営委員からなる組織構成としては,産業界/学術界,専門分野,男女比,など様々な観点から多様性を高めることを意識した.半導体微細化に限界が見えつつある現状において,デバイスからプログラミング,応用までを見据えた分野横断的アプローチの重要性が増している.このような中,我が国においてもコンピューティング技術革新に向けた投資が進みつつあり,システムアーキテクチャ研究会の重要性は高まっていると考える.2020年2月のETNET は新型コロナウィルスの影響があったものの,実行委員や関係者の尽力により無事開催することができた.2020 年度も不確定な状況が続くと予想されるが,引き続き,魅力的な技術交流の場の提供を目指していきたい.

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◆システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)研究会

[主査:光来健一,幹事:尾上浩一, 杉木章義,広渕崇宏,山内利宏]

1.定例の研究会活動報告

 第146〜148回の研究発表会を開催した.

  • 第146回 2019年5月30日(木)~31日(金) 那覇市IT創造館
    毎年恒例の沖縄での研究会を5年ぶりに那覇市内で開催した.システムソフトウェア一般について発表を募集し,分散システム,OS,仮想化,ストレージについて計13件の発表が行われた.
  • 第147回 2019年7月24日(水)~7月25日(木) 北見市民会館
    「並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ」として複数研究会の共催の形態で開催した.デバイス制御,データ処理,分散システム,セキュリティ,クラウド,仮想化,OS・言語処理系について全17件の発表が行われた.
  • 第148回 2020年2月27日(木)~2月28日(金) 高知工科大学 永国寺キャンパス
    システムソフトウェア一般について発表を募集し,不揮発性メモリ,マルチコア,効率化,高速化・可用性,仮想化について13件の発表が行われた.新型コロナウイルスへの万全の対策を行った上で現地開催した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第31回 コンピュータシステム・シンポジウム 2019年12月10日(火)〜11日(水)
    場所:大阪大学 吹田キャンパス
    コンピュータシステム・シンポジウムは年に一回,OSやシステムソフトウェアの研究者が集い,研究を進展させる場として重要な役割を担ってきた.今回は投稿カテゴリを4つに整理し,コメントフィードバックありの一般論文(カテゴリ1),フィードバックなしの一般論文(カテゴリ2),概要のみの口頭発表(カテゴリ3),ポスター・デモ発表(カテゴリ4)とした.カテゴリ1で9件,カテゴリ2で2件,カテゴリ3で3件,カテゴリ4では23件もの発表があり,参加者数も大幅に増加した.特別企画として,2件の招待講演と2件のチュートリアルを企画した.また,2件のトップカンファレンス・ジャーナル採択論文講演と,国際会議の出張報告も行われた.
3.総括

 システムソフトウェアとオペレーティング・システムの分野の研究発表活動は,実際の情報システムの技術の変化に沿って変遷してきた.最近では,仮想化情報基盤やクラウドなどの大規模情報システムが広く使われるものとなってきたが,それらの実利用から将来の利用形態までを含めた,新しい技術開発を目した研究発表が堅調に行われている.最近は研究会から国際会議・論文誌への発展を橋渡しする場としてコンピュータシステム・シンポジウムを位置づけている.それに加えて,様々なニーズに応えられるようにし,本研究会に関わる分野のさらなる発展を支援する体制を強化している.さらに,学生を対象とした発表賞の対象を若手全般に拡げ,若手への支援を積極的に進めている.

 

◆システムとLSIの設計技術(SLDM)研究会

[主査:田宮 豊, 幹事:土谷 亮,岩崎裕江,佐々木通]
1.定例の研究会活動報告
 以下に示す第188~191回の研究発表会を開催した.
  • 第188回: 発表件数  7件, 5月15日,東京工業大学 大岡山キャンパス
    テーマ : システム設計および一般
    連催: 電子情報通信学会 VLD研究会
  • 第189回: 発表件数 39件,12月5-7日,愛媛県男女共同参画センター
    テーマ : デザインガイア2019 -VLSI設計の新しい大地-
    連催: 電子情報通信学会 VLD/DC/CPSY研究会
    併催: 情報処理学会 ICD/IE/RECONF研究会
    合同: 情報処理学会 SIGEMB/SIGARC
    協賛:IEEE CEDA All Japan Joint Chapter
  • 第190回: 発表件数 41件, 1月22-24日,慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎
    テーマ : FPGA応用および一般
    連催: 電子情報通信学会 VLD/CPSY/RECONF研究会
    合同: 情報処理学会 SIGARC研究会
    協賛:IEEE CEDA All Japan Joint Chapter
  • 第191回: 発表件数 48件, 2月27-28日,与論町中央公民館
    テーマ: 組込技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2020
    合同:情報処理学会 SIGEMB/SIGARC研究会
    連載:電子情報通信学会 CPSY/DC研究会
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 以下のシンポジウムを開催した.

  • DAシンポジウム2019: 8月28日-8月30日,山代温泉 ゆのくに天祥(石川県加賀市),発表件数 47件

 以下の国際会議を協賛した.

  • ASP-DAC 2020: 1月13-16日,China National Convention Centor, Beijing,発表件数 129件

3.総括

 本研究会は,システムLSIを中心とする電子装置の設計技術,設計自動化技術の研究分野をスコープとして活動している.研究会単独主催の「DAシンポジウム2019」は,石川県にて開催(「DAシンポジウム2015」から5回目)した.参加者のアンケートからは好評を得ているものの.参加者数は 104名と昨年の115名から10%減した.
 学生会員育成のための表彰SWGの活動(2006年度創設)は,研究活動の更なる発展に向けた活動として定着し,「DAシンポジウム2019」にて学生賞14名が表彰された.
 2008年度に創刊された,研究会独自のオンライン・トランザクション(TSLDM:Transactions on System LSI Design Methodology)は,2019年8月に第23号(Vol.12 August Issue),2020年2月に第24号(Vol.13 February Issue)を発行した.
 2014年度に本研究会名称を「システムとLSIの設計技術研究会」に改称してスコープ拡大を図ってきたが,シンポジウムと定例研究発表会の発表件数減少として,その限界が表れてきている.来年度以降は,定例研究会での新企画など,研究会の活性化を検討していきたい.

4.その他
 活動履歴や予定の詳細については,下記をご参照ください.
http://www.sig-sldm.org/

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◆ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)研究会

[主査:岩下武史,幹事:板倉憲一,高橋大介,竹房あつ子,藤井昭宏,星 宗王]

1.定例の研究会活動報告

 2019年度は,第169-173回の研究発表会を開催し,合計110件の発表が行われた.

  • 第169回研究発表会は,5月10日(金)に海洋研究開発機構 横浜研究所にて開催,9件の発表があった.また,同研究発表会では,Preferred Networks 社の福田圭祐氏による招待講演:「HPC for ML and ML for HPC」を実施した.研究発表会での招待講演は,HPC研究の成果を社会に還元するための一助として2019年から開始した企画であり,活発な意見交換が見られ,参加者にとって意義が大きかったと考えられる.
  • 第170回研究発表会は,7月24日(水)-26日(金)の3日間,北海道北見市北見市民会館にてARC,PRO,及びOSなどの研究会と共同で2019年並列/分散/協調処理に関する『北見』サマー・ワークショップ(SWoPP2019)として開催,43件の発表があった.
  • 第171回研究発表会は,9月20日(金)に国立情報学研究所にて開催,10件の発表があった.
  • 第172回研究発表会は,12月18日(水),19日(木)の2日間,沖縄県那覇市沖縄産業支援センターにて開催,24件の発表が行われた.
  • 第173回研究発表会は,2020年3月16日(月)-18日(水)の3日間,北海道札幌市北海道立道民活動センターにて24件の発表を予定していたが,新型コロナウィルスの影響により,現地開催を中止とした.予定していた発表は2020年度の研究発表会において発表枠を拡大して実施する予定である.

 これらの研究発表会では,GPUやFPGA等のアクセラレータを用いた高性能計算に関する研究,「富岳」を見据えたArmプロッサのシステムを活用した研究,深層学習やシステムの省電力など,社会的な要請が強い研究課題に関する発表が目を引いた.その他には,量子計算機のエミュレーションに関する研究など,将来の高性能計算に向けた取り組みが散見された.
 また,2018年度の研究発表の中から,コンピュータサイエンス領域奨励賞2件,山下記念研究賞2件を推薦した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
 本研究会は,ARC,PRO,OSと共同で,2019年5月にThe 3rd cross-disciplinary Workshop on Computing Systems, Infrastructures, and Programming(xSIG2019)を主催した.本シンポジウムは,2019/05/27 (月) -29 (水)の3日間,慶應義塾大学 協生館で開催された.本シンポジウムの特徴は,査読付きの会議であるが,予稿集を作成せず,将来の学術論文誌,国際会議での発表を妨げることなく,むしろそれをプロモートすることにある.また,若手研究者,特に学生の研究活動を支援することに力をいれている.xSIG2019は,元HPC研究会幹事の遠藤氏が組織委員長を務め,主査の岩下も組織委員に加わって実施された.22件(ヤングリサーチャー枠を含む)の一般論文発表とポスター発表,招待講演,チュートリアルが実施され,総計で119名の参加者を得た.企業展示数は過去最大であり,若手研究者を中心に活発な研究議論が行われた.

 2020年1月には,本研究会が最も重要な主催イベントと位置付けているInternational Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region 2020(アジア・太平洋地域におけるハイパフォーマンスコンピューティング国際会議,HPC Asia 2020)を開催した.会期は2020年1月15日(水)-17日(金),会場はアクロス福岡(福岡県福岡市)である.一般論文については,11ヶ国から計47件の論文投稿があり,プログラム委員会の厳正な審査により,24件が採択された.採択率は51%である.一般論文の中から1件のBest paper awardを選出し,表彰を行った.一般論文発表の他に,3件の招待講演,ポスター発表,企業展示,2件のワークショップを実施した.特にポスターセッションは56件の発表を得て,大変盛況であった.会議全体で,15ヶ国から241名の参加者を得て,HPCに関する活発な議論が行われ,当初の目的を達成した.この通り,会議は成功裡に終了したが,その後の新型コロナウィルスの影響を鑑みると,薄氷を踏んでいたと言える.また,招待講演者のビザ発給にトラブルがあり,直前まで発給されない問題もあった.HPC Asiaは2020年1月にオンラインにてSteering Committeeが開催され,2022年に神戸市で開催されることとなった.本研究会は同会議の主催団体となることを予定しているが,HPC Asia 2020の経験と反省を生かして取り組んでいきたい.
3.総括

 HPC研究会は,2019年度に5回の研究発表会を行い,概ね活発な活動を行うことができた.ただし,2020年3月の研究会については現地発表が実施できず,課題が残った.2019年度には二つのシンポジウムを主催し,その内の一つとして国際会議HPC Asia 2020を福岡市で開催し,大きな成功を収めた.同会議は2022年に神戸市での開催を予定している.
 HPC分野では,「京」コンピュータの運用が終了し,次世代機である「富岳」の開発が進んでいる.このような背景の下,計算科学分野,計算機科学分野の双方で,富岳に代表される次世代HPC環境を効率的に利用するための研究が進んでいる.また,Society 5.0に代表される人工知能・機械学習技術やICTを社会で効果的に活用するための研究が進められている.こうした研究活動では,リアルタイム性の確保,低消費電力性の改善など,HPC研究に期待される研究課題が多い.HPC研究会が研究成果と社会の橋渡しとして機能するように引き続き取り組む必要があると考えられる.

4.その他

 HPC研究会では,2018年に打ち出した ① 学生,若手研究者のEncourage,② HPC研究に関する成果の産業応用,計算科学を含む実アプリへの展開の促進 を実施してきた.来年度以降では,他研究会との連携に関してより詳細な検討を行っていきたいと考えており,引き続きHPC研究会の発展に尽力していく所存である.

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◆プログラミング(PRO)研究会

[主査:西田直樹,
  幹事:Jacques Garrigue,石崎一明,田浦健次朗,千代英一郎,寺内多智弘,
   中野圭介,松崎公紀,松田一孝,南出靖彦,森畑明昌]

1.定例の研究会活動報告
 第124-128回の研究発表会を開催し,合計39件の発表があった.このうち,第125回(8月,SWoPP 2019)が他研究会との連続開催であり,残りの4回が単独開催である.第128回研究発表会は新型コロナウイルスの感染拡大の状況から現地開催を中止し,発表申し込みのあった11件のうち希望があった4件のみオンラインで発表会を行った.他の7件については第129回研究発表会での発表,もしくは改めての発表申し込みを検討していただいた.この7件は以降で報告する件数には含めていない.
 令和元年度も,トランザクションプログラミング(PRO)と密着した体制で研究発表会を開催した.トランザクション(PRO)に投稿された論文は,まず研究会で発表され,発表会の直後に開催されるトランザクション(PRO)編集委員会において議論し,査読者を定めて本査読を行なった.学生の発表を促進するなどして研究会を活性化させることを目的に,投稿をともなわない短い発表もあわせて募集している.短い発表は,発表20分,質疑・討論10分としている.それ以外の発表については,例年通り,投稿の有無に関わらず,1件あたり発表25分,質疑・討論20分の時間を確保し,参加者が研究の内容を十分に理解するとともに,発表者にとっても有益な示唆が得られるように務めた.本年度は13件の「短い発表」があった.
 発表総数は39件で,そのうち,トランザクションへの投稿件数は15件であった.本稿執筆時点では一部の投稿論文の採否が確定していないため,採択率に関する報告は行わないが,今後とも,編集委員会において査読の観点を論文の欠点を見つけて評価する減点法ではなく,論文の長所を見つけて評価するようにこころがけていく方針である.
 若手を対象としたコンピュータサイエンス領域奨励賞の受賞者を2名選出し,第126回研究発表会の場で受賞者およびその研究を紹介した.また,コンピュータサイエンス領域功績賞の受賞者を1名選出した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 情報処理学会4研究会(ARC,HPC,OS,PRO)の共同主催により,xSIG 2019を,5月27~29日に慶應義塾大学 協生館で開催した.

 また,日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェア研究会が9月25日~27日に主催した第27回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2019)に協賛した.
3.総括

 プログラミング研究会の平成27-令和元年度の発表件数は順に48件,45件,41件,54件,39件であった.研究発表の場が多様化などにより発表件数が減少傾向にある中で,平成30年度には発表件数が例年に比べて非常に増加し,令和元年度も第128回研究発表会でオンライン発表されなかった7件に加え,申し込み後に発表を取り消された3件を考慮すると,昨年度にはおよばないものの十分な件数であったと言える.短い発表の募集もこれまでのように発表を促すという点で一定の効果があったと考えられる.

4.その他

 令和2年度もこれまで同様に5回の研究発表会を予定している.過去2年は発表件数も増加傾向にあり,本研究会の活動も活性化している.今後も,開催時期や場所の検討,査読方針や編集・査読体制の確認と検討をおこなうとともに,会員にとってより便利で有益な研究会となることを目指したい.

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◆アルゴリズム(AL)研究会

[主査:瀧本英二,幹事:泉 泰介,河村彰星,垣村尚徳]

1.定例の研究会活動報告

 研究発表会を5回(第173~177回)開催し,全体で37件の発表があった.

  • (173回) 令和元年5月10・11日(金・土)熊本大学 黒髪北キャンパス (熊本県熊本市)
  • (174回) 令和元年9月17日(火)信州大学(長野県長野市)
  • (175回) 令和元年11月28・29日(木・金) 旧大連航路上屋2Fホール(福岡県北九州市)
  • (176回) 令和2年1月29・30日(水・木) 下呂市民会館(岐阜県下呂市)
  • (177回) 令和2年3月16日(月)東北大学(宮城県仙台市)※ COVID-19の影響により中止

 このうち,第173回は電子情報通信学会コンピュテーション研究会 (COMP) との連催,第175回は電子情報通信学会の回路とシステム研究会(CAS) およびシステム数理と応用研究会 (MSS) との連催,第176回は人工知能学会の人工知能基礎問題研究会 (FPAI)との併催である.4研究会との併催は3年前から継続しており,隣接研究分野の研究会と共同での研究会開催が定着している.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 アルゴリズム研究会では,韓国における同分野の研究コミュニティと連携して,Korea-Japan Joint Workshop on Algorithms and Computation(アルゴリズムと計算理論に関する日韓合同ワークショップを過去20年に渡り開催している.本年度においては,KAISTのMartin Ziegler氏が中心となり,第22回目のワークショップを10月4・5日にKAIST(韓国Daejeon市)にて開催した.日本や韓国を中心に約35名が参加し,最適化・文字列処理・計算量分析・幾何アルゴリズムなど多岐にわたる分野で13件の発表があった.また,名古屋大学の小野廣隆教授による基調講演”Algorithms for Distance Constrained Labeling”が合わせて行われた.協賛という形ではあるが,バングラデシュやインドの研究グループが開催している国際会議International Workshop on Algorithms and Computationを例年支援しており,今年度も引き続きこれを実施した,会議は3月31日~4月2日にシンガポール国立大学にて開催された.

