情報処理学会 第78回全国大会講演要旨

　日本で発生する船舶事故のうち、小型船舶による事故が約7割も占め、大きな課題になっている。貨物船やタンカーなどの500総トン以上の大型船舶は、近隣船舶の間で位置や針路などの情報交換を行うAISの搭載が義務化され、事故件数が減少している。しかし小型船舶は搭載義務がなく、コストがかかる、申請が必要などの要因で普及が進まず、平成20年から減少傾向が見られない。
　我々は、AISなどの専用機器に代わり、誰でも持っているスマートフォンでAISの代替が行えるシステムがあれば、小型船舶利用者50万人の命を守れると考えた。
　本論文では主に船舶との衝突を検知する危険検知部分、サーバ側が船舶の緊急事態を検知し、周辺航海中の全船舶に通報を行う緊急通報部分について論ずる。