2R-08
人工市場を用いた分散投資規制が資産価格急落時の市場に与える影響の解明 -単一市場にのみ投資する投資家を考慮したモデルでの実験-
○柏木 翔,野崎 淳,八木 勲(神奈川工科大),水田孝信(スパークス・アセット・マネジメント)
分散投資規制は,1つの発行体への投資額を投資信託純資産の一定割合以下にするものである.人工市場シミュレーションによる先行研究では,現実の市場同様、ある資産価格が急落すると、他の資産価格も連動して下落し、価格がオーバーシュートすることが確認されている。しかし、先行研究では全投資家が全資産に分散投資すると仮定していたが、現実市場には単一市場にのみ参加する投資家も存在する。そこで本研究では,人工市場に単一市場にのみ投資を行う投資家を追加し,先行研究とどのような違いが現れるのか調査した.その結果,資産価格下落時のオーバーシュートが先行研究よりも小さくなることが確認できた。これにより先行研究では価格が現実より大きく変動する可能性があることが判明した。

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