情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス 情報処理学会 第77回全国大会 会期:2015年3月17日~19日 会場:京都大学 吉田キャンパス
M2Mの社会実装と将来の象(かたち)
日時:3月18日(水曜日)9:30-12:00
会場:第4イベント会場(吉田南総合館 2F 共北26)
【セッション概要】近年のM2M技術の進歩と普及によってこれまでになかったサービスや製品が可能となりつつある.たくさんのセンサーやデバイスをネットワークにより相互に接続し,サイバースペース上で収集したデータの計算を行うことにより広範囲にわたり実世界の環境に働きかけを行うことが可能となる.実社会の中でM2M技術が利用されるにつれて,これまでの社会制度や社会のとらえ方さえも変化するようになってきた.本企画講演では現在利用されるようになってきたM2M技術の利活用の可能性とM2Mを用いたデータ収集とその応用および社会制度の観点から大学研究者および企業実務家による講演を企画する.
司会:喜多 一 (京都大学 国際高等教育院 教授)
【略歴】1987年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻,博士後期課程,研究指導認定退学,京都大学工学部,助手.東京工業大学大学院総合理工学研究科助教授,大学評価・学位授与機構 教授,京都大学学術情報メディアセンター教授を経て,2013年より京都大学国際高等教育院 教授,工学博士,情報処理学会,電気学会,計測自動制御学会,システム制御情報学会などの会員.
9:30-9:40 オープニング
9:40-10:10 講演(1) IOE(Internet of Everything)時代の自律分散システム ーリアルワールドOSの構想ー
出口 弘 (東京工業大学 教授)
【講演概要】IOE(Internet of Everything)の時代には,自律的エージェントとしてのソフトウェアエージェント,人,もの(ロボットやセンサ等)がネットワーク上の仮想データバスや仮想コントロールバスで結ばれた,サイバー・ソーシャル&フィジカルスペース(CSPS)上での相互作用を如何にデザイン・実装・マネージメントするかが課題となる.インターネット上に構築されるこれらの自律的エージェントからなる複雑なワークフローと,そのワークフローの集まった全体システムを設計・実装・マネージメントする技術は,産業から経済社会システムまで地球社会の基幹の社会技術となることが予想される.本研究ではこのネットワークで結ばれた実世界のタスクのプロセッシングを設計・実装・マネージメントするフレームワークを実世界オペレーティングシステムと呼び,そのアーキテクチャを明らかにする.またそれがどのような既存の情報技術やデータベースソリューションと異なるかも明らかにし,CSPS上でのデータフローソリューションについても論じる.キーワード:実世界OS,IOE(Internet of Everything),エージェントベースモデリング,エージェントベースシミュレーション,SOARS, FalconSeed,データフローソリューション.
【略歴】1986年東京工業大学総合理工学研究科システム科学博士課程修了.福島大学経済学部助手,福島大学行政社会学部助手,国際大学松下図書情報センター助教授,国際大学グローバルコミュニケーションセン助教授&専任研究員,中央大学商学部助教授,京都大学経済学部助教授を経て,2001年10月より東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻教授として現在に至る.学位:1986年12月 理学博士 東京工業大学総合理工学研究科.2001年 9月 博士(経済学)京都大学経済学研究科.専門:主体を含む複雑系,エージェントベースモデリング,ゲーミングシミュレーション,進化経済学,科学基礎論.学会:社会経済システム学会 理事・編集委員長.日本シミュレーション&ゲーミング学会 理事・会長.国際プロジェクト&プログラムマネージメント学会 評議員.科学基礎論学会 理事.進化経済学会 理事.計測自動制御学会 社会システム部会 主査.
 
10:10-10:40 講演(2) 社会システムにおけるデータの役割
椿 広計 (統計数理研究所 データ科学研究系 教授)
【講演概要】個人情報や法人情報は保護すべき対象であると同時に社会システムが効果的に動作するための公的性格も有している.すなわち,これらの正確な情報を社会システムの運用者に収集し,モデリングし,適切な運用手順を導くことは社会総体の期待効用を増大させることに繋がる.一方,これらの情報を公開することによって,公開された個人,法人は他者からの攻撃などによる損失を被るリスクも生じる.従って,運用者はこれらの情報を利用した場合の経済価値と,その公開可能性などの観点から分類し,適切な情報システムの下で監理を行う必要性がある.それら合理的かつ透明な監理方式を確立した上で,人間・社会の多様な情報はリンケージ可能となり,更なる経済価値を産むのである.
【略歴】統計家,工学博士,1982年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了,1982年東京大学工学部計数工学科助手,1987年慶應義塾大学理工学部数理科学科専任講師,1997年筑波大学社会工学系助教授,2000年同教授,大学院ビジネス科学研究科教授(2012年まで),2005年統計数理研究所リスク解析戦略研究センター長(2013年まで),2007年統計数理研究所データ科学研究系教授,2010年統計数理研究所副所長,2013年筑波大学名誉教授,応用統計学会長,統計関連学会連合理事長などを歴任,品質管理分野,新医薬品許認可の統計的方法などの標準化活動,総務省統計審議会,内閣府当家委員会委員などの社会活動を行う.
 
10:40-11:10 講演(3) 実例をまじえた,M2Mへの取り組み
山根 隆次 (株式会社コア 関西カンパニー エンベデッドシステム部 部長)
【講演概要】M2Mは社会インフラ・産業分野の発展,創出,融合をリードするICTの核となる技術である.農業,食,医療/ヘルスケア,エネルギー,製造,流通など様々な分野での応用が期待されるが,まだ多くの分野に有効活用出来ているとは言い難い.本講演では,M2Mを実現するための各種デバイス,ネットワーク,プラットフォーム,アプリケーションサービスへの取り組みを実例をまじえて紹介し,データ収集からクラウドサーバまでの有効活用を考える.
【略歴】1986年広島工業大学工学部電子工学科卒業.同年,(株)コアに入社.現在,エンベデッドシステム部部長として,計測制御とM2Mの融合を目指したシステム開発に携わる.
 
