4W-02
不均一な半透明物体の描画のためのTranslucent Shadow Mapsの拡張
○持田恵佑,岡本 翠(早大),久保尋之(奈良先端大),森島繁生(早大/JST)
半透明物体を物理的に正しくレンダリングするためには,膨大な計算時間が必要となる.そのため,ゲームなどリアルタイム動作が求められるアプリケーションに対しては,近似を用いることで半透明物体のレンダリングがおこなわれている.本研究では,物体の厚みを利用した半透明物体のリアルタイムレンダリング手法であるTranslucent Shadow Mapsを,内部に不均一な構造を持つ物体にも適用できるよう手法の拡張をおこなう.まず,事前計算として,物体の表面に対してサンプリングを施し,全てのサンプリング点のペアに対して物体厚みの計算をおこなう.さらに,レンダリング実行時に,事前計算された厚みの情報を用いることで,物体の厚みに依存しやすい単一散乱の放射輝度の近似計算をGPU上で高速におこなう.事前計算の際に,物体内部の媒質の違いに応じて厚みの尺度を変更することで,既存手法では表現できなかった,内部が不均一な物体に対しても光の散乱・吸収を考慮したレンダリングが可能となる.

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