情報処理学会 第78回全国大会 会期:2016年3月10日~12日 会場:慶應義塾大学 矢上キャンパス 情報処理学会 第78回全国大会 会期:2016年3月10日~12日 会場:慶應義塾大学 矢上キャンパス
オープン・サービス・イノベーション活用の秘訣は何か?−デジタルプラクティスライブ−
日時:3月12日(土)9:30-12:00
会場:第2イベント会場(11-31)
【セッション概要】ディジタル技術の進展により,企業におけるITの積極活用や新たなサービス開発において,自社以外のリソースを組み合わせ新しいサービスを生み出す「オープン・サービス・イノベーション」が注目を集めています.この新しい取り組みは,従来の企業内開発のようなクローズ型ではなく,多様なステークホルダとサービス提供者が価値共創を行うことに特徴があります.本セッションでは,デジタルプラクティス特集号「オープン・サービス・イノベーション」の発刊を控え,そのアウトラインを紹介するとともに実務者を中心に実践のポイントについて具体的な事例を中心に議論を進めます.
司会:澤谷 由里子 (東京工科大学 教授)
【略歴】東京工業大学大学院総合理工学研究科システム科学専攻修士課程修了,東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系博士後期課程修了,学術博士.日本IBM(株)入社.情報技術の研究開発(ソフトウエア開発,オブジェクト指向言語開発,R&D戦略,パーソナルシステム研究戦略,研究評価,サービス研究)に従事.2005年よりサービス科学研究の立ち上げを行った.その後,科学技術振興機構においてサービス科学プログラム(S3FIRE)フェロー.早稲田大学教授に従事.2015年9月より東京工科大学コンピュータサイエンス学部大学院アントレプレナー専攻教授.早稲田大学,中央大学等において非常勤講師.経済産業省産業構造審議会商務流通情報分科会「情報経済小委員会」委員.サービス学会理事.研究・技術計画学会理事.PICMET-Japan事務局長などを兼任.
9:30-9:45 講演(1) 自社メディアを活用したオープンサービスイノベーション実践
柴崎 辰彦 (富士通株式会社 インテグレーションサービス本部戦略企画統括部 統括部長)
【講演概要】情報システム部門に対して受託型ビジネスを行ってきたICTベンダは,ディジタルテクノロジーの進展により,経営層や事業部門,その先にいる生活者と新たなサービス創出の必要性に迫られている(共創型サービスモデル).これまでとは異なるターゲットのニーズやウォンツを感じ取り,カタチにしていくためには,利用者との新たな関係作りやビジネスの生み出し方,実行する人材育成など組織的な対応が欠かせない.富士通では知識創造理論を基にした自社メディアの活用により,これらの課題解決にチャレンジしている.メディアを起点にイノベータと関係をつくり,共創の場で課題解決のアイデアを生み出すことにより,新たなビジネスチャンスが生まれている.
【略歴】1987年富士通(株)に入社.国際ネットワーク,テレカンファレンス,CRMなど数々の新規ビジネスの立上げに従事.CRMビジネスでの経験を踏まえ,サービスサイエンスの研究と検証を実践中.コミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」「Digital Innovation Lab」を立ち上げ,オープン・サービス・イノベーションを実践中.サービス学会理事.日本ナレッジマネジメント学会,大学等での講演多数.著書「勝負は、お客様が買う前に決める!」ダイヤモンド社.
 
9:45-10:00 講演(2) ITとコミュニティの力による,自分達のまちづくり
関 治之 (一般社団法人コード・フォー・ジャパン 代表理事)
【講演概要】ITとコミュニティの力を使い,行政を批判するのではなく,自分ごととして町の課題を捉え,改善していく,そのための技術活用を「シビックテック」といいます. 日本全国のシビックテック活用コミュニティを支援するCode for Japanの概要と,各地の事例を紹介します.
【略歴】シビックテック旗振り人.「ともに考え,ともにつくる」をテーマに,地域コミュニティ× ITで街を改善するコミュニティ,コード・フォー・ジャパンを運営するほか,地理情報系のシステム開発を行う Georepublic Japan社および,企業や行政のオープンイノベーションをサポートするHackCamp社を運営している.
 