11:10-11:40 講演(4) M2Mと社会・行政・ビジネス
松井 啓之 (京都大学 大学院経営管理研究部 教授)
【講演概要】情報通信技術の発達と普及の結果,「ビックデータ」として,さまざまなデータを収集・集積・分析し,その結果を情報として活用する動きが,当たり前の時代になってきました.そこでは様々なサービスやビジネスへの活用が期待されています.さらに,M2M技術の発展,そして,その普及によって,これまで全く違った世界が開かれようとしています.その影響は,「ビックデータ」以上に,ビジネスの世界みならず行政や社会全体へ大きなインパクトを与えることが予想されます.そこで,M2Mが生み出す世界について検討したいと思います.
【略歴】1990年横浜市立大学文理学部卒,1995年東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程単位取得退学,博士(工学).東京工業大学工学部助手,愛知学院大学情報社会政策学部講師,京都大学大学院経済学研究科助教授,京都大学大学院経営管理研究部准教授などを経て,2013年より現職.
 
11:40-12:00 パネル討論 M2Mの社会実装と将来の象(かたち)
【討論概要】講演者出口弘氏,椿広計氏,山根隆次氏,松井啓之氏および司会喜多一氏5名よりセッション講演に関する感想を伺い,本企画セッションのテーマであるM2Mの社会実装と将来の象(かたち)について討論を行う.特に技術シーズを社会実装していくために必要となる社会的仕組みについて講演者,司会者の経験を踏まえた意見と意気込みをお話し頂き,今後の発展の可能性と問題点について意見交換を行う.また,今後の我々の社会においてM2Mを社会実装を行う上での基本指針について示唆を得ることを目標とする.
パネル司会:佐藤 彰洋 (京都大学 大学院情報学研究科数理工学専攻物理統計学分野 助教)
【略歴】2001年3月東北大学大学院情報科学研究科修了.博士(情報科学).2001年4月京都大学大学院情報学研究科助手.2007年4月同助教.2010年3月から9月日本学術振興会優秀若手研究者海外派遣(ドイツ・キール大学客員研究員).2012年10月スイス連邦工科大学チューリッヒ校客員研究員.現在に至る.専門はデータ中心科学.経済物理学.経済情報学.平成18年度情報処理学会山下記念研究賞.
パネリスト:出口 弘 (東京工業大学 教授)
【略歴】1986年東京工業大学総合理工学研究科システム科学博士課程修了.福島大学経済学部助手,福島大学行政社会学部助手,国際大学松下図書情報センター助教授,国際大学グローバルコミュニケーションセン助教授&専任研究員,中央大学商学部助教授,京都大学経済学部助教授を経て,2001年10月より東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻教授として現在に至る.学位:1986年12月 理学博士 東京工業大学総合理工学研究科.2001年 9月 博士(経済学)京都大学経済学研究科.専門:主体を含む複雑系,エージェントベースモデリング,ゲーミングシミュレーション,進化経済学,科学基礎論.学会:社会経済システム学会 理事・編集委員長.日本シミュレーション&ゲーミング学会 理事・会長.国際プロジェクト&プログラムマネージメント学会 評議員.科学基礎論学会 理事.進化経済学会 理事.計測自動制御学会 社会システム部会 主査.
パネリスト:椿 広計 (統計数理研究所 データ科学研究系 教授)
【略歴】統計家,工学博士,1982年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了,1982年東京大学工学部計数工学科助手,1987年慶應義塾大学理工学部数理科学科専任講師,1997年筑波大学社会工学系助教授,2000年同教授,大学院ビジネス科学研究科教授(2012年まで),2005年統計数理研究所リスク解析戦略研究センター長(2013年まで),2007年統計数理研究所データ科学研究系教授,2010年統計数理研究所副所長,2013年筑波大学名誉教授,応用統計学会長,統計関連学会連合理事長などを歴任,品質管理分野,新医薬品許認可の統計的方法などの標準化活動,総務省統計審議会,内閣府当家委員会委員などの社会活動を行う.
パネリスト:山根 隆次 (株式会社コア 関西カンパニー エンベデッドシステム部 部長)
【略歴】1986年広島工業大学工学部電子工学科卒業.同年,(株)コアに入社.現在,エンベデッドシステム部部長として,計測制御とM2Mの融合を目指したシステム開発に携わる.
パネリスト:松井 啓之 (京都大学 大学院経営管理研究部 教授)
【略歴】1990年横浜市立大学文理学部卒,1995年東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程単位取得退学,博士(工学).東京工業大学工学部助手,愛知学院大学情報社会政策学部講師,京都大学大学院経済学研究科助教授,京都大学大学院経営管理研究部准教授などを経て,2013年より現職.
パネリスト:喜多 一 (京都大学 国際高等教育院 教授)
【略歴】1987年京都大学大学院工学研究科電気工学専攻,博士後期課程,研究指導認定退学,京都大学工学部,助手.東京工業大学大学院総合理工学研究科助教授,大学評価・学位授与機構 教授,京都大学学術情報メディアセンター教授を経て,2013年より京都大学国際高等教育院 教授,工学博士,情報処理学会,電気学会,計測自動制御学会,システム制御情報学会などの会員.