情報処理学会 第78回全国大会講演要旨

近年，車両を用いた通信に注目が集まっている．本稿では汎用的に使用されている機器のみを使用して通信を行うが，広く一般的に使用されている無線LANには伝搬距離や認証時間に問題があり，車両を対象とした通信には不向きである．そこで本稿では，長い伝搬距離が期待できる920MHz帯の無線を使用して通信を行う．提案手法では，920MHz帯と5GHz帯の無線を併用し，距離に応じて通信方式を変更する．遠距離では920MHz帯を用いて車両とRSU(Road Side Unit)との間の通信を確立し，5GHz帯ではRSUから車両に向けて観光地への誘導情報を距離に応じて送信する．提案手法では，5GHz帯の通信確立に必要な情報をあらかじめ920MHz帯を使用して送受信することで，より車両の速度を考慮した通信の確立を実現する．