情報処理学会 第79回全国大会講演要旨

インターネット上の不特定多数の計算機を利用して高速な処理を行うエクスターナルグリッドでは，悪人により処理内容を不正に解析されるリスクがある．その解決策の一つとして，処理の一部を選んで信頼できる計算機に委託し，悪人から保護することで，他の処理との依存関係を隠蔽する手法が提案されている．しかし，保護量の増加は隠蔽できる依存関係量の増加と引き換えに，グリッドの処理速度の低下を引き起こす．本稿では，保護量の増加を抑制しつつ，隠蔽効果を最大化するように保護対象処理を選定する方法を，プログラム中の依存関係に基づく二つの選定基準を用いた手法による隠蔽効果の比較から検討する．