情報処理学会 第79回全国大会 会期:2017年3月16日~18日 会場:名古屋大学 東山キャンパス 情報処理学会 第79回全国大会 会期:2017年3月16日~18日 会場:名古屋大学 東山キャンパス
2016年サイバー事件回顧録〜技術と法制度の両面から〜
日時:3月16日(木)9:30‐12:00
会場:第1イベント会場(坂田平田ホール)
【セッション概要】昨年度,人工知能の知的財産,ロボット法が大きな関心を呼んだ.知的財産や社会基盤との関係は,情報技術においてますます重要な視点になっている.本パネル討論ではそうした情報技術と法の問題を扱い今年で設立19年になるEIP研究会より,技術者の立場と,法律や政策などを研究する社会科学の研究者のそれぞれの立場から対策や技術の健全な発展手法について意見を述べ合うものとする.パネルでは,2016年度に比較的大きく報じられた事件を中心に討論する.さらに必要に応じて,本年度の問題だけに留まらず過去の事件や近いうちに問題となるであろう事象も扱うこととしたい.
9:30-12:00 パネル討論 2016年サイバー事件回顧録〜技術と法制度の両面から〜
【討論概要】2017年3月までに起きた,サイバー空間やITに関する様々な事件,問題,法律改正などについて多様な専門家からそれぞれの立場で意見を述べてもらう.・自動運転車の事故を教訓に,ロボットやAI(人工知能)に関する問題.・後を絶たない個人情報漏洩事件やネットワークへの侵入,その手段として使われる標的型攻撃を始めとする様々なサイバー攻撃.・個人情報保護法・行政機関個人情報保護法等の改正に伴う,パーソナルデータの保護と利活用.・TPPの知財条項が与える影響.・2020年に控えたオリンピックを見越したサイバーインフラ防御のありかた.・IoTやM2Mの普及のために必要なことは何か.・その他,情報処理学会に関連する分野の様々な事件や裁判例.等々を扱う予定.
パネル司会:須川 賢洋 (新潟大学 法学部 助教)
【略歴】新潟大学大学院法学研究科修了.修士(法学).専門はサイバー法で,コンピュータ犯罪,デジタル知的財産,情報セキュリティ制度,デジタル・フォレンジックなど,先端技術と法律の関係を中心に研究.共著に「ITセキュリティカフェ—見習いコンサルの事件簿」(丸善),「実践的eディスカバリ—米国民事訴訟に備える」(NTT出版),「デジタル・フォレンジック事典」(日科技連)など.
パネリスト:原田 要之助 (情報セキュリティ大学院大学 情報セキュリティ研究科 教授)
【略歴】1954年京都生まれ.1979年京都大学大学院工学部数理工学専攻修了.電信電話公社(現NTT)の研究所で通信ネットワークの監視,制御システムを開発.1999年から情報通信総合研究所にてセキュリティコンサルやセキュリティ監査に従事.大阪大学工学部大学院工学研究科の特任教授を経て2010年より現職.2000年から2009年までOPCW(化学兵器禁止機関)の情報セキュリティ監査のチームリーダを務める.経産省のIT関連の委員会の委員,2008年から2010年までISACA(情報システムコントロール協会)国際本部副会長,セキュリティマネジメント学会常任理事,日本ITガバナンス協会理事なども歴任.2016年より日本セキュリティマネジメント学会会長.
パネリスト:板倉 陽一郎 (ひかり総合法律事務所 弁護士)
【略歴】2002年慶應義塾大学総合政策学部卒,2004年京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻修士課程修了,2007年慶應義塾大学法務研究科(法科大学院)修了.弁護士(ひかり総合法律事務所).2016年4月よりパートナー弁護士.2010年4月より2012年12月まで消費者庁に出向(消費者制度課個人情報保護推進室政策企画専門官).情報ネットワーク法学会理事,情報処理学会電子化知的財産・社会基盤研究会幹事,第二東京弁護士会国際委員会副委員長,経済産業省,総務省,スポーツ庁等の有識者委員等を現任.主な取扱分野はデータ保護法,IT関連法,知的財産権法等.
パネリスト:金子 格 (東京工芸大学 工学部コンピュータ応用学科オーディオビジュアルメディア研究室 准教授)
【略歴】1980早稲田大学卒.2004博士(情報科学).(株)アスキーにてパソコンシステムソフトウエア,システムLSI,ASIC,ゲーム機ソフトウエアの開発に従事.その後グラフィックスコミュニケーションラボラトリーズでMPEG標準化の策定等に従事.SC 29/WG11 オーディオ小委員会幹事,SC29/WG11システム小委員会主査等を歴任.2004年より東京工芸大学准教授.
パネリスト:加藤 尚徳 (株式会社KDDI総合研究所 フューチャーデザイン1部門3グループ)
【略歴】(株)KDDI総研において,情報法制(プライバシー・個人情報等)を中心とした法制度や技術の調査・研究・コンサル業務に従事.また,大学の非常勤講師として,情報法,知的財産法,情報セキュリティに関する講義を担当している.総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻単位取得満期退学,修士(情報学),神奈川大学および神奈川工科大学非常勤講師,(一財)情報法制研究所研究員・理事長補佐,情報ネットワーク法学会理事,慶應義塾大学SFC研究所上席所員.
パネリスト:折田 明子 (関東学院大学 人間共生学部 コミュニケーション学科 准教授)
【略歴】2007年慶應義塾大学にて博士(政策・メディア)取得.中央大学ビジネススクール助教,慶應義塾大学特任講師,米国ケネソー州立大学Visiting Assistant Professor,関東学院大学人間環境学部専任講師を経て現職.インターネット利用における匿名性,プライバシー,若年層に対するリテラシー教育に関する研究に従事.