3.総括

 本研究会が研究対象とするアルゴリズムの研究は長い歴史を持ち,また計算機科学における理論的基盤の大きな一翼を担っているが,実応用・社会への波及という観点からは隣接分野への展開もより一層重要となっている,来年度以降も引き続き,連催・併催での研究会や招待講演を通じて応用分野との連携を深めるとともに,国際連携活動も継続していきたいと考えている.

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◆数理モデル化と問題解決(MPS)研究会

[主査:関嶋政和,幹事:大久保好章,小谷野仁,佐藤寛之,高田雅美,吉川大弘,渡邉真也]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告

3.総括

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◆組込みシステム(EMB)研究会

[主査:渡辺晴美,幹事:北村崇師,高瀬英希、田中清史,早川栄一,久住憲嗣]

1.定例の研究会活動報告

 第51回~53回の研究発表会を開催.組込みシステムは情報処理各分野の横断的分野であることから,本年度も各関連研究会との共催の研究発表会を実施した.

  • 第51回研究会(6月21日 東京): 単独開催,ポスター(論文有り)10件、ポスターのみ7件
  • 第52回研究会(11月13〜15日 愛媛): 「デザインガイア2019」VLSI設計技術研究会, 電子部品・材料研究会, 集積回路研究会, 画像工学研究会, コンピュータシステム研究会, ディペンダブルコンピューティング研究会, リコンフィギャラブルシステム研究会, システム・アーキテクチャ研究会, システムとLSIの設計技術研究会, 組込みシステム研究会, IEEE SSCS Japan Chapter;IEEE SSCS Kansai Chapter共催,基調講演1件, 口頭発表6件
  • 第53回研究会 (2月27〜18日 与論島):「組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2019」システム・アーキテクチャ,システムとLSI設計技術研究会,および電子情報通信学会コンピュータシステム研究会,ディペンダブルコンピューティング研究会と共催,口頭発表14件
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 組込みシステムシンポジウムESS2019および国際会議APRIS2019を開催した.

  1. ESS2019(8月24~25 下呂温泉)
    研究論文6件(±0).WIP(Work In Progress)6件(−4件).ポスター展示11件(+6件)の発表を行った.昨年までと比較し,ほぼ同水準にある.ESSロボットチャレンジについても.ポスターとデモによる成果報告が実施された.
    今年度は.SWEST21との合同基調講演として.Justin Schneck氏(Nerves Project)を招き.「Nerves Project: Performant, Scalable, and Fault Tolerant Embedded Systems」と題して.基調講演を開催した.国内ではまだ情報が少ないが国際的に注目されている関数型言語Elixirと.そのIoT開発フレームワークNervesについて.デモを交えて分かりやすく解説して頂いた.さらに.ESS単独の招待講演1として三輪昌史氏(徳島大学)を招き.「小型ドローン用アプリケーション開発を題材としたPBL教材」と題してお話頂いた.組込みシステムのPBL教材について,参加者と活発な議論を行った.招待講演2として.鵜林尚靖氏(九州大学)に「不確かさを抱擁するソフトウェア開発」についてお話頂き,ソフトウェア工学研究の動向と最新研究成果について解説して頂いた.
    新しい試みとして.組込みシステムやIoT分野の有識者を集め.今後の研究テーマをまとめた湯河原宣言2018に関するセッション「湯河原宣言2018の紹介と拡充」を開催し.今後.特に注力すべき研究課題について議論した.宿泊型での開催の利点を活かし.昨年と同様.夜間にライトニングトークのセッションを設け.幅広い研究者・技術者によるトークを基に議論を行った.SWEST/ESS合同セッションを企画し.「組込みに使うプログラミング言語について語ろう!」というテーマで,議論した.参加者数については.SWESTとの共同開催により.期待通りの数を確保できた.スポンサーは最低限数を集めることができたが.今後もより一層の増加が期待される.以上より.引き続き.一般論文の投稿数の改善を第一の目標とし.このことを中心に今期の運営上の反省点を踏まえてよりよいシンポジウムになることを期待する.

  2. APRIS2019 (11月1日~11月4日)
    研究論文発表としては3つのカテゴリを用意し.Regular Paper 9件.Short Paper 7件(ESSアブストラクト2件を含む).WIP(Work In Progress) Paper 12件があり.口頭発表の合計は28件であった.
    組込みシステム研究会の運営委員.およびPrince of Songkla University(PSU)関係者を中心としたメンバーとの共同運営で.英語講演による会議を開催した.会議は四日間の開催とし.前半二日間はキーノート講演・招待講演・研究報告等からなる本会議.後半二日間は学生や若手技術者がモデルベース設計・チーム開発手法を学びながらロボットコンテストを行う.という内容であった.前半二日間の本会議では.ロボット・IoT関連の技術に関する講演が行われた.基調講演はタイと日本から1名ずつ.招待講演はタイから1名.日本から2名であった.後半二日間のロボットコンテストは.知的なドローンのためのソフトウェア開発を題材とした.2日間のプロジェクト形式(PBL)として行った.具体的には.タイからの参加者(56名)と日本からの参加者(23名)が混合で5-6人のチームを作り.ドローンの知的制御のためのシステムモデル設計.それに基づくPythonによる制御プログラム作成を行い.その成果を競い発表した.
    組込みシステム研究会の運営委員.PSU および豊田通商NEXTYエレクトロニクス(タイランド)株式会社関係者を中心としたメンバーで構成したAPRIS2019実行委員会との共同運営で.日本・タイ・マレーシア3か国からの参加者で英語講演による国際ワークショップAPRIS2019を開催した.昨年度のAPRIS2018初回開催とほぼ同じ構成で.会議は四日間の開催とし.前半二日間は基調講演・招待講演・研究報告等からなる本会議.後半二日間は学生や若手技術者がモデルベース設計・チーム開発手法を学びながらロボットコンテストを行う.という内容であった.
    前半二日間のAPRIS2019本会議では.ロボット・IoT関連の技術に関する講演が行われた.基調講演はマレーシアと日本から1名ずつ.招待講演はタイから1名.日本から2名であった.これらはタイ・日本における先端技術の交流を促進するものであったと考えられる.研究論文発表は計32件であり.内訳は口頭発表12件とポスター発表22件であった(一部重複).口頭発表は3つのカテゴリを用意し.Regular Paper 4件.ESSアブストラクト3件.WIP(Work In Progress) Paper 5件であった.ポスター発表においては.3か国からの参加者間の相互交流を推進した.本会議の参加登録人数は.タイから18名.日本から36名.マレーシアから3名であり.活発に研究情報の交流がなされた.また.参加者は.招待講演者やスポンサー関係者などの無料参加者を合わせると.全部で83名に上った.
    後半二日間のロボットコンテストは.知的なドローンのためのソフトウェア開発を題材とした.2日間のプロジェクト形式(PBL)として行った.具体的には.タイからの参加者(26名)と日本からの参加者(14名),マレーシアからの参加者(3名)の合計43名が混合で4-5人のチームを9チーム作り.プロジェクト型学習を行った.尚.本教育は.文部科学省enPiT-embと共催で実施した.
3.総括

 今年度は.査読付きシンポジウムESS2019および国際会議APRIS2019を開催した.APRIS2019は2年目の開催であり.昨年度に続き同様の論文数を集めることができた.また.研究会ではポスター発表を推奨することにより.シンポジウムと研究会の棲み分けができるようになった.さらに.「湯河原宣言2018」について継続した議論ができ.目的を持った活動の場が上手く形成できたと自負している.

4.その他
 情報処理学会論文誌「組込みシステム工学」特集号を 令和元年8月および令和2年2月に発刊した.合わせて19編投稿,8編採録.
 情報処理学会誌研究会推薦山下賞1名,CS領域賞1名を推薦.

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情報環境領域

◆マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会

[主査:田上敦士,幹事:鈴木理基, 寺西裕一,中沢 実,野呂正明,廣森聡仁]

1.定例の研究会活動報告

 第179-182回の研究発表会を開催した.MBL,ITS, EIP, CSEC, 信学会SeMIと 合同,連催して開催した.今年度の発表件数は,招待講演を除き50件であっ た.178回当初神奈川県横浜市で開催する予定であったが,オンラインで開催した.試行錯誤な面もあったが活発な議論ができたと思われる.さらに176回と177 回において,企画としてライトニングトークセッションを設け,萌芽的な研究に 関する議論を行った.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2019)
    2019年7月3日(水)から 5日(金)に磐梯熱海温泉 華の湯にて開催された.  DPS関連では,8セッション,31件(招待講演1件を含む)の発表があった.加藤  由花氏(東京女大)に「IoTとロボティクス‐ロボット応答制御のための経路予測 ‐」というタイトルで招待講演を頂いた.

  • マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSWS2019)
    今年度で27回目となった本ワークショップは,2019年11月11日(水)から13日 (金)に北海道登別温泉・登別万世閣で開催された.論文発表28件,デモ発表8 件,ポスター発表13件の研究発表を合宿形式で行い,参加者は74名であった.投 稿されたすべての論文は,プログラム委員によって並列査読された.

  • 論文誌「ネットワークサービスと分散処理」特集号
    従来の分散処理とネットワークの研究分野にとどまらず,当研究会の研究分野 に関する優れた論文を一括掲載することを目的として特集号を企画し,ゲストエ ディタに安本 慶一氏(奈良先端大)を迎え2019年2月に発行された.合計18編の 論文が投稿され,4回の編集会議において慎重な審議を経た上で,13件の論文が 採録された(採録率 72.2%).採録された.全体として,幅広いテーマ・研究者 層の論文を受け入れるという理念と,丁寧な査読により質の向上を図るという方 針の特徴を出すことができたと考える.
3.総括

 本研究会では,4回の定例研究会,シンポジウム,ワークショップ,論文誌特集 号を通して,研究者相互の交流と研究に対する活発な意見交換の場を提供するこ とができた.改めて,ご協力頂いた皆様に感謝する.今後も,DPS関連研究者の 更なる研究の活性化を進めていく予定である.

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◆ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会

[主査:木村朝子,
 幹事:五十嵐悠紀,大槻麻衣,小倉加奈代,草野孔希,志築文太郎,松村耕平,村尾和哉]

1.定例の研究会活動報告

 第183~187回の研究発表会を開催した.各回のテーマと招待講演,発表件数等は以下の通り.

  • 第183回(東京大学 山上会館)2019/6/10-11 EC,信学会MVE,日本バーチャルリアリティ学会,ヒューマンインタフェース学会SIGDeMO,映像情報メディア学会ITE-HI,同学会SIPと共催
    テーマ:人工現実感,エンタテイメント,メディアエクスペリエンスおよび一般
    発表件数:21件(内HCI研8件)
  • 第184回(北海道大学 百年記念会館)2019/7/22-23
    テーマ:でっかいインタラクション
    特別講演:廣瀬岳史(No Maps実行委員会 事務局長)「NoMaps~北海道から切り拓く地図なき世界~」
    開催報告:藤田和之(東北大学 電気通信研究所)「CHIワークショップ開催報告」
    発表件数:16件
  • 第185回(兵庫県 淡路夢舞台国際会議場)2019/12/10-11 UBIと共催
    テーマ:継続とインタラクション
    発表件数:29件(内HCI研15件)
  • 第186回(沖縄沖縄県 石垣市 大濱信泉記念館) 2020/1/15-16
    テーマ:騙しとインタラクションおよび一般
    招待講演:谷部好子氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    発表件数:35件
  • 第187回(国士舘大学 世田谷キャンパス → オンライン開催に変更) 2020/3/16-17→ 2020/3/16
    投稿件数:33件(内オンライン発表:17件)
 以上,発表総件数134件(内HCI研107件)

 第183回~187回研究会より,以下の11件を学生奨励賞として表彰した:
  • 第183回研究会
    松田 あゆみ 君(立命館大学)
    「直線運動と回転運動が共存する場合のベクション効果に関する分析と考察(5) ~統合的なベクション強度についての拡張実験~」
  • 第184回研究会
    川上 雄大 君(立命館大)
    「Face VAS:顔アイコンを用いた子どもへの感情調査手法」
    中里 健也 君(明治大)
    「metaBox: 使い方を定義可能なexUI設計のIoT Boxの試作」
  • 第185回研究会
    神山 拓史 君(明治大学)
    「遂行の意思をボタンで選択することによるタスク推進手法の提案」
    崔 明根 君(北海道大学)
    「Bubble Gaze Lens:バブルレンズ法の視線操作への適用」
  • 第186回研究会
    髙橋 拓 君(明治大学)
    「作画ミス発見のためのイラストの部分遮蔽手法の検証」
    田村 洸希 君(早稲田大学)
    「ひとを騙す手書き自動生成手法の提案と実装」
    正木 博明 君(東京大学)
    「SNS上の行動に関する若年層ユーザに対するナッジの効果検証」
    増田 毅 君(芝浦工業大学)
    「姿勢追跡技術を活用したスポーツ反復練習動画の視聴システム」
  • 第187回研究会
    小林 龍成 君(中京大学)
    「現実空間への漫画エフェクト投影システムの提案」
    島田 雄輝 君(明治大学)
    「MAGIC Pointingの操作時間予測モデル」
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 インタラクション2020シンポジウム(2020/3/9-11)をGN研・UBI研・EC研・DCC研と共催した.今回のインタラクションは,EC研の長谷川晶一先生(東京工業大)が大会長を務められた.COVID-19流行の影響でオンライン開催となった.ギリギリまで現地開催の実現可能性を模索されたが,最終的にはそれがかなわず,大変残念であった.シンポジウムの開催プログラムは、当初予定と変更せず,口頭発表には1000人参加可能なzoom会議室を用意し,座長,発表者,聴衆が一つの会議室に参加して行った.展示発表は,発表毎にzoom会議室が割り当てられ,一日約80件の発表が2時間パラレルで実施された.基調講演としては,エンハンス代表取締役の水口 哲也氏に「共感覚的インタラクションの時代に向けて」と題して, XR技術が生み出す新たな体験の未来と可能性についてご講演いただいた.オンライン開催とはなったが,運営委員の皆さんの多大なるご尽力のおかげで,質・量ともにレベルの高いシンポジウムとなった.
3.総括

 通常研究会での発表件数は,昨年と同数の件数を維持することができた.また、前述のようにインタラクション2020シンポジウムも,COVID-19流行の中,多くの参加者を迎え,大成功であった.研究会活動は全体として引き続き活発である.

4.その他

 2020年度も引き続き研究会の活性化に努める所存である.

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◆情報システムと社会環境(IS)研究会

[主査:児玉公信,幹事:居駒幹夫,荻野紫穂,本田正美]

1.定例の研究会活動報告

 4回の研究発表会を開催し,計41件(新型コロナ感染症対応のため未発表3件)の発表があった.情報システムの分析・設計・開発・運用などに関して多様な研究報告が行われた.なお,未発表の3件は6月の報告会で発表予定である.

  • 第148回(6月1日,武蔵大学,発表5件)
  • 第149回(8月23日,東京電機大,発表6件)
  • 第150回(11月23-24日,名桜大学,発表16件,1件リモート発表)
  • 第151回(2月28日,明治大学,一部リモート発表,発表14件,うち3件未発表)
 また,研究発表会の中で有識者による時宜にかなったテーマの招待講演を開催することにし,以下を実施した.
  • 第149回 「地方議会会議録に含まれる議論を対象として背景・過程・結果を結びつける」木村泰知(小樽商科大学)
  • 第150回 「沖縄のIT事情とIT戦略」永井義人(沖縄IT イノベーション戦略センター)
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 災害コミュニケーションシンポジウム(共同開催)
    セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT),インターネットと運用技術研究会(IOT),グループウェアとネットワークサービス研究会(GN),電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)と共同開催しており,12月26日に第8回を行った.年末の多忙な時期にもかかわらず積極的な参加者を得ることができ,活発な議論が行われた.
3.「ISディジタル辞典」第二版の公開

 2014年4月に発行した「ISディジタル辞典」の改訂を行い,2019年12月に「ISディジタル辞典」第二版として発行した.収録項目は,初版からの再録項目と新たに書き下ろした項目を合わせて457項目に達し,執筆者も初版の63名から大幅に増えて総勢99名であった

4.総括

 本年度も,情報システムにおける広い分野からの多くの種類の発表や議論が活発に行われた.当研究会が編集母体となる情報システム関連のジャーナル特集号の発刊も継続した.