10:00-10:15 講演(3) 大手企業とスタートアップによるコラボレーション:「NTT西日本スタートアップファクトリー&富士通アクセラレーターの事例研究から」
及部 智仁 (TBWA HAKUHODO QUANTUM マネージング・ディレクター)
【講演概要】マイクロソフト,ナイキ,ウォルト・ディズニーなどのように大手企業が自社の事業領域とのシナジーを生み出すためにスタートアップとの共創のためのアクセラレータを立ち上げICTのイノベーションを生み出している.欧米では大手企業がオープン・イノベーションのパートナーとしてのスタートアップを活用し,新規事業を生み出すスピードを加速化している.講演では国内の事例としてNTT西日本の「スタートアップ・ファクトリー」「富士通アクセラレーター」を取り上げ,国内における大企業とスタートアップのコラボレーションのためのポイントを議論する.
【略歴】(株)TBWA\HAUHODOの経営企画室在籍時に中期経営計画の策定から広告会社の次世代ビジネスモデルの事業立案を数多く経験.(株)博報堂のHAKUHODO.UNIVにて生活者発想のイノベーションを研究するラボを主宰し,「オープン・サービス・イノベーション」の日本語版を出版.TBWA\HAKUHODO\QUANTUMを組成し,マネージング・ディレクターに就任.京都大学起業家教育プログラム(GTEP)講師,(株)博報堂DYホールディングス社内ベンチャー制度『AD VENTURE』の審査員を担当.東京工業大学大学院修了.東工大研究科長賞受賞.
 
10:15-10:30 講演(4) クラウドファンディングを活用した中小製造業の自社製品開発手法「マイクロモノづくり」の可能性について
三木 康司 (株式会社enmono 代表取締役)
【講演概要】従来,「量産ハードウェアの商品開発は小規模な経営資源のみでは成立が難しい」とされていました.これに対して,経営資源が限られた中小企業が,クラウドファンディングを用いて短時間で効率的に自社製品を行う「マイクロモノづくり」という製品開発手法を用い,成功した複数の製品開発の事例をご紹介します.同時にクラウドファンディングが資金調達だけではなく,販路開拓や,マーケティングに広く活用できるという可能性を示します.
【略歴】明治学院大学卒業後,富士通(株)に入社,海外営業部に配属される.その後,慶應義塾大学藤沢キャンパス(SFC)にてインターネットを活用した経営戦略を研究するため,自費留学.同校にて政策・メディア修士号を取得後,後期博士課程単位取得退学.中小製造業支援ベンチャー,NCネットワークに入社.同社は国内最大規模の製造業ポータルサイトに成長,IT担当役員を務めた後,2009年,だれもがメーカーになれる,「マイクロモノづくり」の概念を普及するために,(株)enmono を独立,起業.
 
10:30-10:45 講演(5) オープンイノベーションの法的課題とその解決
水野 祐 (シティライツ法律事務所 弁護士)
【講演概要】個人・企業間の共創型のオープンなプロジェクトにおいては,知的財産,営業秘密,製造物責任などの権利帰属,責任分配などの点で課題が存在する.共創型のオープンなプロジェクトの実務において,どのような課題が発生しているのか,その課題の解決のためにどのような方策があるのか.法律家の観点から概観する.
【略歴】弁護士.シティライツ法律事務所代表.Arts and Law代表理事.Creative Commons Japan理事.慶應義塾大学SFC研究所所員.その他,FabLab Japan Networkなどにも所属.著作に『クリエイターのための渡世術』(共著),『オープンデザイン参加と共創からはじまるつくりかたの未来』(共同翻訳・執筆),連載に『法のデザイン インターネット社会における契約,アーキテクチャの設計と協働』(Business Law Journal)などがある.
 
10:45-11:00 講演(6) 未来をつくる関係性を基盤としたオープンイノベーション
西村 勇也 (NPO法人ミラツク 代表理事)
【講演概要】NPO法人ミラツクは,Emerging Future we already have(既に在る未来を手にする)をテーマに,社会起業家,企業,NPO,行政,大学など異なる立場の人たちが加わる,セクターを超えたソーシャルイノベーションのプラットフォームづくりに取り組んできたNPOです.今回は,ミラツクが取り組む,セクターや業種,職種を超えた関係性を構築するイノベーションプラットフォームの取り組みと,その仕組みを企業内に組み込むことで興すオープンイノベーションによる新規事業創出の取り組みについて,企業事例を交えながらご紹介します.
【略歴】NPO法人ミラツク代表理事. 大阪大学大学院にて人間科学(Human Science)の修士を取得.人材育成企業,(財)日本生産性本部を経て,2008年より開始したダイアログBARの活動を前身に2011年にNPO法人ミラツクを設立. Emerging Future we already have(既に在る未来を手にする)をテーマに,社会起業家,企業,NPO,行政,大学など異なる立場の人たちが加わる,セクターを超えたソーシャルイノベーションのプラットフォームづくりと,企業が社会課題を基盤に社会と共に行う事業創出,事業コンセプトデザインに取り組む.
 
