情報処理学会 第79回全国大会講演要旨

近年，車載制御システムの大規模化・複雑化に伴い，MATLAB/Simulinkなどのプラットフォームを利用するモデルベース開発が普及しつつある．一方，プロセッサのマルチコア化，メニーコア化が期待されていて，最近製品化したメニーコアの中に， KALRAY社が製品化したMPPAというメニーコアは，時間制約が厳しい自動車向けには適しており，将来の可能性の一つとして注目されている．本研究は，MPPAメニーコアを車載制御に用いるため，ブロック線図で構成されるSimulinkモデルからMPPA向けのSigmaC（MPPAにおけるデータフロープログラミング言語）ソースコード生成フローを構築した．次に，生成フローにおいてブロックレベルでの並列化アルゴリズムの研究を進め，Kernighan-Lin法とよばれる既存のグラフ分割アルゴリズムを実装し，実際の車載モータアプリケーションを用いて評価を行った．