5.その他

 2013年度から始めた若手研究者を中心とする研究会(若手の会)での優れた発表に対する「若手の会奨励賞」の選定は,新型コロナ感染症対応のため来年度にずれ込む.

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◆情報基礎とアクセス技術(IFAT)研究会

[主査:難波英嗣,幹事:藤井 敦,熊野 正,村上晴美,大島裕明,金沢輝一]

1.定例の研究会活動報告

 第135~137回の研究会を開催した.第138回は新型コロナウィルスのため開催を中止した.

  • 第135回 2019/07/06(土) @東京大学駒場キャンパス
    人工知能学会インタラクティブ情報アクセスと可視化マイニング(SIGAM)研究発表会と連続開催
  • 第136回 2019/09/10(火) @工学院大学新宿キャンパス
    IEICE DE, IPSJ DBSと共同開催
  • 第137回 2020/02/15(土) @東京工業大学大岡山キャンパス
  • [開催中止]第138回 2020/03/27(金) @中央大学後楽園キャンパス
    IPSJ DCと共同開催予定であったが、新型コロナウィルスのため開催を中止.なお,論文は提出済.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 なし.

3.総 括

 当研究会は,情報に関する原理を解明し,それに基づいて情報アクセスに関する技術の発展を目的としている.近年は,情報のモデリングや可視化に関する基礎研究,情報検索の技術やシステムに関する応用研究,言語情報の理解に関する人工知能研究,ユーザの情報行動に関する認知科学系の研究などを取り込む学際横断的な研究会へと成長している.そこで,幅広い領域に関係する研究者間の交流を促進するために,2018年度に引き続き,2019年度も当学会ならびに関連学会の研究会と合同による開催を実施した.これにより,当研究会は幅広い領域の研究者間の交流促進に一定の役割を果たしてきたと言える.

4.その他

 様々な関連研究会との合同開催は,互いの良い面を引き出して成長を続けることができる反面,両者の位置付けが分かりづらくなるという問題も生じる.当研究会には,「情報基礎(情報に関する原理の解明)」と「アクセス技術」という2つの大きな柱がある.これまで合同開催してきた他研究会は,これら2つの柱のいずれかに関連するものであったが,2つの柱を結びつける研究こそ,当研究会の独自性をより明確にするものであると考える.2020年度は,これまでの研究発表に加え,オーガナイズドセッションや関連する領域の研究者による招待講演などの企画により,「情報基礎」と「アクセス技術」を同時に扱う研究の推進を目指す.

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◆オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)研究会

[主査:内藤 整,幹事:越智大介,亀田裕介,徐 建鋒]

1.定例の研究会活動報告

 第105-108回の研究発表会を開催した.

  • 第105回研究発表会
    日時:2019年6月13日~14日
    会場:福江文化会館
    連催:電子情報通信学会 スマートインフォメディア研究会(IEICE-SIS)
    共催:映像情報メディア学会 立体映像技術研究会(ITE-3DIT)
    テーマ:知的マルチメディアシステム,組込み応用システム,立体映像技術,一般
    発表件数:15件
    AVM賞(AVM最優秀賞1名,優秀賞2名)の受賞式を実施
  • 第106回研究発表会
    日時:2019年9月19日~20日
    会場:新潟大学 駅南キャンパスときめいと
    連催:電子情報通信学会 画像工学研究会(IEICE-IE),マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会(IEICE-EMM),ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(IEICE-LOIS)
    共催:映像情報メディア学会 メディア工学研究会(ITE-ME),電気学会 通信研究会(IEE-CMN)
    テーマ:マルチメディア通信/システム,ライフログ活用技術,IP放送/映像伝送,メディアセキュリティ,メディア処理(AI,深層学習),一般
    発表件数:20件
  • 第107回研究発表会
    日時:2019年12月5日~6日
    会場:アイーナ いわて県民情報交流センター
    連催:電子情報通信学会 通信方式研究会(IEICE-CS),画像工学研究会(IEICE-IE)
    共催:映像情報メディア学会 放送技術研究会(ITE-BCT)
    テーマ:画像符号化,通信・ストリーム技術,一般
    発表件数:24件
  • 第108回研究発表会
    日時:2020年2月27日~28日
    会場:沖縄セルラー電話株式会社
    テーマ:人の理解・合成技術と関連技術及びスポーツなどへの応用,画像符号化,マルチメディア情報処理,一般等に関わる技術課題
    発表件数:12件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 画像符号化シンポジウム,映像メディア処理シンポジウム(PCSJ/IMPS)
    日時:2019年11月18日~20日
    会場:御殿場高原ホテル(静岡県御殿場市)
    主催 電子情報通信学会 画像工学研究専門委員会
    共催 映像情報メディア学会 メディア工学研究委員会,電子情報通信学会 信号処理研究専門委員会
    協賛:画像電子学会

  • 2019  International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia(SISA)
    日時:2019年9月4日~6日
    会場:明治大学 中野キャンパス
    連催:電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会(SIS)
3.総括

 本年度は,映像音声に関する符号化,変換,編集,伝送,検索,認識等について定例研究会4件とシンポジウムおよび国際会議が開催された.第108回目には人の理解・合成技術,スポーツ映像処理技術,画像符号化,マルチメディア情報処理をテーマに掲げ,スポーツの観戦や選手強化において付加価値を与える応用研究の発表募集を実施した.また萌芽的研究内容を取り扱う学生セッションを設け若手研究者の参加を促す施策を行うと同時に,2018年度のAVM研究会発表の中から優秀な若手研究者に対しAVM最優秀賞,AVM優秀賞を授与した.今後も関連研究会と綿密に連携し,当該研究分野全体の活性化に取り組む予定である.

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◆グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会

[主査:斉藤典明,幹事:市野順子,江木啓訓,岡嶋成司,塩澤秀和,本橋洋介]

1.定例の研究会活動報告

 令和元年度は以下の通り,第108-110回の研究発表会を開催しました.

  • 第108回(令和元年5月9-10日 東京農工大学):発表15件
         SPTと共催,電子情報通信学会LOIS研究会と連催.
  • 第109回(令和2年1月23-24日 隠岐島文化会館):発表42件
         CDS,DCCと共催.
  • 第110回(令和2年3月16-17日 オンライン開催):発表19件
         単独開催.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 令和元年度は以下の通り,シンポジウム2回,国際会議1回,ワークショップ1回を開催しました.

  • DICOMO2019シンポジウム(令和元年7月3-5日 福島県磐梯熱海温泉):
    発表254件,デモ8件,招待講演・特別講演9件
    平成9年より開催しているDICOMOシンポジウムは,DPS,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCCと共催.
     
  • 第11回コラボレーション技術に関する国際会議(CollabTech2019)(令和元年9月03-07日 Kyoto Research Park, Kyoto, Japan)
    発表28件
    平成17年に第1回を開催し,これまでCRIWGと併設して開催してきたが,今回からCRIWGと統合して開催.
    国際会議CollabTech 2019は、京都リサーチパークにおいて開催され、53人(うち海外から参加の外国人17人)が参加した.
    今回、このような研究分野における論文発表(Full paper 12件、Work-in-Progress paper 8件)およびポスター発表(9件)を通じて,
    当該分野の学術的発展に寄与するとともに,各国から参加した研究者に意見交換の場を提供することができた.
     
  • グループウェアとネットワークサービスワークショップ2019(令和元年11月14-15日 伊豆大島 ホテル白岩):
    発表24件(一般論文17件,ポジション4件,国際会議報告3件)
    平成16年に第1回を開催して以来,GN研究会ならではの発表の場を提供するべく開催しています.質の高い研究成果の報告を得ると
    同時に,研究の芽や方向性に関する報告など,ワークショップにふさわしい多様な研究報告が行われました.今年度から,国際会
    議報告セッションを設け,学生など若手研究者の国際会議参加に向け,過去の会議の参加者から参加した際の感想や準備などの
    ノウハウを共有しました.
     
  • インタラクション2020(令和2年3月9-11日 オンライン開催):
    招待講演1件,一般講演20件,インタラクティブ発表 214件)
    平成9年より開催しているインタラクションシンポジウム.HCI,UBI,EC,DCCと共催.
    今回で23回目となる「インタラクション2019」は,招待講演,登壇発表,実機の展示デモンストレーションを行うインタラクティブ
    発表(デモ),および前回からの引き続きである発表者と参加者との議論を目的としたインタラクティブ発表(ポスター)で構成
    された.登壇発表20件(インタラクション特集号からの招待2件を含む)と,インタラクティブ発表(デモ)164件,インタラクティブ
    発表(ポスター)50件が採択され,すべてオンラインで開催した.
3.総括

 当研究会は,平成5年度の発足以来,グループウェア技術に関して,理論から応用,情報科学から社会科学,と幅広い学際的研究活動を活発に推進してきました.この間,Webなどのグループウェアの実用化が急速に進みました.この動向を踏まえて,平成13年度より,研究会名称をグループウェアとネットワークサービス研究会へと変更し,現在ではネットワークアプリケーション,インターネットサービス,ゲーミフィケーション,コラボレーション支援などの広い研究分野をカバーしています.
 例年,定例研究会を開催する以外にも,泊まり込みのワークショップ(GNワークショップ),平成28年度から毎年開催となっている国際会議,2回の研究会合同シンポジウム(DICOMO,インタラクション)を主催しています.令和元年度はCollabTech2019を京都にて開催しました.
 平成24年度からは,研究の萌芽段階を支援する目的で論文・発表を通常の研究発表よりも短くしたサポートセッションを設けています.
また毎年論文誌ジャーナル特集号を発行しており,平成31年度特集号においても多くの原著論文を採録しました.

4.その他

 研究会関連メンバへのサービスとしては,平成13年4月から毎月メーリングリストによるニュースレターの発行を継続しており,現在約300名がメーリングリストに登録されています.

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◆ドキュメントコミュニケーション(DC)研究会

[主査:秋元良仁,幹事:大場みち子,高橋慈子,中挾知延子,野々山秀文]

1.定例の研究会活動報告
  • 第113回研究会「ライフログ活用技術、オフィス情報システム・ドキュメントのデジタル化・行動認識/行動推定と情報通信システムおよび一般」
    日時:令和1年7月17日(水)~18日(木)
    場所:筑波大学計算科学研究センター(茨城県つくば市天王台1-1-1)
    発表件数:10件
    ※電子情報通信学会ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)と連催
     
  • 第114回研究会「ドキュメントベースのヒューマンコミュニケーション技術および一般」
    日時:令和1年9月27日(金)~28日(土)
    場所:フューチャー株式会社 (東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー)
    発表件数:25件
    特別講演「人工知能によるプロフェッショナルの理解に向けて ~ 言語・音声・画像・グラフ処理を活用した社会実装 ~」(貞光 九月)
    ※電子情報通信学会言語理解とコミュニケーション研究会(NLC研)と連催
     
  • 第115回研究会「サービスデザインの時代におけるドキュメント技術 ~アジャイル/UXとの融合~」
    日時:令和1年12月 4日(水)
    場所:セコム本社 セコムホール 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-5-1 セコム本社ビル
    発表件数:
    招待講演「ユーザーとの協調を重視する時代におけるドキュメント制作現場の取り組み」(仲田 尚央)
    招待講演「アクセス解析でできるユーザー行動解析」(田所 輝美雄)
     
  • 第116回研究会「ドキュメントコミュニケーション分野一般」
    ※情報処理学会情報基礎とアクセス技術研究会(IFAT)との合同研究会
    ※新型コロナウイルス感染症への対応として、開催は中止
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 令和元年度は実施なし.

3.総括 
 デジタル化されたドキュメントをコミュニケーションの媒体として,それらを取り巻く多様な課題について研究活動を継続実施.
 研究会登録者・参加者の増加をめざして,定例各研究会において,電子情報通信学会 ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会(LOIS)および言語理解とコミュニケーション研究会(NLC)との連催を実施.
 他研究会・団体との情報交換も活発に実施する事ができ,参加者増加につながる有意義な研究活動をすることができた.また、3月実施予定だった第116回研究会においては、新型コロナウイルス感染症への対策として、学会方針に従い迅速な情報提供を行うことができた.
 今後はドキュメントに関わる幅広い分野の有識者と意見交換しつつ,ドキュメントのデジタル化技術,活用技術,読解力技術など工学的観点に留まらず心理学,文学などの幅広い分野をも包含した研究活動を推進する.

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◆モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL)研究会

[主査:太田 賢,幹事: 内山 彰,梶 克彦,平井規郎,山口高康,吉廣卓哉]

1.定例の研究会活動報告

 第91-94回の研究発表会を開催した.

  • 第91回研究発表会 5月23,24日 奄美市社会福祉センター
    ・共催:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS),高度交通システム研究会(ITS)
    ・連催:電子情報通信学会センサネットワークとモバイルインテリジェンス研究会(SeMI)
    ・後援:葉山町教育委員会
    * 第92回研究発表会 8月29,30日 葉山港管理事務所 会議室
    共催:情報処理学会コンシューマ・デバイス&システム研究会(CDS)
    連催:第7回学生スマートフォンアプリコンテスト
    優秀論文,優秀発表,奨励発表の表彰式を実施
    * 第93回研究発表会 11月21,22日 奈良先端科学技術大学院大学 研修ホール
    共催: 情報処理学会高度交通システムとスマートコミュニティ研究会(ITS)
    研究会前日の11月20日にはかんぽの宿大和平群(やまとへぐり)でWork in
    Progress研究の発表と討議を泊まり込みで実施
    * 第94回研究発表会 3月2日 名古屋大学 IB電子情報館
    共催:情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会(UBI)
    連催:電子情報通信学会センサネットワークとモバイルインテリジェンス研究会(SeMI)
    新型コロナウイルスの状況を踏まえ,口頭発表は3月2日の1日のみで希望者による遠隔会議を使ったオンライン開催とし,ポスター発表については中止とした.ただし,発表できなかった方のうち希望者には,口頭発表およびポスター発表のいずれも,後日の研究会で発表の機会を設けることとした.
 本年度の定例研究会は計画通り4回実施した.MBL枠で申し込みされた発表件数(招待講演除く)は84件(5月: 11件,DICOMO: 43件,8月:  6件,WiP:  8件,11月:  9件,3月: 7件)であり,活発な研究発表が行われている.例年に引き続き,Work in Progressテーマに関する発表と集中討議を行う泊り込みワークショップを開催し,好評であった.2019年度は優秀論文4件,優秀発表3件,奨励発表1件,奨励賞4件,WiP奨励賞2件を選出し,研究発表の奨励と会員拡大に努めている.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム
    7月3~5日 福島県磐梯熱海温泉華の湯
    共催:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会、グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会、コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会、高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会、ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会、インターネットと運用技術(IOT)研究会、セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会、コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会、デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
  • The 12th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU)
    November 4-6, 2019. Hotel Shankar, Lazimpat, Kathmandu 44600, Nepal.
    協賛:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS),高度交通システム研究会(ITS),コンシューマ・デバイス&システム研究会(CDS), ユビキタスコンピューティングシステム研究会(UBI)
  • 論文誌特集号の発行・企画
    MBL/ITS特集号:2020年1月号
    MBL/ITS両研究会の共同企画による論文誌特集号は2001年7月号以来19回目の発行となる.
    今回は16件の投稿があり最終的に9件を採録した.採録論文の内訳は,位置推定4件,深層学習応用2件,セキュリティ1件,無線技術1件,交通事故防止技術1件であり,この分野の注目されている研究テーマをカバーしており,本特集号の趣旨にふさわしい内容となった.
3.総括
 2019年度は,MBL運営委員会の活動の元,4回の定例研究会の他,シンポジウムと国際会議を開催し,論文誌特集号の企画を滞りなく進めた.これにより,モバイルコンピューティング技術の発展に寄与するとともに,国内外の研究者相互の交流ならびに大学と産業界の連携のための意見交換の場を積極的に提供することができた.今後とも,これらの交流で得た研究者間の関係をベースに本研究会をさらに発展・充実させたい.

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◆コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会

[主査:山内利宏,幹事:大木哲司,大東俊博,島岡政基,須賀祐治,森 達哉]

1.定例の研究会活動報告

 第85回~第88回の研究発表会を開催した.

