2K-02
ネットワークQoE制御のためのSNSによる集合知に基づいた大規模災害時における情報抽出
○丸 千尋(お茶の水女子大),榎 美紀(日本IBM),中尾彰宏,山本 周(東大),山口実靖(工学院大),小口正人(お茶の水女子大)
東日本大震災に見られるように,被害状況の把握に必要な通信回線の混雑および故障に関する情報が膨大になると,ネットワーク全体の状況を迅速に把握することが困難となる.また,震災時には,電話やメールが使えないユーザが多い中,SNSは利用可能な場合が多い.震災のような緊急時では,ユーザがネットワークの状況に強い関心を寄せ,その情報をSNSを通して積極的に発信すると考えられる.そのため,我々はSNSによる集合知が,従来のネットワーク監視の相互補完的な情報取得手段として有効であると考える.本研究では,緊急時に自動的/自律的なネットワーク制御を実現するため,SNSの集合知から通信障害に関する情報を検出する,ネットワーク障害検知システムの提案を行う.障害が発生している地域を検出するため,ソーシャルデータに出現する市区町村名に着目し,確率分布に基づいて解析を行う.東日本大震災時のツイートを用いて評価を行い,市区町村単位で通信障害を検出する提案手法が,より一層障害検出の精度を高めることを示す.更に,ネットワークテストベッド上で,検出した情報を利用した経路制御を実現できることを示す.

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