2F-03
顔認証ソフトウェアを用いたチケット本人確認システム
○西山雄吾,奥村明俊,半田 享,星野隆道,津雲 淳,高木 剛,窪田清仁(NEC情報システムズ)
本人確認とは法律的には実在性と同一性を確認することである.日常生活で実在性の確認は多くないが,同一性の確認は頻繁に行われる.例えば,身分証による入退場管理や各種ITサービスの享受など同一性が確認される.この同一性確認を個人認証または本人確認と呼ぶ.個人認証は,パスワードや暗証番号等本人のみが知っていることを利用する知識認証,身分証や運転免許書などを用いる所有物認証,指紋や顔等による生体認証の3つに分類される.知識認証では,忘れたり他人に知られる恐れがあり,所有物認証も紛失や盗難の恐れがある.生体認証は,そのような恐れはないが,利用場面によっては認証精度等の課題がある.このように,3つの認証方法には精度,コスト,効率面で長所と短所があり,本人確認の目的に応じて適切な認証を適用する必要がある.
大人数が参加するイベントの入場の場合,従来,参加証やチケット等の確認だけが行われ,個人認証の必要性は考えられていなかった.しかし,近年,個人によるチケットの売買が容易になり,それに伴って転売トラブルやダフ屋行為が社会問題化している.そのためチケットの本人確認が今まで以上に重要となっている.
本論文では,チケット転売を防止するため,顔認証ソフトウェアを用いた本人確認システムを提案する.本システムによって,チケット申込者の顔写真とイベント入場者の顔照合を行い,申込者が入場者と同一人物であることを確認する.まず,チケットの本人確認の現状と課題について述べる.次に,本システムと確認手順について説明する.そして,大規模イベントで実証した結果について報告し,今後の課題について考察する.

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