  • 第85回 2019年 5月23日~24日(大阪府豊中市,発表20件)
    合同開催:IOT研究会
    連催:情報通信マネジメント研究専門委員会(ICM)
  • 第86回 2019年 7月23日~24日(高知県高知市,発表66件)
    合同開催:SPT研究会
    連催:情報セキュリティ研究専門委員会(ISEC),
    連催:技術と社会・倫理研究専門委員会(SITE),
    連催:情報通信システムセキュリティ研究専門委員会(ICSS),
    連催:マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究専門委員会(EMM),
    連催:ハードウェアセキュリティ研究専門委員会(HWS),
    連催:バイオメトリクス研究専門委員会(BioX)
  • 第87回 2019年12月 3日~ 4日(那覇市,発表13件)
  • 第88回 2020年 3月 12日~ 13日(オンライン開催,発表47件,予稿集掲載17件)
    合同開催:DPS研究会

 各研究発表会ごとに数件のCSEC優秀研究賞を授与した.また,推薦論文制度の規程にもとづき対象論文の推薦を行った.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • コンピュータセキュリティシンポジウム2019(CSS2019):
    セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)との共催で,マルウェア対策研究人材育成ワークショップ2019(MWS2019),プライバシーワークショップ2019(PWS2019),ユーザブルセキュリティワークショップ2019(UWS2019),OSSセキュリティ技術ワークショップ2019(OWS2019)と併催の形で,10月21日~24日にハウステンボス(長崎県佐世保市)にて開催した.CSS全体の参加者数は805名,投稿数は223件であり,参加者数は9回連続で前回比増となった.優秀な論文に対しては,CSS,MWS,PWS,UWSの各論文賞やCSS奨励賞を授与した.また,セキュリティ分野の著名な研究者を招いた基調講演を設けた.
  • 14th International Workshop on Security(IWSEC2019):
    今回で14回目の開催となる国際会議であり,電子情報通信学会情報セキュリティ研究専門委員会(ISEC)との共催で,東京工業大学大岡山キャンパス(東京都目黒区)において2019年8月28日~30日の日程で開催した.2件の招待講演,13件のSCIS/CSSの優秀論文からの招待講演,25件のポスター発表に加え,63件の投稿論文からRegular paper 18件(採択率28%,他にショートペーパー5件)の非常にレベルの高い論文を精選し,充実した内容の論文集が作成された(Springer LNCSシリーズで出版).日本を含む17ヶ国から過去最多の計141名の参加者が集まり,国際色豊かな会議となった.また,昨年に続き本会議から特に優れた論文を情報処理学会論文誌に推薦論文として推薦した.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム:
    10の研究会が集い幅広い分野をカバーしたシンポジウムとして,2019年7月3日~5日に磐梯熱海温泉(福島県郡山市)で開催した.CSECのセッションとしては, IoT・制御機器,暗号応用,サイバー演習,サイバー・車載ネットワーク,サイバー攻撃対策,プライバシー・認証(1),プライバシー・認証(2),持続可能なセキュリティを設けた.また,CSECの20件の発表から,2件の優秀論文賞が授与された.

  • 論文誌「特集:デジタルトランスフォーメーションを加速するコンピュータセキュリティ技術」
    デジタルトランスフォーメーションを加速するコンピュータセキュリティ技術をテーマとした特集号を企画した.
    36件の投稿から22件(英語論文は11件)の論文を採録し,2019年9月に発行した.
    2020年9月発行の予定で次の特集号「実社会を支える暗号・セキュリティ・プライバシ技術」を企画し,編集作業を進めている.

3.総括

 CSEC研究会登録者数は昨年度末に達成した600名超を引き続き堅持し,定例研究会の発表件数も堅調である.国内シンポジウムCSS2019は年々参加者が増えており,今年度も引き続き開催期間を4日とした.国際会議IWSEC2019も100名超の参加者が集まり,大変盛況である.また,研究発表会において,2019年度もサイバーセキュリティの研究倫理に関する企画セッションを開催し,その活動を支援している.来年度も本研究会の活動を更に活性化させるための施策を継続していく.また,本研究会の活動に留まらず,我が国のコンピュータセキュリティ分野全体の発展への貢献に努めていく.

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◆高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会

[主査:重野 寛,幹事:石原 進,川井 明,柴田直樹,湯 素華,花房比佐友]

1.定例の研究会活動報告

 定例研究会は,以下の通り,4回開催した.

  • 第77回ITS研究会:2019年5月23日(木)〜24日(金)/奄美市社会福祉センター(鹿児島県奄美市)
    DPS研究会研究会(合同),MBL研究会(合同),信学会SeMI研究会(連催)と連携して開催した.全体で40件(ポスター発表9件を含む)の研究発表があり,シングルトラックで分野を越えた活発な議論が行われた.
  • 第78回ITS研究会:2019年9月6日(金)/サニー貸会議室(東京都千代田区)
    信学会ITS研究会(連催),電気学会ITS研究会(共催)と連携して開催した.全体で11件の研究発表が行われた.有吉亮氏(横浜国立大学)に「持続可能な都市の実現に貢献する包括的なモビリティシステム」という題目で招待講演をいただいた.
  • 第79回ITS研究会(WiP・一般講演):2019年11月20日(水)~22日(金)/かんぽの宿大和平群(奈良県生駒郡)・奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)
    MBL(合同)と連携して開催した.14件のWork-in-Progress (WiP)発表と15件の研究発表(一般講演)が行われた.
  • 第80回ITS研究会:2020年3月9日(月)/オンライン開催
    ITS研究会単独で開催し,全体で12件の研究発表が行われた.この回の研究会は当初,はこだて未来大にて開催の準備を進めていたが,新型コロナウイルス感染症への対策のため,急遽,オンラインでの開催に変更した.オンライン会議システムに加え,オンライン文書共有システムを活用して,オンライン環境ならでは利点を生かして活発な議論が行われた.

 定例研究会の各回での講演を評価して,優秀な論文や発表を選定している.2019年度全体を通じて,研究会優秀論文3件,研究会優秀発表4件,研究会奨励発表7件を選定した.
 定例研究会では自動車や二輪車に関連する通信とセンシング,自動運転に関する研究報告が増えてきている.自動車・交通分野への機械学習の適用や空間統計解析の応用に関する報告も出てきている.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • ITS研究フォーラム:2020年1月24日(金)/慶應義塾大学日吉キャンパス 来徃舎シンポジウムスペース(神奈川県横浜市)
    「Mobility as a Service (MaaS) 最前線」をテーマとして,6件の招待講演と8件のポスター発表を行った.参加者は80名であった.招待講演として,MaaSの現在と未来,鉄道関連MaaSの動向,Universal MaaS,自動運転社会に向けた次世代モビリティサービス,まちづくりの未来,バス情報のデータ標準化・オープンデータ化に関する講演を頂いた.時機を得た注目度の高いテーマでもあり,活発の質疑応答が行われ,全体として充実したシンポジウムとなった.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2019):2019年7月3日(水)~5日(金)/福島県磐梯熱海温泉 華の湯(福島県郡山市)
    本シンポジウムは,DPS,GN,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,SPT,CDS,DCCの合同よる大規模なシンポジウムである.統一テーマ「デジタルトランスフォーメーション~予測が困難な未来を切り拓く情報技術~」を掲げ,特別講演1件,招待講演8件を含め,263件の研究発表が8パラレルセッションにて行われ,各分野の研究者の間で活発な議論が行われた.ITS研究会関連では,5セッション,22件(招待講演1件を含む)の発表があった.招待講演として,二宮芳樹氏 (ティアフォー/名古屋大学)・河口信夫氏 (名古屋大学)に「自動運転ロジックの開発・評価をどうするか ~学習・評価用走行データベースの構築~」の題目で講演を頂いた.多くのITSに関係する研究者がこのシンポジウムに参加し,交流を深めた.

  • 論文誌特集号「活き活きとしたスマートシティを実現する高度交通システムとパーベイシブシステム」(令和2年1月発行)
    MBL研究会と ITS研究会に関わる分野の論文を一括掲載することにより,この分野の研究をさらに推進し,その発展に寄与することを目的として,MBL研究会との共同で論文誌特集号を企画した.ゲストエディタに齋藤正史氏(金沢工業大学)を迎え,当研究会の幹事や運営委員も編集委員会として参画した.16件の投稿があり,慎重な審議の結果,最終的に9件を採録した(採択率56%).採択された論文のテーマは位置推定,深層学習応用,セキュリ ティ,無線技術,交通事故防止技術など多岐に渡る.本特集では,招待論文として木谷友哉氏(静岡大学)にモータバイク関連の研究開発動向に関するサーベイ論文を,また,深澤佑介氏(NTTドコモ)にスマートフォンを用いた心理状態の推定における機械学習に関するサーベイ論文を,それぞれ寄稿をいただいた.全体として,最新の研究成果をタイムリーに発表する場を提供できた.
3.総括

 ITS研究会では,4回の定例研究会,シンポジウム,研究フォーラム,論文誌特集号を通して,高度交通システムとスマートコミュニティに関わる研究者の交流と意見交換の場を提供することができた.本研究会が対象とする領域は広く,また社会的な注目も高いことから,さらに多くの研究者との交流の場となり,本分野の研究の活性化に貢献していきたいと考える.皆様の積極的なご参加とご協力をお願いしたい.

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◆ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会

[主査:井上創造,幹事:榎堀 優,岸野泰恵,前川卓也, 村尾和哉,米澤拓郎]

1.定例の研究会活動報告
 第62-65回の研究発表会を開催した.
  • 第62回研究発表会 2019年6月6日(木)~6月7日(金),東京ビッグサイト(東京国際展示場)内 会議棟 703
    ※平成30年度UBI研究会優秀論文賞・学生奨励賞表彰式を開催 
    ※東京ビッグサイトで開かれたSmart Sensing 2019 Expoと同時開催し,Expoにも研究室出展
  • 第63回研究発表会 2019年8月26日(月)~8月27日(火),豊橋技術科学大学 
    ※共催:高齢社会デザイン(ASD)研究会
  • 第64回研究発表会 2019年12月10日(火)~11日(水),淡路島夢舞台 
    ※共催:ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会 
    ※国際発表奨励賞受賞者による国際会議発表・参加報告を実施
  • 第65回研究発表会 2019年3月2日(月)〜3月3日(火),名古屋大学にて開催の予定→遠隔会議を使ったオンライン開催に変更 
    ※共催:モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会 
    ※連催:電子情報通信学会 センサネットワークとモバイルインテリジェンス (SeMI) 研究会
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム
    2019年7月3日(水)~5日(金)  福島県磐梯熱海温泉 華の湯
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

  • インタラクション2020
    2020年3月9日(月)~11日(水) 学術総合センター→遠隔会議システムを用いたオンライン開催に変更
    ※共催:ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
3.総括

 2019年度も4回の定例研究発表会を開催した.本年度は産業界との連携および,研究会内での学術的連携に力を入れた.前者としては,東京ビッグサイトで行われた展示会に研究会から出展しながら研究発表会を同時開催した結果,出展者からは好評を得,少なくとも1社以上の共同研究につながった.後者については,研究会内で運営委員によるショートプレゼンテーションを行い,互いに研究の方向性や興味を知る良い機会となった.
 研究会としても,分野を盛り上げるために,研究発表会での発表から,6件の優秀論文賞と,4件の学生奨励賞を選出した.また,国際発表奨励賞について,今年度は昨年の4件を大幅に超える,過去最大の10名の学生に対してユビキタスコンピューティングシステム関連国際会議への参加をサポートした.この支援もあり,9月にロンドンで行われたUbiComp国際会議では,多くの日本からの発表と国際プレゼンスにつながった.

4.その他

 ユビキタスコンピューティングの研究は黎明期を過ぎ,いよいよ産業実用化が問われる時期となってきたが,他研究会との交流を積極的に行っているとはいえ,研究会発表者・参加者の硬直化が課題となってきている.そのため,一般の技術者や若手研究者を取り込むための新たな方策を考えることが必要である.また,情報処理の分野は技術の変遷も激しく,人材不足が叫ばれることから,研究会としても何らかの若手研究者・技術者育成の方策が必要だと考える.

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◆インターネットと運用技術(IOT)研究会

[主査:宮下健輔,幹事:石橋勇人,池部 実,石島 悌,北口善明,佐藤 聡,中村素典,西村浩二,村上登志男]

1.定例の研究会活動報告

 以下に示すように第45~48回の研究発表会を開催した.

  • 第45回 5月23日(木)~24日(金)
    場所:大阪大学会館
    発表件数:一般7件(全体:一般18件,招待講演2件)
    ※コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会と共催
    ※電子情報通信学会情報通信マネジメント(ICM)研究会と連催
  • 第46回 6月14日(金)
    場所:小樽商科大学
    発表件数:一般15件,招待講演2件
    ※第16回国立大学法人情報系センター協議会総会と連続開催
  • 第47回 9月19日(木)〜20日(金)
    場所:広島大学東千田キャンパス
    発表件数:一般8件,招待講演1件(全体:一般18件)
    ※情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会およびオープンサイエンスと研究データマネジメント(RDM)研究グループと合同
  • 第48回 3月2日(木)~3日(金)
    場所:オンライン開催
    発表件数:一般11件(全体:一般30件)
    ※電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(IA)および技術と社会・倫理(SITE)研究会と連催およびオープンサイエンスと研究データマネジメント(RDM)研究グループと合同
 いずれの研究会においても,情報教育関連,インターネット運用技術,分散シ ステム運用技術,ネットワーク構築,セキュリティ,性能評価など,幅広いテーマで議論が行われた.第47回と第48回は新たにオープンサイエンスと研究データマネジメント(RDM)研究グループと合同での開催とした.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第12回インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2019)
    本シンポジウムは「運用管理する人"も"報われるシステムの構築を考える」というメインテーマのもと,12月5日(木)~6日(金)に沖縄産業支援センター(沖縄県那覇市)で開催された(後援:沖縄科学技術大学院大学,宜野座村,琉球大学工学部工学科知能情報コース,電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(IA)研究会,ACM SIGUCSS Tokyo Chapter).
    講演数は招待講演2件,一般講演(査読あり)14件,ポスターセッション13件(計27件)であった.一般講演は21件の論文の投稿があり,査読の結果14件を採択した.招待講演では,高村成道氏(ハートビーツ)に「運用技術者組織の設計と運用」と題し,これまでの運用技術の変遷やDevOps,SREといったパラダイムにも触れながら,運用技術者が快適にエンジニアリングを行うことを目的とした持続可能な運用組織づくりについて講演をいただいた.また土橋整氏(ドヴァ)には「沖縄を支えるネットワーク環境について」と題して沖縄県内のデータセンターを結ぶネットワーク構築の経験と今後の課題について講演していただいた.
    本シンポジウムでは大学生と大学院生による会場内ネットワークの構築と運用を行っており,このような形でネットワークを構築・運用することはネットワーク運用に興味のある学生にとって貴重な経験の機会となっている.企業展示も30社(フライヤー展示3社を含む)からの協賛を頂き,盛況であった.なお,IOTS2016で始めた企業による「冠賞」を継続し,3社から発表者に授賞された.
    シンポジウム参加者数は89名,懇親会参加者は161名であった.
    また,シンポジウム終了翌日に宜野座村ITオペレーションパーク見学会を催し,13名の参加者を得た.

  • 第18回情報科学技術フォーラム(FIT2019)
    本フォーラムは9月3日(水)~5日(金)に岡山大学で開催された.FIT2019では一般セッションの座長をIOT研究会運営委員にお願いした.

  • The 7th IEEE International Workshop on Architecture, Design, Deployment and Management of Networks & Applications (ADMNET2019)
    本ワークショップはIEEE Computer Societyが主催し本会が後援する国際会議COMPSAC2019の一部として7月15日(月)にアメリカ合衆国ミルウォーキー市で開催された.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2019)
    本シンポジウムは7月3日(水)~5日(金)に福島県磐梯熱海温泉 華の湯で本研究会を含む10研究会の共催により開催された.本研究会に関連したテーマで4つのセッションが開催された.

  • 第9回災害コミュニケーションシンポジウム
    本シンポジウムは, 12月26日(木)にキャンパスプラザ京都(京都市)において,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会および情報システムと社会環境(IS)研究会と共催し,災害時の情報共有や課題などについて情報交換を行った.講演は一般11件(基調講演4件を含む)であった.

