4F-02
ビッグデータから見た心拍変動リスク指標の冗長性
○湯田恵美,吉田 豊,小笠原宏樹,早野順一郎(名古屋市大)
24時間心電図より得られる心拍変動指標は循環器疾患の死亡率の予測指標とされるが,多くの研究者が様々な指標を提案しており,それらが互いに独立した指標なのか,あるいは同じ特性を別の面から捉えた冗長性を孕む指標の集合なのかは不明である.そこで,洞調律を示す24時間心電図24万件のbig dataを用い,死亡リスク予測指標である,R-R間隔標準偏差,超低周波数成分,scaling exponent α1,deceleration capacity,非ガウス性指標λ25sの5指標の異常値出現率を調べ,指標間の関連が無い場合に複数の指標が重なる期待確率を求めて実際の観測値と比較した.一つも異常値のない人の期待確率は50.2%に対し観測値は60.5%で1.2倍,異常値を1つだけ持つ人は38.9%対24.8%で0.6倍,2つの人は9,9%対9.1%で0.9倍,3つの人は1.0%対3.9%で4倍,4つの人は0.04%対1.4%で34倍,5つ全て持つ人は0.0006%対0.3%で434倍であった.多くの異常値を持つ人の存在率が期待値よりも高いことから指標間の強い冗長性が示唆される.

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