11:00-12:00 パネル討論 オープン・サービス・イノベーションで加速する共創型サービスモデル
【討論概要】パネルセッションでは,デジタルプラクティス特集号「オープン・サービス・イノベーション」のエディタと論文執筆者と共に、企業や地域コミュニティにおける実践のポイントについて具体的な事例を中心に議論を進めます.頭で分かっていても,なかなかオープン・サービス・イノベーションが進まない,そもそも多様なステークホルダと価値共創を行うとどんな利点・問題点があるのか等知りたい方におすすめです.会場の皆さんと共に考えていきましょう.
パネル司会:澤谷 由里子 (東京工科大学 教授)
【略歴】東京工業大学大学院総合理工学研究科システム科学専攻修士課程修了,東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系博士後期課程修了,学術博士.日本IBM(株)入社.情報技術の研究開発(ソフトウエア開発,オブジェクト指向言語開発,R&D戦略,パーソナルシステム研究戦略,研究評価,サービス研究)に従事.2005年よりサービス科学研究の立ち上げを行った.その後,科学技術振興機構においてサービス科学プログラム(S3FIRE)フェロー.早稲田大学教授に従事.2015年9月より東京工科大学コンピュータサイエンス学部大学院アントレプレナー専攻教授.早稲田大学,中央大学等において非常勤講師.経済産業省産業構造審議会商務流通情報分科会「情報経済小委員会」委員.サービス学会理事.研究・技術計画学会理事.PICMET-Japan事務局長などを兼任.
パネリスト:柴崎 辰彦 (富士通株式会社 インテグレーションサービス本部戦略企画統括部 統括部長)
【略歴】1987年富士通(株)に入社.国際ネットワーク,テレカンファレンス,CRMなど数々の新規ビジネスの立上げに従事.CRMビジネスでの経験を踏まえ,サービスサイエンスの研究と検証を実践中.コミュニケーション創発サイト「あしたのコミュニティーラボ」「Digital Innovation Lab」を立ち上げ,オープン・サービス・イノベーションを実践中.サービス学会理事.日本ナレッジマネジメント学会,大学等での講演多数.著書「勝負は、お客様が買う前に決める!」ダイヤモンド社.
パネリスト:関 治之 (一般社団法人コード・フォー・ジャパン 代表理事)
【略歴】シビックテック旗振り人.「ともに考え,ともにつくる」をテーマに,地域コミュニティ× ITで街を改善するコミュニティ,コード・フォー・ジャパンを運営するほか,地理情報系のシステム開発を行う Georepublic Japan社および, 企業や行政のオープンイノベーションをサポートするHackCamp社を運営している.
パネリスト:及部 智仁 (TBWA HAKUHODO QUANTUM マネージング・ディレクター)
【略歴】株)TBWA\HAUHODOの経営企画室在籍時に中期経営計画の策定から広告会社の次世代ビジネスモデルの事業立案を数多く経験.(株)博報堂のHAKUHODO.UNIVにて生活者発想のイノベーションを研究するラボを主宰し,「オープン・サービス・イノベーション」の日本語版を出版.TBWA\HAKUHODO\QUANTUMを組成し,マネージング・ディレクターに就任.京都大学起業家教育プログラム(GTEP)講師,(株)博報堂DYホールディングス社内ベンチャー制度『AD VENTURE』の審査員を担当.東京工業大学大学院修了.東工大研究科長賞受賞.
パネリスト:三木 康司 (株式会社enmono 代表取締役)
【略歴】明治学院大学卒業後,富士通(株)に入社,海外営業部に配属される.その後,慶應義塾大学藤沢キャンパス(SFC)にてインターネットを活用した経営戦略を研究するため,自費留学.同校にて政策・メディア修士号を取得後,後期博士課程単位取得退学.中小製造業支援ベンチャー,NCネットワークに入社.同社は国内最大規模の製造業ポータルサイトに成長,IT担当役員を務めた後,2009年,だれもがメーカーになれる,「マイクロモノづくり」の概念を普及するために,(株)enmono を独立,起業.
パネリスト:水野 祐 (シティライツ法律事務所 弁護士)
【略歴】弁護士.シティライツ法律事務所代表.Arts and Law代表理事.Creative Commons Japan理事.慶應義塾大学SFC研究所所員.その他,FabLab Japan Networkなどにも所属.著作に『クリエイターのための渡世術』(共著),『オープンデザイン参加と共創からはじまるつくりかたの未来』(共同翻訳・執筆),連載に『法のデザイン インターネット社会における契約、アーキテクチャの設計と協働』(Business Law Journal)などがある.
パネリスト:西村 勇也 (NPO法人ミラツク 代表理事)
【略歴】NPO法人ミラツク代表理事. 大阪大学大学院にて人間科学(Human Science)の修士を取得.人材育成企業,財団法人日本生産性本部を経て,2008年より開始したダイアログBARの活動を前身に2011年にNPO法人ミラツクを設立. Emerging Future we already have(既に在る未来を手にする)をテーマに,社会起業家,企業,NPO,行政,大学など異なる立場の人たちが加わる,セクターを超えたソーシャルイノベーションのプラットフォームづくりと,企業が社会課題を基盤に社会と共に行う事業創出,事業コンセプトデザインに取り組む.