  • 論文誌ジャーナルIOT特集号
    本特集号では前年末のインターネットと運用技術シンポジウム(IOTS)との連携を図っている.今回は「IoT活用のためのインターネットと運用技術」をテーマとした.13編の投稿があり,7編を採録した(採択率54%).本特集号では第1次判定において条件付採録とする場合には採録条件が明確になるよう査読報告書の記述を精査し,第2次判定で不採録となる論文ができるだけ少なくなるよう努力した.その結果,条件付採録7編すべてが第2次判定で採録となった.
3.総括
 IOT研究会では従来から優れた計算機・ネットワーク運用技術に関する研究を高く評価し,それらを論文化したり国際的に発表したりすることを推奨している.計算機やネットワーク運用上のベストプラクティスに関する研究発表に対する藤村記念ベストプラクティス賞(2015年度創設)を今年度も授賞し,ディジタルプラクティスへ推薦論文として投稿を促している.またIOT研究会元主査や幹事,運営委員が中心となって2014年度に設立したACM SIGUCCS東京支部も本研究会と連携して活動しており,このような研究活動をますます促進している.さらに第47回研究会からは,データマネジメントの重要性に鑑み毎年秋と春の研究会をオープンサイエンスと研究データマネジメント(RDM)研究グループとの合同での開催とすることとした.2020年度にもこれらの方針を継続しつつ,ジュニア会員を含む若年層やネットワーク運用現場のエンジニア等へのアピールも視野に入れて活動したい.
 また,第48回研究会は全国大会に先駆けてオンライン開催とし,発表者や運営委員,幹事諸氏を始め関係各方面からのご協力の下恙なく実施できた.これを機会に,会場での現地参加に限らず柔軟な形態での研究会参加を検討したいと考えている.

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◆セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会

[主査:寺田真敏,幹事:金岡 晃,坂本一仁,斯波万恵,毛利公一]

1.定例の研究会活動報告

 令和元年度は,第33回~第36回の研究発表会を開催ならびに企画した.

  • 第33回 2019(令和1)年05月09日(木)~05月10日(金) 東京農工大学小金井キャンパス(小金井市)
  • 第34回 2019(令和1)年07月23日(火)~07月24日(水) 高知工科大学永国寺キャンパス(高知市)
  • 第35回 2019(令和1)年09月19日(木)~09月20日(金) 広島大学東千田キャンパス(広島市)
  • 第36回 2020(令和2)年03月02日(月)~03月03日(火) 開催中止
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 令和元年度は,次のシンポジウム,論文誌ジャーナル特集号,研究会企画を実施した.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム(共催)
    2019(令和1)年07月03日(水)~07月05日(金) 福島県磐梯熱海温泉 華の湯(郡山市)
  • コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2019(共催)/ユーザブルセキュリティワークショップ(UWS)2019
    2019(令和1)年10月21日(月)~10月24日(木) ハウステンボス(佐世保市)
  • 第9回災害コミュニケーションシンポジウム(共催)
    2019(令和1)年12月26日(木) キャンパスプラザ京都(京都市)
  • 論文誌「ユーザブルセキュリティ」特集号
    2019年12月発行
  • ユーザブルセキュリティ・プライバシ(USP)論文読破会
    2019(令和1)年05月10日(金) 東京農工大学小金井キャンパス(小金井市)
    2019(令和1)年11月29日(金) 化学会館(千代田区神田駿河台)
  • UWS2019勉強会
    2019(令和1)年08月08日(木) 東京電機大学 北千住キャンパス(足立区北千住)
  • トラスト勉強会
    2019(令和1)年05月30日(木) (一社)高度ITアーキテクト育成協議会(AITAC)(千代田区大手町)
    2019(令和1)年08月08日(木) 東京電機大学 北千住キャンパス(足立区北千住)
  • ICSS/SPT合同オンライン研究会実験
    2020(令和2)年03月03日(火)
3.総括

 2019年度は,セキュリティ心理学とトラスト分野のさらなる活性化と新たな研究分野の立ち上げの試みとして,ユーザブルセキュリティ・プライバシ(USP)論文読破会,UWS勉強会,トラスト勉強会,ICSS/SPT合同オンライン研究会実験などの研究会独自の企画を積極的に推進した.

4.その他

 2020年度は,研究会独自の企画の開催に加えて,オンライン研究発表会への対応を進める.特に,研究会独自の企画については,オンライン会合を併用していくことで,セキュリティ心理学とトラストの普及発展に努めていく.引き続き,会員及び関係者の方々には積極的な論文投稿と参加をお願いしたい.

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◆コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会

[主査:森信一郎,幹事:神山 剛,齊藤義仰,杉村 博,高橋秀幸,花田雄一,樋口 毅,峰野博史]

1.定例の研究会活動報告

 第25-27回の研究発表会を開催した.

  • 第25回研究発表会 2019年5月30日-5月31日,岩手県立大学アイーナキャンパス 発表11件
    ・第26回研究発表会 2019年8月29-30日,葉山港管理事務所 発表23件
    ※共催:モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL)研究会
    第7回学生スマートフォンアプリコンテスト,優秀発表賞,学生奨励賞の表彰式を実施
    ・第27回研究発表会 2020年1月23〜24日,隠岐の島文化会館 発表42件(招待講演3件)
    ※共催:グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
 本年度は,計画に従い研究発表会を3回開催した.企業,大学からコンシューマ・デバイスとシステムに関する幅広い分野の発表があり,活発な議論が行われ盛況であった.また,第7回学生スマートフォンアプリコンテストを開催し,51チームの応募から書類審査を経て,17チームの学生(高専生,専門学校生,大学校生)がコンテストに参加し,コンテストは大盛況であった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム,2019年7月3日(水)~5日(金), 福島県磐梯熱海温泉 華の湯
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会,グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会,モバイルコンピュー ティングとユビキタス通信(MBL)研究会,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会,高度交通システム(ITS)研究会,ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会,インターネットと運用技術(IOT)研究会,セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会,デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

  • IEEE COMPSAC 2019: CDS 2019 (The 7th IEEE International COMPSAC Workshop on Consumer Devices and Systems held in conjunction with COMPSAC2019, 2018年7月15日-19日 Wisconsin, USA.

  • 情報処理学会論文誌:コンシューマ・デバイス&システムの発行状況
    Vol.9(2019), Vol.10(2020) 計25編
3.総括
 2019年度は,2018年度と同様に,様々な企業からの発表および参加があり,実際に運用が開始されたコンシューマシステム,実践的なコンシューマデバイスやサービスに関する発表と活発な議論が行われた.また,各研究発表会では,企業からの発表に加えて,学生による発表も年々増加している.
加えて,本年度で第7回目となる学生スマートフォンアプリコンテストも盛況に終わり,ジュニア会員の対象である高専生,専門学校生などの参加,参加した高専生によるジュニア会員への入会,さらには,ジュニア会員による研究発表会の発表へと繋がった.
2019年度において,情報処理学会論文誌 コンシューマ・デバイス&システム(CDSトランザクション)は,25編の論文を採択し掲載済み
である.2020年度は,新型コロナ感染拡大の状況を注視しつつ,安心安全なる運営を第一に,柔軟な対応を心がけていきたい.
4.その他
 2020年度は,引き続き従来の取り組みをさらに活性化させるとともに,企業および大学に加えて,学生会員・ジュニア会員をはじめとする若い世代の学生と学会をつなぐ架け橋としての役割を担うような新たな取り組みにもチャレンジしたい.
また,産学交流,技術者の相互情報交換の場の提供に加えて,研究発表会を通した地域活性化,さらなる学会会員数,研究会登録会員数,学生会員数,ジュニア会員数の増加につながるような取り組みを行い,本研究会の更なる活性化を目指す.

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◆デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会

[主査:水野慎士,幹事:楠 房子,林 洋人,三上浩司,義久智樹]

1.定例の研究会活動報告

 下記の研究会を開催した.

  • 第22回研究発表会
    2019年6月7日(金),8日(土),日間賀島 アイランドホテル浦島
    発表件数:6件
  • 第23回研究発表会(CGVI,CVIM共催)
    2019年11月7日(木)~8日(金),九州工業大学 百周年中村記念館
    発表件数:24件(DCC 10件)
  • 第24回研究発表会(DN,CDS共催)
    2018年1月23日(金),24日(土),隠岐島文化会館
    発表件数:42件(DCC 11件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 下記のシンポジウムおよび発表会を開催した.
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム
    2019年7月3日(水)~5日(金),福島県 磐梯熱海温泉 華の湯
    ※主催
    マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会
    グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会
    モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会
    コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会
    高度交通システム(ITS)研究会
    ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会
    インターネットと運用技術(IOT)研究会
    セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会
    コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会
    デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
     
  • DICOMO2019併設デジタルコンテンツ制作発表会
    2019年7月3日(水),福島県 磐梯熱海温泉 華の湯
    発表件数:8件 
     
  • インタラクション2020
    2020年3月9日(月)〜11日(水),オンライン
    ※主催
    ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会
    グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会
    ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会
    エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会
    デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会
     
  • 情報処理学会論文誌:デジタルコンテンツ(DCON)の発行
    13号 (Vol.7, No.2, Aug. 2019)
    14号 (Vol.8, No.1, Feb. 2020)
3.総括
 DCC研究会ではコンテンツ作品やその制作手法,関連技術,コンテンツビジネスなど,デジタルコンテンツに関する幅広い分野を包括しており,前年に引き続き研究発表会,シンポジウム,制作発表会などを通じて,様々な研究分野や業界の人たちとの交流を行った.第23回,24回研究発表会はそれぞれDCC研究会から10件ずつの発表があり,去年に引き続き近年の中では盛り上がった研究発表会となった.なお,インタラクション2020はコロナウイルスの影響でZoomで中継を行うオンライン開催となった.インタラクションはデモ発表が中心で実際に体験できないという大きな障壁があったが,各発表者はデモの中継方法の工夫や資料の修正などでオンラインに対応して,想像以上に盛り上がったシンポジウムとなった

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◆高齢社会デザイン(ASD)研究会

[主査:松浦 博,幹事:阿部明典,石川翔吾,岡田 誠,鏑木崇史,中澤篤志]

1.定例の研究会活動報告

 2019年度は第15-17回の研究発表会を計画した.

  • 第15回研究会はUBI研究会と8月26日(月)~27日(火)に豊橋技術科学大学にて共催した.生体や認知症患者に関する状況把握関連の発表として,マルチモーダル状況理解センシング,深層学習を用いた歩行速度推定,無呼吸状態推定システム,膀胱内蓄尿量モデル,加齢による発話への影響の音声情報による評価など8件あった.また,介護施設や街中のデータセンシング・管理についての発表が4件あった.招待講演として名古屋大学の間瀬健二教授による「ライフログを用いた医療介護におけるe-コーチング」,豊橋技術科学大学の寺嶋一彦副学長による「高齢化社会に向けての生活支援ロボットの開発 ー機械制御とAIの融合に向けてー」,豊橋技術科学大学の岡田美智男教授による「ソーシャルなロボットにむけた関係論的なアプローチ」など興味深い講演および実演があった.
  • 第16回研究会 は12月6日(金)にコクヨ東京ショールームで開催した.高齢者の食事形式とコミュニケーション行動の関係,認知症見立て,介護記録分析といった環境デザインに関する発表があった.招待講演では北里大学の大石智講師による「診療で感じる課題と情報学への期待ー医療介護を変えるために可視化したい情報とはー」があり,医学と情報学の関連について理解を深めることができた.
  • 第17回研究会は2月28日(金)京都工芸繊維大学にて,「認知症介護を支える情報通信技術」のテーマで開催予定であった.しかし,新型コロナウイルスの感染拡大の現状を鑑み現地開催は中止された.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 2020年度は実施なし.
3.総括
 第17回研究会では14件という単独開催では近年にない発表件数が予定されていた.初めての京都開催であって,若手を含めて交流の場を提供することができると考えていたが誌上発表となったことは極めて残念であった.発表予定の論文は2020年度最初の研究会を京都工芸繊維大学にて開催し,可能な限り口頭発表をしていただく予定である.
4.その他
 今後も感染症へのリスクがある中での研究会活動や,重大な感染症克服へのASD研究への取り組みを研究者に期待するとともに推進したい.

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メディア知能情報領域

◆自然言語処理(NL)研究会

[主査:関根 聡,幹事:木村泰知,進藤裕之,中澤敏明,西川 仁,桝井文人,横野 光]

1.定例の研究会活動報告

 第240~243回の研究発表会を開催した.自然言語処理の研究分野は深層学習の様々な応用が試みられており,特に若い方からその方面での研究発表が多数あった.一方,リソースや評価データーの構築の発表,実世界応用の研究開発報告の論文も散見され,自然言語処理技術の幅広い方向性が確認された.

  • 第235回(2016年5月)@東京大学本郷キャンパス
  • 第236回(2016年7月)@理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)
  • 第237回(2016年9月)@北見工業大学
  • 第238回(2016年12月)@早稲田大学西早稲田キャンパス
  • 第239回(2016年3月)@東京工業大学大岡山キャンパス
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 なし.
3.総括

 研究会の活性化を進めるために,(a)自然言語処理研究会優秀研究賞の授与,(b)若手研究者による招待講演の常設化を継続している.しかし,全発表の動画配信は幹事の準備の負荷に対してメリットが感じられないという印象を運営側として持っていた.特に第240回の遠野市民センターでの開催時には,インターネット環境が貧弱であったため動画配信をやめたが,特に研究会会員からの不満の意見が出てこなかったため,その後実施を取りやめて様子を見ることにした.現在まで,強い意見は聞かれていない.また,以前から引き続き,研究会のウェブサイトからの恒常的な情報発信を行っている.研究会は年4回開催した.第240回研究会から第243回研究会では通常の一般発表からなる研究会を開催し,61件の一般投稿を集め,4件の招待講演を行った.その中で特に小樽商科大学で行なった第241回では2日間の開催で28件の論文を集め大変好評であった.これは自然言語の若手研究者が大勢集まるYANSというイベントとの連続開催にした事が大きく影響したと考えられている.今後もこのような方式での開催を企画したいと考えている.

4.その他

 自然言語処理の研究分野では,自然言語処理学会の年次大会,YANSの会,NLCなど同じような研究会や学会があり,日程調整,論文集めに苦労している.ただし,特徴ある研究会となるような施策を講じていきたいと考えている.また,新型コロナウィルス感染症の蔓延で今後の開催に不安はあるが,オンライン開催などの手法を駆使し,自然言語処理の研究会としての貢献を続けていきたいと考えている.

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◆知能システム(ICS)研究会

[主査:川村秀憲,幹事:飯塚博幸,大知正直,清 雄一,福田直樹,横山想一郎]

1.定例の研究会活動報告
  • 第196回研究発表会では,実ビジネスにおけるAI技術の活用やAI技術を用いた産学連携の取り組みについて発表する場として,学術的な新規性だけでなく実応用という点についても重きを置き,特に言語処理システムに関連する社会応用またはそれにつなげる試みを共有する場を目指して「言語処理・知能システムの社会応用」をテーマとして設定し,2019年6月21日,22日に広島経済大学立町キャンパスにおいて研究会を開催した.特にこのテーマについて関連の深い電子情報通信学会言語理解とコミュニケーション研究会と共催した.一般セッションでは一般から募集した8件の発表(うち,知能システム研究会としては2件の発表),特別講演セッションでは報道分野におけるデータ活用とコンテンツ分野へのAI応用に関する2件の講演が行われた.さまざまな企業・大学からの発表があり,議論もさかんに行われた.これらの発表・講演から得られる知見は今後の人工知能の社会実装という大きな課題に向けてさまざまな示唆・知見を社会に共有し,有効に活用されると考えられる.
     
  • 第197回研究発表会では,AI技術のWeb/IoTへの適用,Web/IoTを知識源とする知識処理,Web/IoT上の新しい知能アプリケーションなど,Web/IoTとAIの多様な関わりに関する研究や分析事例について共有する場を提供するため,日本ソフトウェア科学会マルチエージェントと協調計算研究会(MACC研究会)と共同で2020年2月17日に研究会を開催した.Twitter等のWebデータ分析,無線センサ等のIoTデータ分析,機械学習やゲーム理論の応用等,Web/IoTとAIの融合領域に関する18件の発表を行った.学部生・大学院生や社会人の発表があり,基礎から応用まで幅広く活発な議論を行うことができたと考えられる.
     
  • 第198回の研究発表会は,2020年3月7日~10日に社会システムと情報技術研究ウィークの合同研究会として,北海道ルスツリゾートにて開催する予定であったが,残念ながら新型コロナウィルスの影響によって開催そのものが中止となった.
     
  • 第199回知能システム研究会を20202年3月23日~24日,Zoomを用いた遠隔開催により実施した.当初は静岡大学浜松キャンパスにて開催予定であったが,新型コロナウィルスにかかわる状況から遠隔開催に変更となった.遠隔開催は当初のプログラムの日程・時間帯どおりに実施され,全発表者が発表を行った.内容としては,昨年に引き続き,人間と機械の協働により新たな知を創出し,人・集団の知的活動の質向上の実現に貢献できる知能システムをテーマとして,創造的協働を実現する知能システムに関する研究やそれらを実際に行っている社会実装にも焦点を当て,これらに関わる研究者相互の知識・知見の交換や議論を促進する機会となるように募集・発表を行った.今年は合計12件の一般発表があり,基礎理論から応用実装技術・社会実装への試みなど,幅広い視座からの発表内容を集めた研究会となった.また,学部3年生といった若い世代からの発表や,社会科学を専門とする研究者や社会実装の実践の知見に基づいた研究報告があるなど,開催の主旨に沿った多様性のある参加者による活発な研究討論を行うことができたと考えられる.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年度は実施なし.

