2D-02
自動ID取得ツール対策としての多層ニューラルネットワーク
○安藤義裕(ヤフー)
Web サービスの利用者に発行される ID が大量に取得されるケースが存在する. その多くは取得した ID を不正な目的で利用しているものと考えられる. Web サービスの ID を大量に取得するためのツールとして, 専用の自動入力ツールがインターネット上で販売されており, このようなツールを使えば誰でも効率的に大量の ID を取得することが可能になっている. 大量に取得された ID が詐欺メールの送信などの不正な行為に利用されると, その ID を提供している Web サービスにとってはブランドイメージや信頼性が低下することになる. また大量に取得された ID がアフィリエイト広告に利用されると, 広告主が支払う費用が不当に水増しされることになる. このようなツールに対する対策として, 我々は多層ニューラルネットワークを利用してツールの使用を検知し, 人による入力とツールによる入力を高い精度で区別できることを確認した. 多層ニューラルネットワークは近年特に注目されている Deep Learning の手法として画像認識や音声認識の分野において高い性能を出しているが, ツールを利用した自動 ID 取得への対策としても有効であることがわかった.

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