情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
招待講演(5)
川人 光男(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 所長)
情報処理技術を用いた脳の情報の解読と制御

日時:3月19日(木曜日)13:25-14:25
会場:第1イベント会場(百周年時計台記念館 1F 百周年記念ホール)

【講演概要】脳の活動を計測して,その信号から脳が表現している情報を解読する研究が最近の20年間で急速に進展しました.特に機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging)等,脳を傷つけない,“非侵襲的脳活動計測手法”を用いた,いわゆるデコーディング研究が盛んになっています.被験者が見ている視覚刺激を再構成し,夢の中身を当てることもできます.デコーディングで必須なのは,脳活動信号と情報を結びつける数理モデルです.さらには,デコーディングとニューロフィードバックを組み合わせて,脳に特定の情報に対応した活動パターンを実験的に引き起こすデコーディッドニューロフィードバック手法も開発されました.このような脳科学の最近の動向と数理モデルの関係に関して講演します.

【略歴】1976年東大理学部物理学科卒業.1981年阪大大学院博士課程修了.同年助手,1987年同講師.1988年(株)ATRに移る.2003年よりATR脳情報研究所所長,2004年ATRフェロー,2010年よりATR脳情報通信総合研究所所長.2008年よりJSTさきがけ領域総括,2013年11月より文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムBMI技術「精神・神経疾患等治療グループ」代表機関 代表研究者を兼任,現在に至る.科学技術庁長官賞,塚原賞,時実賞,朝日賞,APNNA賞,Gabor賞,大川賞,立石賞特別賞などを受賞.2013年紫綬褒章受章.