3.総括

 第3次人工知能ブーム,ディープラーニング研究の世界的潮流を受けて,知能システムをいかに作り上げるのかだけでなく,どういうことに応用できるのかといった社会応用,ビジネス展開も視野に入れた研究が多くなってきていると思う.そういう意味で,知能システム研究会への学術的,産業的な期待が大きくなってきていると感じる.発表全体では応用分野も多岐にわたり,研究会として幅広い興味と応用分野をカバーできていると感じる.
 しかし,2019年末からコロナウィルスの影響で研究会の中止や遠隔開催になり,研究分野の進捗にも影響が出てくる残念な事態となった.クラスター感染にならないように,2020年度の前半は状況を見ながらの運営になると思う.なんとか一致団結してこの事態を乗り越え,今後事態が収束したら再び参加者の研究発表の場として魅力的な研究会が開催できるよう,主査・幹事一同努力していきます.

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◆コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)研究会

[主査:長原 一,幹事:石川 博,岡部孝弘,川崎 洋,佐藤智和,橋本敦史,満上育久,米谷 竜]

1.定例の研究会活動報告

 第217~220回の通常の研究発表会を下記のように開催した.毎回100名前後の聴講者があり,熱心な討論が行われた.各研究発表会では,以下のようなテーマを設定し,オーガナイズドセッションを企画した.第211回については,新型コロナの影響で中止とした.

  • 2019年5月:卒論・D論セッション,第一次産業への応用
  • 2019年9月:医療・健康のためのCV/PR 技術(PRMU/MIと連催)
  • 2019年11月:ハレとケのCV/CG技術(CGVI/DCCと共催)
  • 2020年1月:クロス/マルチモーダル(MVEと連載,SIG-MRと共催)
  • 2020年3月:安全安心,セキュリティ・防災(PRMUと連催)【中止】
 通常の研究発表に加えて,積極的にテーマに沿った講演者も招待し,年間を通して計9件の特別講演を企画し,高評を博した.また希望者によるポスター形式の発表では,参加者の投票による奨励賞を設置しており,本年度も各研究会において1名,合計4名を表彰した.
5月の217回研究会では,若手研究者の育成を目的に,前年度に学部を卒業した方を対象とした「卒論セッション」及び,前年度に博士の学位を取得した若手研究者を対象とした「D論セッション」を開催した.卒論セッションでは29件,D論セッションでは2件の発表があった.卒論セッションでは,最優秀賞1件ならびに優秀賞3件の表彰を行い,若手研究者の奨励を積極的に行った.
 また,若手研究者は研究以外の業務が増え,自ら発表する機会が減っていると言える.本来研究会は,第一線の研究者である運営委員が,互いの研究について議論し切磋琢磨すべき場である.そのため本来の研究会の役割を取り戻すべく,コメント制度を用いて運営委員による議論の場を積極的に設けている.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 第22回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2019)を,7月29日~8月1日の4日間,グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)にて電子情報通信学会PRMU研究会と共催し,MIRU史上最多の1094名の参加者があった.近年のAIブームで機械学習・コンピュータビジョン分野の国際会議の参加者数が大幅に増加しており,MIRU2019でのこの参加者増は当初から見込まれていたことから,パラレルセッションを導入し,発表件数を増加させた.また,インタラクティブセッションでの議論を活性化させることを目的として,「お立ち台セッション」(お立ち台チェアがそれぞれのポスターを訪れ発表を聞き議論を行う)を企画した.さらに,近年のAI研究が実用化指向であることを鑑み,従来重視してきた新規性だけでなく,実装上の工夫が巧みなものや高度なノウハウに基づく論文の投稿を期待し,システム論文カテゴリを新設した.
 オーラル発表への論文投稿は116件あり,そこから55件(ロング26件,ショートが29件)を選定するとともに,例年人気を博しているトップカンファレンス採択者による招待講演を24件選出し,オーラルセッションを構成した.インタラクティブセッションは,上記口頭発表投稿からオーラルセッションに選定されなかった論文,および,一般論文から構成し,241件からなるポスター発表を3日間に分けて実施した.最終日以外のインタラクションセッションの時間には,並行して16件のデモ発表と31件の企業展示も行われた.
 オーラル発表の中からMIRU長尾賞1件,MIRU優秀賞1件,MIRU学生優秀賞2件,MIRUフロンティア賞1件を表彰した.また,インタラクティブ発表賞7件,デモセッション賞1件を表彰した.MIRU2016で新設されたMIRU学生奨励賞を15名に授与し,若手研究者を積極的に奨励した.また,論文の評価に際して貢献のあった5名に論文評価貢献賞を授与した.

3.総 括

 研究会発表に対するコメント制度,卒論・D論セッション,ポスターセッション・奨励賞,研究会推薦論文制度など,研究者育成の活動を重視してきた.コンピュータビジョン分野のトップカンファレンスに採択される日本人若手研究者の数は近年増加傾向にあり,本研究会の現在までの取り組みもその一因となっていると考えられる.一方,新型コロナの影響は2020年度も続くことから,オンライン開催など研究会の開催方法に関する検討が今後必要である.

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◆グラフィクスとCAD(CG)研究会

[主査:土橋宜典,幹事:今給黎隆,楽詠コウ,金森由博,竹島由里子,鶴野玲治]

1.定例の研究会活動報告
 第174-176回の研究発表会を開催した.
  • 第174回 テーマ:映像コンテンツ創作支援およびCG技術一般
    6月27日(木) 早稲田大学国際会議場井深大ホール
    発表件数 4件 (画像電子学会Visual Computing 2019との共催)
  • 第175回 テーマ:面白い研究で高みを目指せ研究会
    9月28日(土) 東京大学本郷キャンパス理学部7号館(地下)007号室
    発表件数 8件 招待講演1件
  • 第176回 テーマ:ハレとケの [CVIM, DCC研究会との合同開催]
    11月7,8日(水,木)九州工業大学百周年中村記念会館多目的ホール
    発表件数 22件(本研究会からの参加は 4件) 招待講演 2件
  • 第177回 テーマ:高品質コンテンツ制作およびCG
    新型コロナウィルス感染拡大を防止するため発表会は中止
    登録原稿 17件(招待講演原稿1件含む)
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2019
    6月27日~29日 早稲田大学国際会議場井深ホール
    発表件数 18件,ポスター発表 52件,招待発表 14件 特別講演 3件 総参加者 419名
    モデリング,レンダリング,画像合成,アニメーション,物理シミュレーションなど,多岐にわたる分野での研究が報告された.
3.総括

 残念ながら中止となったが関連企業との連携を図った177回研究会は多数の発表申し込をいただくことができた.研究会で発表された研究がトップカンファレンスへでの発表に発展しているものが多くみられ、本研究会がCG分野の活性化に貢献している.しかし,全般に発表件数は減少傾向にあり,活性化のための工夫が必要である.

4.その他

 今後も,企業関係者が参加しやすい発表形態や運営方式を維持および拡張する活動を継続させる. CVIM+DCC 研究会との合同開催も継続する計画であり,さらにはNICOGRAPH や EC 研究会との合同開催や併催に関しても,今後検討していく.

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◆コンピュータと教育(CE)研究会

[主査:兼宗 進,幹事:越智 徹,白井詩沙香,長瀧寛之,渡邉景子]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告

3.総括

4.その他

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◆人文科学とコンピュータ(CH)研究会

[主査:鹿内菜穂,幹事:河瀬彰宏,北﨑勇帆,後藤 真,山田太造]

1.定例の研究会活動報告
  • 第120回 2019年5月11日(土)@京都大学人文科学研究所 発表13件
    例年通り学生セッション(ポスター発表)を行い,6件のポスター発表の中から,運営委員の選考により1件の奨励賞を授与した.
    また,本研究会は2019年に設立30周年を迎え,記念事業として情報処理学会第82回全国大会でのイベントを企画し,その準備として企画セッション「CH研究会
    30周年記念事業第4
    回準備会「『人文科学とコンピュータ分野』における研究資源と情報技術を考える」を行った.本研究会で対象とされてきた人文・芸術等の研究におけるデータおよび方法論について情報交換し,本研究会の特徴と将来の方向性について議論した.
  • 第121回 2019年8月1日(木)@慶應義塾大学日吉キャンパス 発表13件
    一般口頭発表10件のほか,企画セッション「デジタルアーカイブ構築をとりまく最前線」を行い,デジタルデータの利活用やデジタルアーカイブ事業等について4
    件の発表がなされ,活発に討論された.
  • 第122回 2020年2月1日(土) @佐賀大学本庄キャンパス 発表8件
    一般口頭発表8
    件のほか,佐賀大学,佐賀大学地域学歴史文化研究センター,国立歴史民俗博物館「総合資料学の創成」事業研究会との共催で,企画セッション「地域資料を世界へ-史資料のウェブ公開とオープンデータ化」を行った.地域歴史資料,オープンデータ,佐賀に関するプロジェクト等について
    6件の報告がなされた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第21回人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2019)
    日程:2019年12月14日(土)-15日(日)
    場所:立命館大学大阪いばらきキャンパス
    主催:情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会
    共催:立命館大学アート・リサーチセンター,日本学術会議総合工学委員会科学的知見の創出に資する可視化分科会
    実行委員長:前田亮(立命館大学)
    プログラム委員長:村井源(はこだて未来大学)
    テーマを「デジタルアーカイブの新たな挑戦-人文・芸術・文化資源の活用と創生」とし,14日は国立歴史民俗博物館による企画セッション「『若手研究者』によるCH/人文情報学」,15日には日本学術会議総合工学委員会・科学的知見の創出に資する可視化分科会による公開シンポジウム「科学的知見の創出に資する可視化:新しい文理融合研究を創出する可視化」を開催した.参加者は178名,全体で48件の発表(口頭発表26件,ポスター発表13件,デモ発表9件)があった.発表の中から最優秀論文賞1件,ベストポスター賞2件,学生奨励賞2件を選考し表彰した.
3.総括

 研究会発表会では企画セッションを常設し,他団体との共催を積極的に計った.昨年度と同様に研究会より表彰も行った.シンポジウム含む発表数は計82件であり,昨年度に比べて減少した.しかし,各会の参加者数や会員数はやや増加傾向にある.
 今年度は大学院生による発表のほか,大学生による発表や高校生の聴講もみられ,学生を中心とする若手研究者の参加が活発であった.また,共催団体の支援により,第122回研究会では初めてインターネット配信(企画セッションのみ)を試みた.特に大きなトラブルはなく,現地では75名が参加された一方で,インターネット上では42名が視聴された.今後どのように運営するかについては,継続して検討を行う.
 また,今年度は研究会設立30周年であった.4年前から準備を続け,30周年記念事業として目指してきた情報処理学会第82回全国大会におけるイベント「はじめての人文情報学:情報技術で文化資料の分析に挑戦しよう!」は現地開催が叶わなかった.イベントの趣旨であった,研究シーズ発掘中の(特に若手)研究者を対象とした人文情報学に関する情報提供の機会は,今後の研究会で検討予定である.

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◆音楽情報科学(MUS)研究会

[主査:中野倫靖,幹事:糸山克寿,竹川佳成,深山 覚,松原正樹,森勢将雅]

1.定例の研究会活動報告

 2019年度は,第123~126回研究発表会の研究会を開催した.第123回研究会については,2.で述べる.

  • 2019年8月27~28日に静岡文化芸術大学で開催された第124回研究会「夏のシンポジウム2019」で国際会議既発表セッション(国際会議で発表済みの論文を日本語で紹介)を導入した.登壇発表・デモセッション・国際会議既発表セッションを合わせて25件の発表があり,音楽分析・音楽生成・歌唱分析・楽器・音源分離に関する研究が発表された.また関連国際会議の参加報告を企画した.
  • 第125回研究会は11月19日に駒澤大学にて開催し,萌芽・デモ・議論セッション(十分な結果は出ていない研究から,MUS未発表の進んだ完成度の高い研究を発表)を導入した.音楽音響信号処理や自動採譜,楽曲分析・生成に関する一般発表5件,国際会議既発表セッション3件,萌芽・デモ・議論セッション5件,国際会議参加報告5件となり多様な観点からの発表を伴う充実した研究会となった.
  • 第126回研究会は,2020年2月17~18日に東京工業大学にて開催した.音楽の分析と合成・可視化・データベース・支援・歌声・モデル化に関する13件の一般発表と国際会議既発表セッション1件,萌芽・デモ・議論セッション17件の発表があり,盛況であった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年6月22~23日に京都大学で開催された第123回研究会「音学シンポジウム2019」では,音に関係するあらゆる研究分野が対象とされており,今年で7回目の開催となった.音声翻訳・音場可視化・海洋・放送・心理・音声合成に関する招待講演6件とチュートリアル4件の登壇発表に加えて,57件の一般講演はポスター形式にて発表が行われた.深層学習を用いた信号処理から,人間の知覚・心理の調査やインタラクティブシステムの開発まで音と人にかかわる領域全体に関する発表が行われた.参加者はMUS以外の研究会からも多数を集めて150名を超え,活発な議論が行われて非常に盛況であった.

3.総括

 2019年度は,都内開催が2回,地方開催が2回(京都府・静岡県)であり,幅広い聴衆を集めることができた.また,今年度から国際会議既発表セッションを導入して最先端の研究の発表の場を設けたことに加え,これまで夏のシンポジウムでのみ開催していたデモセッションを萌芽・デモ・議論セッションとして拡張して毎回開催することで,国内研究会への参加の意義やモチベーションを高めることを狙った.

4.その他

 他分野との交流を継続的に行うとともに,第一線の研究者による招待講演や国際会議既発表の報告から,萌芽的な発表まで幅広く発表できる場を用意することに価値があると考えている.

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◆音声言語情報処理(SLP)研究会

[主査:西村雅史,幹事:秋田祐哉,塩田さやか,太刀岡勇気,俵 直弘 直弘]

1.定例の研究会活動報告

 第127-131回研究発表会を開催した.

  • 第127回(6月 京都大学,吉田キャンパス):SIG-MUSと音学シンポジウム2019を共催した.一般発表のポスターセッションに加え,6件の招待講演,4件のチュートリアル講演を実施したが,うち,SLPからは中村哲先生(奈良先端科学技術大学院大)をお招きし,“自動音声翻訳から自動音声通訳へ“と題して講演いただいた.また,ポスター発表に対して,「優秀賞」「学生奨励賞」を選定・授与した.
  • 第128回(7月 新潟県月岡温泉,風鈴屋):1泊2日の日程で,信学会SP研究会と同時並列開催した.招待講演には,著作権法に詳しい弁護士の竹内亮先生をお招きし,“音声研究者のための著作権法”と題して新しい著作権法の変更点,注意点について解説いただいた.また,恒例の企画として,国際会議ICASSP2018の参加報告会も実施した.
  • 第129回(10月 キャンパスプラザ京都):音声言語処理技術の実用化に重点を置いたデベロッパーズ・フォーラムを実施した.招待講演には川口洋平様(日立製作所)と春原政浩様(リオン株式会社)をお招きし,それぞれ“DCASE 2018 Challenge Task 5での日立のプラクティスとその後の取り組みである機械異常音検知向けデータMIMII Dataset構築”および“補聴器の小型化を支える信号処理技術”と題して講演をいただいた.また,岡本 拓磨様(情報通信研究機構)には“音声波形直接生成モデル「ニューラルボコーダ」の比較”と題したチュートリアル講演を実施いただいた.
  • 第130回(12月 NHK放送技術研究所):信学会SP研究会との連催で「第21回音声言語シンポジウム」を,「多様化・深化・融合する音声言語処理の現状と未来」をテーマとして開催した.一般講演,学生ポスターセッションに加え3件の招待講演を実施したが,SLPからは松山洋一先生(早稲田大)と亀岡弘和様(NTT)をお招きし,それぞれ,“社会的知能を有する会話AIメディアの実現に向かって”および,“画像変換/系列変換アプローチを用いた音声変換”と題して講演いただいた.また,ポスター発表に対して「学生ポスター賞」を選定し,授与した.
  • 第131回(2月 加賀・片山津温泉,佳水郷):1泊2日の日程で実施した.柴田知秀様(ヤフー株)には“転移学習による自然言語処理の進展”と題して,また,小磯花絵先生(国立国語研究所)には”『日本語日常会話コーパス』の設計と研究の可能性“と題してそれぞれ招待講演をお願いした.この他,INTERSPEECH2019の参加報告会,国際会議既発表セッションなども実施した.また,2019年1月から12月の学生の全研究発表の中から3件の研究を選定し,「企業賞」を授与した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年度は実施なし.

