2R-09
人工市場を用いた高頻度取引市場における情報転送遅延が市場に与える影響の分析
○日野克哉,野崎 淳(神奈川工科大),水田孝信(スパークス・アセット・マネジメント),八木 勲(神奈川工科大)
近年,金融商品取引において高頻度取引(High Frequency Trading,HFT)の存在感が増している.HFTは一般の投資家と比べ高頻度に注文を行う.これにより市場に流動性をもたらすが,増えすぎると市場に悪影響を与える可能性がある.
一方で,注文情報や現在価格など,取引に関わる情報の転送時に発生する遅延もまた市場に悪影響を与えることが知られている.例えば,遅延が注文間隔の平均より大きくなった場合,市場を非効率にする恐れがあることが先行研究によって示されているが,HFTについては考慮されていなかった.
そこで本研究では,HFTが行われている市場において,情報の転送時に発生する遅延が価格形成や市場効率性にどのような影響を与えるのかを人工市場シミュレーションにて分析した.

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