情報処理学会 第78回全国大会講演要旨

大規模な意見集約の手法としてWeb上の議論が注目を集めている．Web上の議論には時間と場所の制約が無く，現実の議論に比べて参加しやすいという利点がある．一方Web上の議論は，議論の活性化という点で多くの問題点を持つ．現実の議論であれば，ファシリテータが発言を促すことで解決出来るが，Web上の議論においては困難である．なぜならWeb上の議論では，ユーザがファシリテータの発言を即時に閲覧する保証がないためである．従って，質が高い意見投稿を多く行うためのインセンティブを，自動でユーザに与える仕組みが必要である．本論文では，意見内容やタイミングを考慮し，報酬が動的に変化する議論ポイント機能の提案を行う．また，提案手法を大規模意見集約システムCOLLAGREEに導入し実験を行うことで，提案手法がユーザに質の高い意見投稿のインセンティブを与えることを確認した．