3.総括

 本研究会では一昨年度から企業スポンサーを募っており,本年度も5社から支援をいただいた.研究会webにロゴを掲載し,研究発表の合間にロゴを投影するなどの配慮をしている.この支援を活用して著名な研究者に招待講演を依頼したり,参加者の集まりやすい講演会場を手配したりしている.なお,本年度はダイヤモンドレベル企業スポンサーそれぞれの名を冠した「企業賞」を計3名の学生に授与することができた.来年度以降も企業との繋がりを強く意識して分野としての拡大と活性化を図っていきたい.
 また,本研究会では各発表をネット配信して研究会に参加できなかった登録者への便宜を図っている.これまでは学会の機材等を用いてニコニコ動画による配信を行っていたが,作業の簡便化を主な目的として本年度から配信先をYouTubeに変更した.特に問題は生じていないため,来年度以降もしばらくはこの方法で配信を続ける予定である.

4.その他

 研究分野の活性化と,時代に合わせた変革の実施を念頭に,電子情報通信学会音声研究会との連携を一層強化する方向での検討を進めている.

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◆電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会

[主査:原田要之助,幹事:折田明子,小向太郎,橋本誠志,湯田恵美,吉見憲二]

1.定例の研究会活動報告

 第84-87回の研究発表会を開催した.

  • 第84回研究会は信学会SITE研究会との連催で実施され,個人情報保護法制に関する研究では,GDPRにおける学術目的例外規定の分析や各国の個人情報保護における遺伝子情報の扱いとMPEG遺伝子符号化のセキュリティAPIのような技術面の検討に関する研究などが報告された.プラットフォーム関係ではEUにおけるオンラインプラットフォームサービス規制の日本への示唆,知的財産権関係については,EU新著作権指令の影響やゲーム理論による海賊版業者の戦略の分析などが議論された.また,社会基盤関係では金融機関のサイバーセキュリティ,ガバナンス関係では企業のM&AにおけるITガバナンスやアメリカにおける選挙とサイバーセキュリティに関する研究などがバランスよく報告された.招待講演では「いわゆるマイニングスクリプトと不正指令電磁的記録に関する罪〜コインハイブ事件の論点と課題〜」が議論された.
  • 第85回研究会はDPS研究会と合同で開催された.医療と情報分野では「心拍および身体加速度信号による個人識別と推定可能性」に加え,「ホルター心電計の内蔵加速度センサを用いた活動推定の改良と個人情報保護に関する考察」が報告された.個人情報分野では個人情報の利用目的のシステム実装,カリフォルニア州消費者プライバシー法施行前改正の現状と展望などの制度面での最新動向の他,災害における名簿の取扱いの問題について,倉敷市真備地区の事例が取り上げられた.その他ではペーパレス社会における学会の破産と知的成果のサステナビリティに関する考察が行われた.企画セッションではDPS研究会からもパネリストを迎え,IT社会に適した社会基盤のあり方が議論された.
  • 第86回研究会では,企業の民法改正対応への取組み状況の分析や日本政府におけるデジタル・ガバメント推進に係る標準ガイドライン群のあり方が代表的な報告として挙げられる.
  • 第87回研究会ではデジタルプラットフォームで販売された製品に起因する事故のデジタルプラットフォーマーの責任や仮想通貨(暗号資産)規制の現状と課題,神奈川県庁HDD事件の発生時期直後の開催であったことから,情報資産の廃棄問題に関するセキュリティ上の課題や倒産手続における情報資産の合法性と破産管財人の責任など重要な報告が行われ,招待講演では,「次世代医療基盤法を支えるEHR」が取り上げられた.また,2019年9月に開催された「情報学の次世代検討会」について,参加報告と一般参加者と共にEIPの今後の方向性について議論を行った.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年度は実施なし.

3.総括

 2019年度は第82回全国大会における「サイバー事件回顧録」の企画イベントが現地開催の中止に伴い,開催できなかったが,情報技術と制度の境界領域における先端的な領域に関する議論が多くなされ,EIPで報告された予稿を含む著書が複数出版されるなど研究面で大きな進展を見た.また,「情報学の次世代検討会」など他の研究会との関連の中でのEIPの位置づけなどがクローズアップされ,学会からの期待と使命の大きさも実感する年度となった.

4.その他

 2020年度も2019年度に引き続いて,研究面では情報技術と社会制度的側面の境界領域における先端的領域を切り開く活動に努めたい.定例の研究発表会は4回の開催を計画しているが,他研究会との交流も積極的に進めて行きたいと考えている.2020年度は従来のSITE研究会,DPS研究会との合同に加え,新たにCSEC研究会との合同開催実施が決定している(SPT研究会との3研究会合同開催).また,2020年度は論文誌ジャーナル編集委員の推薦を新規に行い,EIPの研究を論文誌ジャーナルに安定的にフィードバックする仕組み作りも行ってゆく.
 発表数については,2019年度は単独開催が2回となったため,発表数の総計と技術面からの研究がやや減少した.情報学の次世代検討会でもEIPの活動内容を技術研究ベースの研究会や会員にどうフィードバックし,参加増に結びつけて行くかが議論となったが,この問題は,EIP87でも一般参加者からの意見を聞く機会を設けたほか,運営委員会でも議論している.また, EIPのプレゼンスの向上と研究会の安定運営のための人材発掘は運営上の課題となっている.

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◆ゲーム情報学(GI)研究会

[主査:鶴岡慶雅,幹事:池田 心,但馬康宏, 横山大作,美添一樹]

1.定例の研究会活動報告
  • 第42回研究会は2019年7月19日(金),30日(土)に札幌市の北海道大学において開催し,12件の発表を集めた.発表内容は,ボードゲーム,連鎖型パズルゲーム,デジタルカーリング,コミュニケーションゲーム,コンピュータ将棋などと多岐に渡り,興味深い研究会となった.
  • 第43回研究会は,2020年3月13日(金),14日(土)の2日間,新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、当初の予定を変更して、オンラインで開催した.当初発表予定であった28件のうち19件がオンラインで発表された.発表の内容は,ゲームの上達支援,強いゲームAI,楽しませるゲームAI,ボードゲーム,ゲームとモデル,コンテンツ生成など,多様な目的に対して様々な研究が見られた.3月14日(土),15日(日)には,Game AI Tournament もオンラインで開催され,多くの参加者を集めた.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 本研究会主催の第24回ゲームプログラミングワークショップ(GPW2019)を2019年11月8日(金)-10日(日)の3日間の日程で箱根セミナーハウスにおいて開催した.今回で第24回目の開催となる本ワークショップでは,発表・参加申込ともに例年より多く,19件の口頭発表,22件のポスター発表があり80名以上の参加者による活発な質疑・議論が行われた.将棋・囲碁の他,近年の傾向としてビデオゲームも含む様々な不完全情報ゲームなどの発表も多く,多種のゲーム・パズルに関する様々な観点からの研究発表があった.これらの最新の研究についての熱心な討論や情報交換が行われ非常に有意義であった.またポスターセッションも例年通り実施し,フラッシュトークや参加者の投票によるベストポスター賞の選定も行った.
3.総括

 本研究会は発足後21年が経過し,この分野の発表の機会を与えるものとして十分 に定着してきたと言える.発表の内容を見ると,パズルや将棋,囲碁などの伝統的なゲームに加え不完全情報ゲームである大貧民,麻雀などのゲームやカーリングなどのような不確定ゲーム,更には,ビデオゲームや戦略シミュレーションから人狼まで,ゲームの種類は多岐にわたる.また技術的には,ニューラルネットワークを用いた強化学習など,深層学習の流れを受けた手法の研究が進んでいる.これらの研究テーマは,ゲームだけにとどまらず,これからの情報処理技術にとって,重要な貢献を果たす技術も多く含まれており,さらなる発展が期待される.

4.その他

 平成26年度から,若手の研究者のモティベーションの向上のために,若手奨励賞を新設し,徐々に浸透している.2016年度末から,学生運営委員を新設し,若手研究者の参入を増やす試みも行うことにしている.来年度も,今年度同様,年2回の研究会,及び,GPWの開催を行っていく予定である.

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◆エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会

[主査:井村誠孝,幹事:棟方 渚,山本豪志朗]

1.定例の研究会活動報告

 第52-55回の研究発表会を開催した.

  • 第52回 2019年6月10日(月)-11日(火) 東京大学 山上会館 (東京都文京区)
    ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会と合同,日本バーチャルリアリティ学会,ヒューマンインタフェース学会デバイスメディア指向ユーザインタフェース研究会(SIGDeMO),映像情報メディア学会ヒューマンインフォメーション研究会(ITE-HI),同スポーツ情報処理時限研究会(SIP)と共催,電子情報通信学会メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎研究会(MVE)と連催で,人工現実感,エンタテインメント,メディアエクスペリエンスおよび一般をテーマに研究会を開催した.全体で21件の発表があった.
  • 第53回 2019年8月20日(火)-21日(水) 情報科学芸術大学院大学 (岐阜県大垣市)
    研究と分野の方向を考えるメタ研究会として開催した.2件のメタ発表と有志の発表に加えて,アンカンファレンス形式での議論と討論,2050年のEC研究をテーマとしたブレインストーミングなどを行った.
  • 第54回 2019年12月13日(金) 奈良先端科学技術大学院大学 (奈良県生駒市)
    通常の研究発表・萌芽的研究発表・デモ発表を実施した.11件の発表と10件のデモ発表があった.
  • 第55回 2020年3月18日(水)-19日(木) 首都大学東京 日野キャンパス (東京都日野市)→新型コロナウイルスの状況を鑑みて中止
    招待講演として株式会社no new folk studio
    CTOの金井隆晴氏をお招きし,27件の発表と15件のデモ発表を行う予定であったが,新型コロナウイルスの国内感染状況を鑑みて中止となった.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • エンタテインメントコンピューティング2019(主催)
    2019年9月20日(金)-22日(日)に,福岡県福岡市の九州大学芸術工学部(大橋キャンパス)にて,九州大学の松隈先生を実行委員長として開催され,211名の参加者があった.招待講演では,20日に映像企画制作会社のモンブラン・ピクチャーズから吉田真也氏(テクニカルディレクター、プログラマー)、猪口大樹氏(映像ディレクター)にご講演いただいた.通常口頭発表は68件、デモ発表は73件(口頭発表との重複を含む)が実施され,いずれも活発な議論が行われていた.またEC研究を適正に評価する取り組みであるQualificationを昨年にひきつづいて実施し,1件の研究の有用性が認定された.なお台風の接近により22日は午前のみとなり,午後に予定されていた招待講演1件が中止となった.
  • インタラクション2020(共催)
    2020年3月9日(月)-3月11日(水)に,新型コロナウイルスの状況を鑑みて,全面オンライン開催された.登壇発表20件,インタラクティブ発表225件(デモ168件,ポスター57件)がなされた.基調講演ではエンハンス代表取締役の水口哲也氏から「共感覚的インタラクションの時代に向けて」と題するご講演をいただいた.
3.総括

 本年度は天候および社会状況によって影響を受けたイベントが多くあった.新型コロナウイルスの影響により,これまでにない生活形態が否応なく求められる中で,エンタテインメントの位置付けを改めて検討していく必要があろう.

4.その他
 昨年度のECシンポジウム(EC2018)で実施したQualificationにより有用性の認定を受けた研究が,情報処理学会論文誌特集号に採録となった.引き続きQualificationと特集号の連携を進めるとともに,Qualificationの枠組みを他研究会・他学会にも展開していく予定である.

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◆バイオ情報学(BIO)研究会

[主査:倉田博之,幹事:伊藤公人,田口善弘,吉本潤一郎]

1.定例の研究会活動報告

 第58-61回の研究発表会を開催した.

  • 第58回:6月17日〜19日,沖縄科学技術大学院大学(OIST)
    数理モデルと問題解決(MPS)研究会との共催.電子情報通信学会ニューロコンピューティング(NC)研究会および情報論的学習理論と機械学習(IBISML)研究会との連催.
    総発表件数62件(うちBIOより16件).
    特別企画シンポジウム: 「ニューロインフォマティクス研究のこれまでとこれから」を開催(宮川剛(藤田医科大学),本多武尊(東京都医学総合研究所),浅井義之 (山口大学)による招待講演とパネルディスカッション).
  • 第59 回:9月8日,東京工業大学 大岡山キャンパス, 日本バイオインフォマティクス学会 2019年年会第8回生命医薬情報学連合大会(IIBMP2019)と連続開催
    発表件数5件.
  • 第60回:@12月2日,博多駅南BMT貸会議室
    発表件数7件.
  • 第61回:3月12日〜13日, 北陸先端科学技術大学院大学
    人工知能学会SIG-MBI研究会,オープンバイオ研究会との連続開催.
    総発表件数13件(うちBIOより13件).
2.シンポジウム・国際会議等の報告

  2019年度は主催行事の実施なし.
  「バイオインフォマティクス技術者認定試験」を協賛.

3.総括

 2019年度は,沖縄,東京,福岡,石川の4箇所で研究発表会を実施し,開催地に縁のある担当運営委員によって適切な運営が行われた.関連研究会や学会との共催や併催を積極的に進めた結果,全体では87件(うちBIOより41件)の研究発表が行われた.第61回は,新型コロナウイルスの影響で,現地に来れない発表者(9名)のために,Zoomによるオンライン発表を試みた.関係者の努力の結果,円滑にオンライン研究会を実施できた.

4.その他

 2020年度は,年4回の研究発表会を計画している.第62回は,引き続きMPSとの共催,NCとIBISMLとの連催で,6月17日〜19日にOISTで開催する.第63回は,9月頃に日本バイオインフォマティクス学会 2019年年会と連続開催予定である.第64回は,12月ごろ東北大学で,第65回は,3月頃に北陸先端科学技術大学院大学で,それぞれ開催を予定している.

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◆教育学習支援情報システム(CLE)研究会

[主査:主査:緒方広明,幹事:重田勝介,関谷貴之,永井孝幸,松浦健二]

1.定例の研究会活動報告

 2019年度は,第28,29回の研究発表会を開催した.

  • 第28回は6月1日に岩手県立大学アイーナキャンパスで開催し,募集テーマ「eラーニングおよび一般」に関連する5件の発表があった.
  • 第29回は11月15~17日に広島大学 情報メディア教育研究センターにおいて,コンピュータと教育(CE)研究会と合同で開催し,募集テーマ「教育機関等におけるクラウドサービス利用および一般」に関連する24件の発表があった

 なお,第30回は3月8~10日に神戸大学において,神戸大学情報基盤センターと共催で開催して,募集テーマ「ラーニング・アナリティクス(LA)および一般」に関連する24件の発表を行う予定であったが,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から開催を中止した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年度の情報教育シンポジウムSSS2019(Summer Symposium in Sasara 2019)は,8月17日から19日にかけて大阪電気通信大学 寝屋川キャンパスで開催された.本シンポジウムは「コンピュータと教育」研究会との共同開催である.初等教育から大学における情報教育を中心に,ICT に関する能力評価の方法やプログラミング学習環境など,各種の教育学習支援情報システムに関する研究,実践,開発の報告が行われた.また「教育現場における先端技術や教育ビッグデータの利活用について」と「2020年度からの小学校プログラミング教育に向けて」というタイトルで,初等教育における ICT 教育に関する2件の招待講演があった.

3.総括

 本研究会では,教育学習活動を支援する情報システムに関する研究開発及び実践に関する発表が15年間に渡り行われてきた(平成17年度から始まった研究グループ時代を含む).その間,教育現場を支える各種のシステムが登場し,とりわけ学習支援システムLMS(Learning Management System)やコース管理システムCMS(Course Management System),ポートフォリオシステムがその中心となり,本研究会でも多数の発表が行われてきた.一方で,教育,学習に関する学生情報システムSIS(Student Information System)とのデータ連携や,教育・学習活動のプロセスのデータが日々蓄積されるスタディログに関する研究も近年活性化している.ラーニングアナリティクスは,学習のログに加えて,成績・アンケートなどの教育機関が保有する様々なデータを統合・利活用して,教育・学習活動の改善に資する情報を教育現場にフィードバックする目的を主なものとして,本研究会でも主要テーマとなりつつある.研究と実践が密接に連携しており,本研究会のコミュニティにおいては極めて重要である.近年は,LAK(Learning Analytics and Knowledge)など,ラーニングアナリティクスに関連する国際会議も活発になっておきており,本研究会での議論や交流を通じて,研究成果が国内外で数多く発表されることを期待する.また,このような研究やその実践が,エビデンスに基づく教育の実現にむけて,本研究会の成果として知見の蓄積がなされるよう,引き続き牽引役として取り組みたい.

