情報処理学会 第79回全国大会講演要旨

近年のキャッシュメモリは階層化されており，階層が低くなるほどキャッシュメモリの容量は大きく，参照速度は遅くなる．加えて，キャッシュ階層が低くなるにつれ，キャッシュヒット率が低下し，キャッシュミスに起因するタグ参照の消費電力が浪費される．そこで本研究では，目的とするデータがキャッシュメモリ内に存在しているかを事前にBloom Filterを用いることにより判断し，下位キャッシュメモリへの参照を制限する．このフィルターが下位キャッシュメモリ内にデータが存在しないと検知するならば，キャッシュメモリへの参照が抑制される．これにより，消費電力の削減を実現する．