情報処理学会 第79回全国大会講演要旨

複数の人が同一の空間で過ごす状況では、同じ室温であっても感じ方は人によって異なる。住空間を共有する場において一人ひとりが快適と感じる空調制御サービスの実現に向けて、個人ごとの体感温度の変化を推定する技術の開発を進めている。室内で空調機を使用する状況で6名の被験者の自己申告による体感温度の主観データと、室内の温度・湿度、空調機の運転ログ等の客観データを蓄積している。本稿では、室温の感じ方を定量化するために構築した体感温度の時系列変化パターン表現モデルが、室温に関する快・不快の感じ方の個人による違いを可視化するのに役立ち、個人に適応した空調制御の高度化に有益な示唆を与えることについて述べる。