4.その他

 今後の研究活動については,引き続きCLE研究分野の研究をさらに推進する.特に,遠隔授業や遠隔教育等を支える環境に関する研究は実践的な知見も新たに蓄積されるものと思われ,そのデータ分析やその結果のフィードバック,予測等の研究にも研究会として取り組んでいく予定である.また,CLE30の中止に伴う代替発表も受け入れ,今後のオンライン研究会開催等の情報発信についても務める.

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◆アクセシビリティ(AAC)研究会

[主査:澤田秀之,幹事:大島千佳,小林正朋,杉原太郎]

1.定例の研究会活動報告
 2019年8月23~24日,12月13~14日にそれぞれ第10回,第11回研究会を開催した.それぞれの回の参加人数は,共に58人,ライブ動画視聴者数は143,74(研究会終了時点),障がい者の参加人数については表1に示す通りである.また,第12回研究会を電子情報通信学会福祉情報工学研究会WITとの連催で,2020年3月13~15日に予定していたが,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,開催を中止とした.本回への投稿論文については,予稿集への掲載をもって既発表扱いとするが,希望者に対して2020年度に開催される研究会における発表を優先的に認めることとした.
表1 参加人数(延数)
研究会 参加人数 動画視聴数 聴覚障害者
(発表者)
視覚障碍者
(発表者)
盲導犬
10 58 143 3(1) 4(2) 0
11 58 74 3(1) 4(2) 0

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年度は実施なし.

3.総括

 これまで通りに研究会登録や会員増を狙いつつ,研究会としての基盤を整えることを行った.特にこれまではNII(国立情報学研究所)および首都大学東京秋葉原キャンパスを状況に応じて研究会開催場所としてきたが,持続可能な研究会運営を目指し,早稲田大学理工学術院の西早稲田キャンパスで2回の研究発表会を開催した.次年度も,早稲田大学での開催を計画している.また,昨年度から継続している本研究会の大きな特色とする「当事者参加」と「実験の場としての研究会」に関する取り組みも継続して行い,下記のような取り組みと成果を得た.

  • 当事者参加を促進する
    - 各研究会で7名の当事者参加があり,うちのべ6名が研究発表をおこなった
  • 研究会を研究の実験の場とする
    - 全日程,ほとんどの発表においてインターネット中継を実施
    - 全ての発表に情報保障(字幕,手話通訳)を実施
    - 第11回で「災害時に障がい者を安全に導く情報技術 ~視覚・聴覚障がい当事者からの提議~」のタイトルで,パネルディスカッション・ワークショップ連動の企画を実施した
 昨年度同様に,情報処理学会から字幕情報保障費用の支援を頂き,更に運営委員による音声認識システムを使った字幕情報保障を行った.また,最寄駅と会場間や会場内でのガイドヘルプを行うことで多くの当事者に参加して頂けた.聴覚障害に関する発表に対して視覚障がい者からの質疑やその逆もあり,障害を持つ方もそうでない方もお互いの研究に対する興味を喚起できたのではないかと思う.
 パネルディスカッション・ワークショップ連動企画では,視覚・聴覚障がい者の当事者がパネリストとして登壇し,災害時の経験や不安なこと,支援してほしいことなどについて健常者を交えて議論をおこなった.引き続いて,会場の参加者とともにグループディスカッションを行い,視覚または聴覚障がい者の災害対策に有用なシステムのアイデアを出し合った.最後に,各グループのアイデアについて再度視覚・聴覚障がい当事者とともに議論することで,有用な情報技術がどのようなものであるかを明らかにしていった.本企画では,非常に活発な議論や提案があり,AAC研究会ならではの成果が得られたと言える.また本企画は,2019年度のIBM賞を受賞し.
4.その他

 2018年度に続き財政的なひっ迫があった.今後も,研究会そのものをより活発にして存在を多くの人に知ってもらい,登録員数増加は勿論,企業協賛,助成金獲得に継続して努める必要がある.情報処理学会や企業・大学からの補助や提供が続くことが約束されていない状況で,アクセシビリティ研究会の自助努力で情報保障をはじめとする障がい者支援を続けることには大きな不安がある.障がい者差別解消法は遍く浸透しているとは未だ言えない状況である.AACのみならず情報処理学会はその意味を理解し,先んじた対応をしていくことで,情報処理技術によりアクセシビリティに貢献する研究を推進していると広く認めてもらえるように活動を続けていく.
http://ipsj-aac.org

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◇ネットワーク生態学(NE)研究グループ

[主査:鳥海不二夫,幹事:今井哲郎,臼井翔平,小島一浩,田中 敦,伏見卓恭,松林達史,守田 智]

1.定例の研究会活動報告
 第16回の研究発表会
 日時:2020年3月2日(月)-3日(火)
 場所: 静岡県 舘山寺サゴーロイヤルホテル
 ※新型コロナウィルスの影響で延期となった
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 ネットワークが創発する知能研究会+ネットワーク生態学グループ 合同研究会
 日時:2018年8月7日(火)~9日(水)
 場所: 大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪
 招待講演:4件

3.総括

 3月に研究会を予定していたが,新型コロナウィルスの影響で延期となった.現在のところ,パンデミックが収まり次第2020年夏ごろに開催予定である.

4.その他

 2020年度は夏にシンポジウムを開催予定である.また,ネットワーク科学セミナーと連携し,2020年度にコラボ企画を開催するべく議論を行っている.

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◇会員の力を社会につなげる(SSR)研究グループ

[主査:筧 捷彦,幹事:寺田真敏,中山泰一]

1.定例の研究会活動報告
 2011年12月27日に公開された『情報処理学会教育ビジョン2011』に記載されている,「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」を実践する場として,2012年度より研究会グループとして活動を開始した.
 2019年度は,次の2つの会合を主催した.
  • 会合名:第8回 東大での『一般情報教育』を体験しよう
    日時:2019(令和1)年08月01日(木)~08月02日(金)
    場所:東京大学駒場キャンパス情報教育棟
  • 会合名:第8回 情報科教員を目指す学生さんに向けてのガイダンス会
    日時:2019(令和1)年09月29日(日)
    場所:電気通信大学
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019(令和1)年10月26日(土),早稲田大学西早稲田キャンパスにおいて開催された,高校教科「情報」シンポジウム2019秋に共催組織として参画した.

3.総括

 情報科教員を目指す学生さんに向けてのガイダンス会は,高校の先生と大学の先生のコミュニティを活用して,複数大学間にまたがって,情報科の先生になりたい学生さんを応援しようという思いを形にしたものである.2019年度は,学生9名,高校教員12名,大学職員等10名を含む計31名の参加となった.2020年は10月4日(日)を予定している.
 研究グループの活動も8年目となり,主催イベントは定着化したことから,新たな取り組みへの着手や関東以外の地域とのコミュニケーションなどの協働の場の整備を、オンライン会合を併用していくことで普及発展に努めていく.引き続き,関係者の方々には積極的な参加をお願いしたい.今後も,様々な声を拾い上げながら,課題をひとつずつ解決していくことで,「教育に携わる諸部門とのさまざまな形での協働の推進に努めます」を実践していく.

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◇情報処理に関する法的問題(LIP)研究グループ

[主査:高岡詠子,幹事:市毛由美子,中山泰一,登 大遊]

1.定例の研究会活動報告
 2015年9月に立ち上げた「情報処理に関する新たなルール作り」に関する研究グループは,設立当初から新たなソフトウェア契約のモデル案を提案しようという方向で勉強会を続けてきた.2016~2017年度は,外部からゲストスピーカーを招き,アジャイル開発とその現場での様々な契約モデル,それぞれにまつわる問題などについてお話を聞き,ディスカッションを行った.2018年3月に情報処理学会第80回全国大会にて,「アジャイル開発の事例に則した契約の一例提案」を行うイベントセッションを行った.会場からは非常に多くの意見が寄せられたので,まず2018年度はアンケートの結果を分析し,アジャイル開発の本質を踏まえたより実践的な契約条項を検討することとした.スプリントごとの請負による個別契約とかかる個別契約をベースにした全体プロジェクトに関する緩やかな契約であったが,会場からの多くの意見を参考に,ユーザとベンダー双方がメリットを感じられる契約書の作成を試みた.2020年3月に情報処理学会第82回全国大会にて,「誰のための契約なのか?〜アジャイル開発のソフトウェアモデル契約〜」というタイトルでイベントを行う予定であったが,現地開催が中止になり,本イベントは会場との対話を目的としていたためオンライン開催も見送った.
  • 第1回(通算第22回)
    日時:2019年4月4日(木) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第2回(通算第23回)
    日時:2019年5月10日(金) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第3回(通算第24回)
    日時:2019年6月25日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第4回(通算第25回)
    日時:2019年7月22日(月) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第5回(通算第26回)
    日時:2019年9月12日(木) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第6回(通算第27回)
    日時:2019年10月17日(木) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第7回(通算第28回)
    日時:2019年11月5日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第8回(通算第29回)
    日時:2019年12月3日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第9回(通算第30回)
    日時:2020年1月15日(水) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第10回(通算第31回)
    日時:2019年2月4日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
  • 第11回(通算第32回)
    日時:2019年2月27日(火) 18:00~20:00
    場所:のぞみ総合法律事務所
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 情報処理学会第82回全国大会にてイベントセッションを行う予定であったが,現地開催中止のため,イベントも中止となった.

 日時:3月6日(金)9:30-11:30
 場所:第3イベント会場
 タイトル:誰のための契約なのか?〜アジャイル開発のソフトウェアモデル契約〜

3.総括

 2019年度は,2018年3月の全国大会でいただいた意見を受けて,ユーザとベンダ双方がメリットを感じられる契約形態として準委任型をベースとした契約書の作成を試みた.当事者(発注者・受注者)双方が,開発に関わるプレイヤー(プロダクトオーナー,ステークホルダー,開発チーム,スクラムチーム,スクラムマスター)とともに,刻々と変化するビジネス・技術環境等に応じてどのような役割を担い,どのような善管注意義務や協力義務を尽くべきであるのか,という点について,実務家と法律家がそれぞれの立場から作成に携わることで,キメの細かい視点からの契約書が作成できたと思う.
 また,本グループのメンバーが数人,IPA/経産省のモデル取引・契約書見直し検討部会,DX対応モデル契約見直し検討WGの委員を引き受け,そのモデル契約が3/31に公開された.

4.その他

 3月に公開予定であったモデル契約については,近々ホームページ上で公開予定である.
 今年5月20日のアジャイル・ジャパンにて, アジャイル開発契約のあるべき姿とは?~情報処理学会/情報処理に関する法的問題グループチームとIPA/経産省チームの試み~というイベントを行い,両者の比較をしながら説明予定であったがアジャイルジャパン自体の開催が中止となったためこちらも中止となった.その代わり,IPA/IPSJ共催の形での何らかのイベントができないか今後検討することとしている.

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◇ビッグデータ解析のビジネス実務利活用(PBD)研究グループ

[主査:石井一夫,幹事:里 洋平,高柳慎一,中野美由紀]

1.定例の研究会活動報告
 本ビッグデータ研究グループ幹事会
 日時:2020年3月17日 13:00~14:00ビッグデータ研究グループ幹事会
 出席者:石井 一夫,里 洋平,橋本 武彦,福中 公輔,加藤 浩,吉野 松樹
 内容:
 (1)論文誌デジタルプラクティス 43号ビッグデータ 特集号座談会インタビュー
    ビッグデータ,A I,データサイエンスに関するトレンドや今後の展望,および,大学におけるデータサイエンス教育カリキュラムの動向
 (2)幹事および運営委員メンバーによる活動に関する打ち合わせ.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 2019年度は実施なし.

3.総括

 昨年まで,主要な活動機会であったソフトウエアジャパンが中止となったため,今年は大きなイベントを開催できなかった.一方で,論文誌デジタルプラクティスからビッグデータ特集号の企画提案があり,これに協力する形での打ち合わせなどが,主要な活動舞台となった.また,雑誌企画の協力を通して,論文誌トランザクションデジタルプラクティス編集委員会や,教科書編集委員会などへ委員派遣を行った.
主査の勤務地が地方に移り,連絡が取りにくくなっていること,新型コロナウィルス禍の影響などから,研究会ベースの活動ペースを落としている.一方で,研究グループ運営委員などの学会内委員会への派遣,雑誌編集・出版企画への協力など活動機会が増えている状況である.

4.その他

 今後の活動予定:新型コロナウィルス禍の収束が見えないために,現時点では研究会実施の目処が立っていない.一方で,研究グループ運営委員などの学会活動への協力は積極的に行なっていくことになると思われる.
 主査の抱負:研究会活動の本格化は,新型コロナウィルス禍の収束後になると思われるが,ビッグデータやデータサイエンスをめぐる状況の変動は続いており,今後盛況化することが予想されるので,これにうまく乗り活動活発化を図りたい.

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調査研究運営委員会

◆オープンサイエンスと研究データマネジメント (RDM) 研究グループ

[主査:山地一禎,幹事:梶田将司,藤原一毅]

1.定例の研究会活動報告

 発足初年度となる2019年度は,2回の研究発表会を開催した.

  • 第1回研究会
    日時: 2019年9月20日(金)13:05~14:45
    場所: 広島大学東千田キャンパス
    発表: 4件
  • 第2回研究会
    日時: 2020年3月3日(火)14:20~16:00
    場所: オンライン
    発表: 4件
2.シンポジウム・国際会議等の報告
 2019年度は実施なし.
 2020年度は,9月1日~3日に開催予定のFIT2020にてイベント企画を提案している.
3.総括

 RDM研究グループは,オープンサイエンスに関わる国内の取り組みを広く集約する情報交換の場を設けるとともに,その人材の評価・育成に資することを目的として,2019年4月に発足した.ゆくゆくは論文誌特集号や独自のデータジャーナルを発行し,発表者に学術的な業績を与えることを目標としているが,まずは研究グループの認知向上を図り,仲間を増やしていく必要がある.そこで,大学の情報基盤に関わる方々を中心に14名の運営委員を任命し,インターネットと運用技術(IOT)研究会の協力を得て,初年度中に2回の研究発表会を企画した.
 第1回研究会では,研究グループ創設の基調講演にあたるものとして,オープンサイエンス推進の政策的な背景を林和弘さん(文部科学省科学技術・学術政策研究所)に解説していただいた.つづいて,日本の学術機関における研究データ管理体制の整備状況と,研究データ管理のための基盤システムの開発状況について,国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センターのメンバーが発表した.このほか,京都大学における手書きデータの流通に関わる実践的な取り組みの報告があった.
 第2回研究会では,日本の学術機関の実情を深堀りし,課題を共有することに焦点が当てられた.はじめに,大学ICT推進協議会(AXIES)研究データマネジメント部会が作成した「大学における研究データ管理に関するアンケート」の5大学における実施結果が報告され,各大学の取り組み状況や研究者の期待が聴衆と共有された.つづいて,資金配分機関から要求される研究データ管理計画(DMP)の作成と,学術機関リポジトリ等における研究データの公開について,それぞれの立場から研究者を支援する組織やシステムのあり方を考察した発表があった.さいごに,研究成果の再現手順を保存・管理・提供するためのデータ分析プロセス共有手法の提案があった.
 研究発表会は2回ともIOT研究会と日程・場所を合わせたコロケーション開催としたことで,各回40名ほどの参加者があり,オープンサイエンス推進の現状と課題を共有するという所期の目的に向けて第一歩を踏み出すことができた.引き続き研究発表会を主軸として活動を継続し,問題意識を共有する仲間を広げていきたい.

4.その他

 オープンサイエンスに関わる人材の評価・育成に資するという当初の目標を達成するために,2020年度もIOTとの連携による研究会を重ねていく予定である.イベントとして,9月1日~3日に開催予定のFIT2020にて,「研究機関でアジャイル開発しませんか」と題するセッションを企画中である.また,論文誌デジタルプラクティスにおいて,研究データ管理をテーマとした特集号の企画を検討している.
 研究発表会の運営実務はIOT研究会のシステムを間借りする形で運営しており,情報学広場で公開されている予稿にもIOT研究会のキャプションしか入っていない.将来,RDM研究会として独立したときに,これまでの実績が不連続にならないような方策を考える必要がある.
 会員の皆さまには,広くオープンサイエンスと研究データ管理に関わる情報交換と人材育成の場として,本研究グループを活用していただければ幸いである.

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