情報処理学会 第78回全国大会講演要旨

Tor (The Onion Router)は、インターネットにおける匿名性向上を目的として開発された匿名化ネットワークである。匿名性が求められるインターネット上での内部告発等にTorは有用であるが、違法なWebサイトへのアクセス等に悪用されるという問題がある。この問題への対策を講じるためには、Torにおける通信を分析する必要がある。通信の分析はTorからの出口であるサーバ（Exitノード）上で行う必要がある。これはExitノード以外のTor内での通信が暗号化されるためである。しかし、Exitノードは、違法な通信の通信元として逮捕させる可能性もあるため、通信の分析にはリスクが伴う。本研究では、安全性を確保しTorを利用した通信を分析するシステムを提案する。