6H-04
資源共有問題における表現型可塑性と個性の多様化に関する進化モデル
○土屋礼徳,鈴木麗璽,有田隆也(名大)
生物は,環境条件に応じて異なる形質を発現する性質である表現型可塑性と,環境条件によらない個体間での形質の差である個性を持つ.本研究は,両者が集団内で多様であることの適応的意義を検討するため,資源共有問題を題材にした個体ベース進化モデルを構築した.数個体からなるグループにおいて,各個体は限られた種類のニッチを一つ利用し,重複しない場合のみ利益を得ることを繰り返す.前ステップでの空きニッチを選ぶ確率を可塑性遺伝子,それ以外の場合に一意に利用するニッチの種類を個性遺伝子として,集団を進化させる.本稿では,グループ内個体数がニッチ数より大きい場合に可塑性と個性の多様化が生じうることを示す.

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